日本の植民地時代に活動した天才詩人李箱(イ・サン)が詩に込めた暗号の秘密を解き明かす三人の若者の物語。歴史と現実が混ざり合った形式で描かれる架空のミステリーSFアドベンチャー。韓国版『インディ・ジョーンズ』と評される。天才詩人イ・サンの生涯を軸に、日本の朝鮮侵略からパク・チョンヒ(朴正煕)大統領暗殺までを扱うスケールの大きいシナリオが売り。
大日本帝国は世界の気が集まるソウルを占領するために朝鮮侵略を急いだ。そして林夏雄が師団長を務める1719部隊は朝鮮半島の「気」を奪うためにあちらこちらに六面角体を設置し、朝鮮総督府の地下に「気」を絶つための「くい」を打込む。一方、京城高等学校を卒業したイ・サンは朝鮮総督府の建築家として就職。朝鮮総督府の建物の設計をし、2年間消息を絶った後、1932年に突然姿を現し『建築無限六面角体』という謎めいた詩を発表した。
時は経ち世紀末のソウル。イ・サンに関する卒論を書いていた国文科大学院生ヨンミン(キム・テウ)とイ・サンに関する記事を準備していた女性記者テギョン(シン・ウンギョン)はコンピュータ通信の「MAD イ・サン同好会」に加入する。ドッキ(イ・ミヌ)が中心となって同好会メンバーはイ・サンの難解な詩『建築無限六面角体』が一種の暗号ではという視点でパソコン通信の掲示板にリレー小説『建築無限六面角体の秘密』を連載する。この小説は大きな話題となるが、執筆を担当したコピーキャット(パク・チョンファン)とキャンバス(コグマ)が謎の死を遂げる。知ってはならない歴史的陰謀に彼らが触れたからだ。そして、パク・チョンヒ大統領も1970年代にこの詩の秘密を探るために安企部で四人組を結成&調査していたという秘密をハッキングしたドッキも、「林夏雄は生きている」という謎の言葉を残して消息を絶つ。3人の若者達の行方には何が待ち受けているのだろうか?
1996年映画振興公社シナリオ公募当選作。公募に審査委員として参加し、この作品を当選作に推薦したユ・サンウク監督がメガホンを取る。30億ウォン近い製作費を投入し、ミニチュアを駆使した特撮とCGがふんだんに使われている。CGを担当したのは『ピアノマン』,『因縁』のCGを担当したゼロワン・ピクチャーズ。シン・ウンギョン、キム・テウらの代役なしの果敢なアクション演技が見所の一つ。
第9回アジアフォーカス・福岡映画祭 '99 と第11回(2000)ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭ヤング・ファンタステック・グランプリ部門に出品され、『ミステリー・オブ・ザ・キューブ』という題名で上映された。第3回(1999)富川国際ファンタスティック映画祭「ファンタスティック韓国映画特別展」部門出品作品。
初版:1999
最新版:2000/2/14
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