謎の人物チョン・ギルチェ監督第2作。一人の若者の数奇な運命を通して、人生、そして真の家族とは何であるかを問うヒューマン・ドラマ。
ヨンジュン(イ・ミヌ)は高校の卒業式の日、交通事故で母親(シン・ヘス)を失い、父親(キム・ミョンゴン)は植物人間になってしまう。有閑マダムに体を売って父親の手術費を工面していたヨンジュンだが、付き合っていた後輩チュヒ(チョン・ミネ)との関係で知り合った金持ちの娘ヒソン(ファン・スジョン)と結婚することになる。しかし、ヒソンは結婚の条件として父親を養老院に送ることを要求。ヨンジュンは実の父を山に捨てるという非人間的行動に出る。あらゆる事実を知ったチュヒはヨンジュンを偽善者だと問い詰める。そして、ヒソンはヨンジュンの父親のこと、そして彼が昔チュヒと付き合っていた事を知る。
1998年に製作されたが、配給上の都合で公開が遅れ、翌年5月に公開された。韓国では成績を、A+,A,B+,…の順につけるのだが、題名の『A+生』はこれと関係があるのだろうか?
監督のチョン・ギルチェは、自らが語った「15年間、アメリカで映画と音楽の勉強をした」という経歴と、1995年に『飛雪』という映画を作ったということ以外何も知られていない謎の人物。それにもかかわらず、TVドラマ『龍の涙』でブレイクしたイ・ミヌと、SBSの司会者からCMモデルやタレントに転身して人気のファン・スジョンをキャスティング。また、『風の丘を越えて〜西便制』のキム・ミョンゴン、1980年代に活躍した『アダダ』のシン・ヘス、『馬鹿宣言』,『於宇同』,『旅人は休まない』のイ・ボヒ(ヒソンの母役)といった名優が脇役で出演しているのが嬉しい。
初版:1999/8/20
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