ファミリー
題名 英題 ハングル |
ファミリー Family 패밀리 |
製作年 |
2002 |
時間 |
107 105(日本版DVD) |
製作 配給 |
俳優の村 シナブロ・エンターテイメント |
監督 |
チェ・ジヌォン |
出演 |
ファン・シネ ユン・ダフン キム・ミンジョン ファン・イニョン イ・ギョンヨン クォン・ヘヒョ イ・ドンゴン チョン・デビョン チョ・ドッキョン チェ・ウンジュ |
日本版 Video DVD |
DVD |
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仁川を支配しようとする兄弟チンピラと、これに対抗する仁川最高のルームサロンのマダムの対決を描いたアクション・コメディ。お互いを「兄弟」「姉妹」と呼び合うチンピラ兄弟と水商売の女たちを通じて、本当の「ファミリー」を守る力が何であるかを描く。題名の『ファミリー』は文字通り「家族」という意味よりも、自分の命よりも大切な「関係」を意味するとか。
木浦出身の兄弟チンピラ、チャ・ソンジュン(ユン・ダフン)とチャ・ソンデ(キム・ミンジョン)は、暴力団「西南派」の行動部隊。彼らは、上から中国進出の橋頭堡となる仁川を支配せよとの命を受け、仁川に乗り込んでくる。そして、首尾よく地元勢力を制圧し、意気揚々と仁川最高のルームサロン「ファミリア」を訪れた二人だが、ここで土着勢力の親分チェ・ムヨン(イ・ギョンヨン)の元愛人で「ファミリア」のマダム、オ・ヘスク(ファン・シネ)と看板ホステス、ソン・チョヒ(ファン・イニョン)と出会い、事態はあらぬ方向へ。ソンデは年上のオ・マダムにやり込められ、ソンジュンはチョヒに惚れてしまったのだ。
ユン・ダフンとキム・ミンジョンが兄弟チンピラのチャ・ソンジュンとチャ・ソンデを演じる。土着勢力の親分チェ・ムヨンはイ・ギョンヨンが、彼の二度目の妻でルーム・サロン「ファミリア」のマダム、オ・ヘスクは『301・302』の拒食症の女ファン・シネが演じる。『ダンスダンス』のファン・イニョンが、「ファミリア」のナンバー1ホステスで明るい性格のソン・チョヒ役で出演。日韓完全共同制作テレビ・ドラマ『フレンズ』でミュージシャン役を演じていたイ・ドンゴンは、酒場の女と恋におちる男ハ・ヨンチョルを演じる。キム・ボソンが、2001年のSBSテレビ・ドラマ『守護天使』でユン・ダフン、キム・ミンジョンと共演した縁により、この映画にヤクザ役で出演。
無頼漢のチンピラによって殺伐とした雰囲気になった酒の席で、一人気を吐いたルーム・サロンのマダムの実話を元にして製作された作品。
この作品の撮影中にイ・ギョンヨンが少女買春で逮捕され、出演できなくなったため、ところどころ不自然な展開が目立つ。ユン・ダフン、キム・ミンジョン、イ・ギョンヨンは私生活でも兄弟のような仲のよさ。
MBCのテレビ番組『テーマゲーム』、MBCドラマ『愛』、『ひまわり』、MBCのシトコム『ニュー・ノンストップ』などの放送作家として有名なチェ・ジヌォンがシナリオを書き、演出も担当。テレビ界では傑出したコメディ作家として認められているチェ・ジヌォンだが、映画はこれが監督デビュー作となる。
製作社は、ユン・ダフンとキム・ミンジョンが所属するマネジメント社「俳優の村」。製作はキム・ジュニョン。脚本は監督のチェ・ジヌォン。撮影はチェ・ジョンウ。照明はイ・ソックァン。編集はキョン・ミノ。美術はイ・ミギョン。音楽はコ・ソンジンとオク・チョンヨン。キム・ミンジョン自らが、サントラに収録される二曲『一人だけの君』、『追憶愛』を歌う。
初版:2002/9/2
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投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2002/9/20 22:15:27
この作品、七〜八年前だったら十分通用したかもしれない。作りも演出も丁寧だし、出演陣も一応スター揃い、そして皆、結構熱演している。
だが、登場する時期があまりにも遅すぎた感のある作品となった。舞台を仁川に設定した、いわゆる「地方物」だが、その意味にも疑問を感じる。フィルムには「港町」、「マッカーサー像」、「黄海」と、ステレオ的な記号が並ぶだけで、「仁川」という場所の風情や内包する歴史が全く感じられないのだ。
確かに仁川は何もない場所だが、いくらなんでもひどすぎる。舞台になる場所も、ホテルにサロン、日本料理屋と建物の中ばかり。また、いくらヤクザ・コメディといっても、日本料理屋の従業員が組織暴力団の構成員ばかりというのも変だ。これは日本人の知らない韓国裏社会の真実なのだろうか?
主演のヤクザを演じるキム・ミンジョンは、『ジャスティス〜これが法だ〜』よりも遥かにまともな演技をしているが、個性的なルックスにもかかわらず、ぼーっとしているだけの印象は変わらない。元来テレビ向けの個性なのかもしれない。
彼と対立し、やがて恋に落ちるサロンのママを演じるファン・シネは、なかなかの熱演だ。だが、容姿の崩れが隠しきれず、彼女のファンの方々にとり複雑な気持ちにさせられるだろう。その他、脇を固める面々もそれなりに個性的だが、あまりにも型通りで役作りの努力が報われていない。警察幹部役のクォン・ヘヒョもつまらない使われ方だ。
海軍の協力があったと思われる大掛かりなシーンもあるが、完全に滑っている。
ラスト近く、ヤクザ同士の抗争は『友へ/チング』もビックリの非情な展開に拡大して行き、一体どうなるのか?と期待を抱かせるが、結局はご都合主義のハッピーエンドに収まってしまい「あの死闘は何だったんだ」とがっかり来る。最後のオチは時勢を反映したネタだが、物語が面白くなるであろう展開はここからであり、肩透かしを食わされた気分になる。
私個人は、韓国の地方を舞台にした作品を作る事は賛成なのだが、お国意識を利用した目的が「お金」にあるのならば、いずれ破綻をきたす事は目に見えている。今後も地方を舞台にするのならば、観客に地域社会の特色を感じさせる工夫をもっとして欲しいものである。
【評価:★★】
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