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バリケード


題名
英題
ハングル
バリケード
Barricade
바리케이드
製作年 1997
時間 97
製作 J-COM
CJエンターテインメント
第一製糖
監督 ユン・イノ
出演 キム・イソン
キム・ジョンギュン
パク・ウンジョン
M.A KHAN
M.S JACKEY
パク・ナミョン
キム・イル
ユ・スンチョル
イ・ヨンイ
パク・チョンチョル
ミョン・スンミ
パク・ミヨン
パク・ヨンパル
日本版
Video
DVD
なし

 韓国の不法滞在外国人労働者問題を題材にし、父親と息子の関係を描いた作品。陳腐な脚本とスターシステムに頼ったレベルの低いコメディものやメロものが氾濫した1990年代中盤にあって、独特のテーマと形式美を持った低予算映画はひときわ光を放つ。この『バリケード』や『三人友達』はその代表格といえよう。

 「アメリカン・ドリーム」を夢見て米国で不法就労していた父親が腰を怪我して帰国。大学への入学金を入院費に使い、息子のハンシク(キム・イソン)は進学をあきらめざるを得なくなる。そんな過去からか、ハンシクはあらゆることに無関心。彼は洗濯工場で働いているが、そこには不法滞在中のバングラディッシュ人 KHAN と JACKEY、それにフィリピン人女性の三人が韓国人労働者と一緒に働いている。彼らは「コリアン・ドリーム」を実現しようと一生懸命に働くのだが、同僚の韓国人達は彼らを人間扱いしない。

 韓国人と外国人、外国人と外国人、韓国人と韓国人、そして主人公ハンシクと父親、皆互いに心の障壁(バリケード)を持っている。目に見えないバリケードを抱えながら淡々と展開するストーリー。そこには異なる文化、思想、世代に属する者達の苦しみ・軋轢がある。韓国人労働者と差別される外国人労働者を「加害者−被害者」という構図で描くのではなく、「人間はどうすれば心の障壁を克服できるか」という点に主眼を置いているのが特徴。

 ユン・イノ監督デビュー作。照明監督はイ・ガンサン。第2回(1997)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門出品作品。第4回「燃える7時間!日韓映画バトル」上映作品。

初版:1999/2/13


■ コラム

 「ユン・イノ監督作品『バリケード』との出会い −『僕が9歳だったころ』から『バリケード』へ−」はこちら


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