監督: |
私はかねてから夕張にぜひ一度来てみたいと思っていました。今回、私の作品を上映していただくことになりまして、非常にうれしく思っております。今日久しぶりに、この作品を自分でも見ました。皆さんと一緒に見ることができ、非常に良い気分です。本当にありがとうございます。 |
質問: |
主人公の女性がすごく個性的ですが、モデルはいるのでしょうか? |
監督: |
この作品はインターネットで発表された小説が原作になっています。その小説は非常に人気があった作品なんですが、半分が実話だと伺っています。韓国でもその点が非常に関心を集めたのですが、実際にモデルとなった女性は一度も公の場所に現れたことがありませんので、韓国の人たちも気になっていますし、私も一度会ってみたいと思っているのですが、お会いしたことはないです。 |
左から司会の塩田時敏さん、通訳の根本理恵さん、クァク・ジェヨン監督 |
質問: |
劇中劇の映画のシーンの構成は、最初から構想の中に入っていたのでしょうか? |
監督: |
私はこのインターネット小説を読んで、映像化するにはちょっと見所が少ないなと感じましたので、映画にするために脚色を加える必要があると思いました。私は、今回この作品を作るにあたりまして、好きな映画のジャンルをすべて盛り込んだものにしたいと思いました。実は、この映画を撮るまでには長いお休み期間があったので、その間に個人的に書いていたシナリオがいくつかありました。たとえばアクションものですとか、任侠ものですとか、武侠ものですとか、いろんなシナリオを書いて温めていましたので、その中から少しずつ、この映画の劇中劇に要素を取り入れながら構成していきました。 |
質問: |
劇中の主人公の台詞で「韓国映画は悲しいものじゃないとうけない」というような台詞がありましたが、私が見たものでも恋愛ものに素晴らしい作品が多いと感じました。最近の韓国では恋愛映画の勢いが強いのでしょうか? |
監督: |
最近、韓国映画はジャンルが多様化していまして、色々な映画が作られるようになったので、数から見ますと恋愛映画はそれほど多くありません。韓国映画も技術的に発展して、最近ではSFやアクションやコメディーなど多彩なジャンルが作られるようになりました。そんな訳で、現在では特に恋愛映画が多いというわけではないのですが、数年前までは技術に頼らなくても(=大金を投入しなくても)作れる恋愛映画が非常に多かったので、そういった内容がこの映画の中で出てきます。 |
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質問: |
主役の二人がとても魅力的でした。どういう理由でこの二人をキャスティングしたのですか? |
監督: |
シナリオを書き上げ、次に決めなくてはならないのがキャスティングでしたが、誰にこの役を任せたらいいのか悩みまして、アンケート調査を行いました。チョン・ジヒョンさんは、これまで恋愛ドラマにたくさん出ていましたので、こういった役に合うだろうかという意見も一部にはありましたが、意外なことにアンケートの結果「彼女がこの役に合うだろう」との意見がとても多く、私もそう思いましたので、彼女にこの役をお任せすることにしました。男性のほうのチャ・テヒョンさんは、これまで彼が演じたことのない演技を引き出さなくてはならなかったので、どうかなあという気持ちも少しあったんですが、実際にキャスティングしてみたところ、とても素晴らしい演技を見せてくれました。今考えると、彼ほどこの役に合っている人はいないんじゃないかと思えるほどです。今回この作品を、この二人の俳優さんにお任せできたことは非常に幸いでしたし、二人が出てくれたからこそ、大成功を収めることができたのだと思います。実際のチョン・ジヒョンさんは『イルマーレ』とこの作品の中間くらいの性格で、はつらつとした面と、恋愛もので見せるような落ち着きのある雰囲気の両方を持ちあわせた女性です。 |
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質問: |
これまで書きためている作品があるとのことでしたが、今後そういったものを映画化する予定はありますか? |
監督: |
今準備を進めているのは、今回よりもコメディー要素がすこし少ない恋愛ドラマです。内容としましては、私の年齢からみて父の世代の人たちの恋愛、それと私たちの世代の恋愛、二つを同時に進行させ、ある時にはその二つのドラマが交錯するような構成のものを考えています。タイトルは『クラシック』です。私はアクション映画も大好きなので、ぜひ撮ってみたいと思っています。実は四年前に『英雄の名前で』というアクションものを撮っていたのですが、50%位撮り終えたところで資金が尽きてしまい、中断してしまったことがありました。ですので、いずれはぜひアクションものを手がけてみたいと思っています。このわずか数年間で、韓国映画界には様々な変化がありました。数年前に私が今の質問のように「次の作品はどのようなものを撮りますか?」と聞かれたら、「次に撮るのは早くても四年後か五年後、もしかしたら10年後かもしれないです」とお答えしていたかもしれません。次の作品を近いうちに撮ることができるという今の状況を、嬉しく思っています。 |
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