2003年1月23日(木)、東京は朝から雪混りの寒い日でした。10時50分には、館内の観客は約50人ほど。秋篠宮様御夫妻がおみえになることは館内のお客様には知らされていませんでした。ロビーには韓国文化院の金鍾文院長御夫妻を始め、韓国文化院、宮内庁、警視庁、もちろん、配給会社、劇場の支配人を始め、関係者の方々がおられ、緊張した雰囲気が漂っていました。
当初、御夫妻は映画の始まる直前の予告編上映中に場内にお入りになる予定でしたが、予定より早く、11時3分ほど前にエレベーターで場内におみえになりました。薄い藤色のワイシャツ、赤と濃紺地に大きめな斜の白い格子模様のネクタイ、紺色のスーツに身を包まれた秋篠宮様は思っていた以上に背もお高く、堂々とした感じ。紀子様は茶色のスーツ、胸に金色の小さなブローチ、スカーフは正絹のスカーフというファッション。テレビなどの映像とお変わりなく、清楚で美しく、とても素敵な女性でした。
金院長がエレベーターホールの前でお出迎え、挨拶され、配給会社パンドラの社長を紹介されると、紀子様は「昨年の試写会には出席できず、残念でした」とおっしゃられました。昨年11月27日の「日韓交流:骨髄バンク支援チャリティー特別試写会」に、いらっしゃれなかったことを、お気にとめておられたことを知り、その誠実なお人柄が伺い知れました。
お二人は数人のSPに守られて、そのまま劇場内の中央に。そこには白いカバーのかかった指定席が用意されていました。ロイヤルシートですね。お二人の席の前列は四席ほど空席にし、金御夫妻に挟まれて、秋篠宮御夫妻が御着席。御夫妻の後列一列にSPの方が着席。あまりにもスマートに場内にお入りになられたために秋篠宮御夫妻がいらっしゃったことにまったく気付かない観客の方もいらっしゃったのでは・・・
場内が暗くなり、予告編上映、そして、いよいよ本編の上映です。お二人とも、きちんとした姿勢で最後まで御覧になられました。紀子様は上映中、何度も頬をハンカチで拭われていらっしゃいました。御夫妻の後部座席にいたSPの方もどうやら涙を拭いていたようでしたよ。最後のエンドロール終了まで御覧になられ、SPに囲まれて、するすると退場。あっという間の出来事でした。
文化院長がお供をして、お帰りのエレベーターに。秋篠宮様はエレベーターの中でイ・ヨンエさんのことをしきりにご質問されたそうです。院長が、彼女の出演作などを紹介しながら説明されたそうですよ。また、紀子様は「とても哀しいお話でした」とおっしゃられ、最後に御夫妻とも「とても良い映画でした」との御感想だったそうです。
高円宮様以来、皇族が映画館に足を運ばれるのは初めて、もちろん韓国映画も高円宮様以来初めてとのことです。
こうして、歴史的な上映は終了致しました。秋篠宮様御夫妻のお付きでみえて、映画を御覧になった宮内庁の方が、宮内庁でその感動ぶりを話されたそうで、当日の午後、宮内庁からこの映画のチケットはどうしたら手に入るのでしょうかと問い合わせがあったほどでした。どうやら宮内庁で話題になっているらしいですよ。嬉しいですね。