公開前から韓国映画史上最高の涙と感動のラブ・ストーリーと評され、昨年3月に韓国で公開されるや、女性客はもちろん男性客も涙が押さえられないという、韓国で例のない現象を巻き起こした超話題作。9日間でソウルで20万人を超える観客を動員。幅広い観客層を集め、全国でも100万人を超える動員を記録する大ヒットとなった。女性ファンからの圧倒的な支持を得、公開時の映画ファン・アンケートでは「カップルで見たい映画No.1」に選出されている。

 悲しみをこらえ、お互いを思いやりながらも、その気持ちを決して素直に表さない二人。だからこそ、その愛が、傷みが、観客の心に深く伝わって来る。それは、アジア人ならではの愛の表現とも言えよう。ときにコミカルな空気を醸しながら、情感豊かに描いていく各々のエピソードから、いとおしいほど二人の愛があふれてくる。その愛の深さ、暖かさが、見るものの心をぬくもりで包んで癒してくれることだろう。ジョンヨンとヨンギの愛の物語、それは去るものを悲しむ「涙の物語」ではなく、まさに、二人の愛の素晴らしさに感動する「至福のラブ・ストーリー」として、あなたの人生へのかけがえのない贈り物となることだろう。

 ヒロインのジョンヨンを演じるのは、今や名実共に韓国No.1の人気女優イ・ヨンエ。彼女は本作で、第25回黄金撮影賞・人気女優賞を受賞。今後の活躍が益々期待されている。
 夫ヨンギを演じるのは、『イルマーレ』『Interview』などが続けざまに日本公開され、人気爆発中のイ・ジョンジェ。
 作品の中でコミカル・パートを受け持つのが、詐欺師二人組のハクスとハッチョル。演じたクォン・ヘヒョとイ・ムヒョンは、本作で大ブレイクし、韓国ではファン・クラブも設立されたほど。二人の醸し出すボケとつっこみ、その絶妙な間合いや表情が抱腹絶倒の笑いを生む。悲しみの場面でも、彼らのギャグ演技が感動を盛り上げる助走効果となっている。

 監督は、これが長篇デビュー作となるオ・ギファン。シナリオは、『アタック・ザ・ガス・ステーション!』のパク・チョンウが書いたものを、オ・ギファン自身が脚色している。春から秋への季節の移り変わりを始め、自然と人のたたずまいをナチュラルに捉えたイ・ソッキョンによるカメラワークも秀逸。彼はこの作品で、第25回黄金撮影賞・銀賞に輝いた。叙情的な美しい音楽を作曲したのは、あの『八月のクリスマス』や『春の日は過ぎゆく』のチョ・ソンウ。メイン・テーマを演奏するのは、ノルウェーとアイルランド出身のグループ、シークレット・ガーデン。彼らにとっては自作以外の曲を編曲・演奏する初のケースで、サントラ収録は、50人編成のオーケストラと共にアイルランドのスタジオで行われた。切なく美しい旋律が、深い余韻となって、見るものの心に沁み入ってくる。


 才能はあるのに、なかなか芽の出ないコメディアンのヨンギは、親の猛反対を振り切って愛するジョンヨンと結婚。現在は両親から勘当状態にあった。その上、二人は最愛の息子を幼くして亡くした。彼はそのショックで2年間、芸能生活も休止。おかげで、だらしのないヨンギとしっかり者のジョンヨンは口喧嘩が絶えない。

 しかし、ようやくヨンギはテレビ局が主催する番組「お笑い王」の勝抜き戦に出場し、観客の圧倒的な笑いをとって上位に勝ち残っていた。

 一方、妻のジョンヨンは、ヨンギに内緒で番組のプロデューサーに彼のことを頼みにいったりと、ヨンギの成功のためにと腐心する・・・。

 最近はいつの間にか寝室も別になってしまった二人。そして彼女が最近、昔のアルバムを見て、何人かの名前を書き出していることに気付いたヨンギは、ある日、その理由を知る。彼女は不治の病に侵され、余命いくばくもない運命にあったのだ。彼女が書き出している名前は、彼女の初恋の人なのか・・・。彼女の命があるうちに、彼女が会いたがっている人たちに会わせてあげたい。彼は自分を騙そうとした二人組の詐欺師に、妻の会いたがっている人を探すように依頼する。

 自分の病を、決して夫に知らせようとしないジョンヨン。妻の病を知ってしまったが、知らない振りをするヨンギ。お互いに深く愛し合い、気づかい、悲しい演技を続ける二人・・・。

 そして、ヨンギたちは番組で着々と勝ち進んでゆく・・・


邦題『ラスト・プレゼント』/原題 『贈り物』/英題 "Last Present"
第25回黄金撮影賞・銀賞(イ・ソッキョン)・人気女優賞(イ・ヨンエ)受賞

韓国映画/2001年/112分/カラー/ビスタサイズ/SRD
日本語字幕:松岡葉子 翻訳協力:権賢珠
FUN & HAPPINESS FILM製作
ノベライゼーション:竹書房文庫刊
サウンドトラック:キングレコード
提供:キングレコードテレビ朝日プランニングOM、スキップ、パンドラ
配給:パンドラ
宣伝:スキップ、プランニングOM
オフィシャル・サイト運営:「韓国映画とハングル」 & "Last Present" Supporters' Club



Copyright(C) 2002 "Korean Movie & Hangul" and "Last Present" Supporters' Club, All Rights Reserved.
Copyright(C) 2001 Cinema Service. All Rights Reserved.