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『猟奇的な彼女』クァク・ジェヨン監督受賞会見



 2002年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭ヤング・ファンタスティック・グランプリはクァク・ジェヨン監督の『猟奇的な彼女』が受賞しました。

 閉会式でのセレモニー(左の写真)直後に行われた受賞会見で、監督は「ゆうばりに来られただけで満足していたのに、思いがけずこのような賞を受賞することが出来て、とてもうれしいです」とコメントしました。以下は記者会見の模様です。なお、『猟奇的な彼女』は、観客の人気投票によるファンタランド大賞も受賞しています。

Text & Photo by 月原万貴子(月子)




Q: 八年ぶりの作品だと伺いましたが?
A: 私は今から八年前に『雨降る日の水彩画2』という映画を撮ったあと、四年前に撮り始めた映画が途中で中断してしまいましたので、正式に映画を作ったのは八年ぶりとなります。この作品は韓国でインターネットに連載された小説が、後に本となって出版されたものを脚色して映画化したものです。韓国では最近「猟奇的」あるいは「猟奇」という言葉がとても流行っています。これまで韓国では「猟奇的」といいますと、なにか奇怪で恐ろしいイメージがありましたが、私はそういった怖い部分ではなく、可愛らしい部分を描きたいと思いました。

Q: 色々な映画への思いが感じられましたが?
A: 私には尊敬する監督がたくさんいまして、彼らの映画を見るのが大好きです。ですから今回の私の映画の中にそういった先輩監督たちの要素が溶け込んでいるのかもしれません。今回はそれに私自身の大学時代の思い出を付け加えてみました。大学時代の思い出というものは私一人のものではなく、他の方も「ああ、自分にも同じようなことがあったな」と共有できる部分があると思いますので、みなさんにも懐かしく見ていただけたのではないでしょうか。

Q: ちなみにその先輩達とは?
A: たくさんいますので具体的にこの人とあげるのは難しいのですが、ヒッチコックの作品は全般的に好きですし、セルジオ・レオーネ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』や大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』も好きです。私は映画だけでなく日本のアニメや漫画も好きで、特に大好きなのは『行け!稲中卓球部』です。きっと普段からそういった作品に影響を受けていますので、特に意識したということはないのですが、今回の作品にもそのような要素が溶け込んでいるのかもしれません。

Q: モデルとなった人物はいるのですか?
A: この作品は私が体験した話ではなく、原作者のキム・ホシクさんの実体験を元にしたものなのですが、半分が実話、特にキャラクターの部分は実話だということです。彼が学生時代お付き合いしていた女性は非常にタフな女性だったようです(笑)。残念ながら、彼らは別れてしまったので、もう会えないそうです。キムさんは今は別の女性と結婚しています。最後に主人公達が再会するシーンは、私が脚色したオリジナルです。

Q: 主役の二人をキャスティングした理由は?
A: チョン・ジヒョンさんは、これまでメロ・ドラマ中心でしたが、こういった役をやったら魅力的だろうということで、インターネットでの映画ファンのアンケート結果と制作側の意見が一致しました。チャ・テヒョンさんは、今回が映画初出演です。彼はテレビ・ドラマでの演技を見ていますと、ちょっと線の太い演技が目立っていましたので、このような軽めの演技ができるかどうか心配していたのですが、実際に撮影し始めるとキャラクターにあった現代の若者を見事に演じてくれたので満足しています。私は普段から周囲の人を笑わせるのが得意なのですが、できるだけ二人にもそういったリラックスした気持ちで演技に臨んでいただきたいと思ったので、現場でも気さくに話し掛けたりして二人の気持ちを解きほぐすようにしました。それから、なるべくカメラを意識しないような雰囲気作りも心がけました。そうしていくうちに、だんだん二人とも表情が柔らかくなっていき、自然な演技ができるようになりました。

Q: 次回作の予定は?
A: 私が元々好きな映画は、見ている人の琴線に触れるような映画です。そういった気持ちはデビューの頃から変わっていません。今後作りたいと思っている作品はたくさんあります。というのも私は八年間も映画が撮れない状態が続いていましたので、その間に書きためた脚本が山のようにあるのです。その中で、私がこれ以上年をとってしまうと撮りづらくなると思うものから撮りたいと思っています。タイトルは『クラシック』といって、時間軸が二つあって、若い人の恋愛と親の世代の愛の物語を同時進行させ、ある時はその二つの物語がクロスするような形の構成を考えています。今現在、キャスティングをしているところで、春の終わりくらいにはクランクインしたいと思っています。


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