『JSA』で成功して、新しい映画を選択するのに、心理的な負担というものはありましたか?
この『ラスト・プレゼント』は私にとって3作目の映画ですが、これは新たなキャリアの始まりでもあると思っています。負担というよりも、私にはチャンスだと感じました。人生には3度のチャンスがあると言われていますが、努力次第で何度もチャンスはあるものです。私にとっては、今がそのときではないかと思うのです。

心が温かくなるような映画に出演したいということを以前インタビューで答えていましたが、それは映画を選択する基準ですか?
映画には人生と愛がなければ、というのが、私のこだわりです。ロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』やチャップリン作品のようにね。温かさが反映されている作品に出ること、それこそが、私から観客の皆さんへのプレゼントなんです。

本作を通してこれだけは見てもらいたというのは、どういうところでしょうか?
死の宣告を受けた女性が、生きる道を見出せない自分の夫を不憫に思い、ありったけの愛を注いで見守るという姿、そのありのままを見てもらいたい。また、舞台の上では人の笑いを誘いながら、裏では死にゆく妻のために最期のプレゼントを用意するひとりのコメディアンの、真摯な愛の物語も素晴らしい見どころで、観客の心を打つと思います。

撮影中いちばん大変だったのは?
気持ちを抑制するのが、何よりも大変でした。映画というのはスクリーンを通して初めて完成するものですから、観客を感動させ、泣いてもらうためにも、俳優の方が先に感情に走ってしまってはいけません。ですから、そのへんの気持ちをセーブすることが難しかったですね。

このジョンヨンのキャラクターが現実に反映されることはありましたか?
ジョンヨンという女性は、決して大人しい、女らしい女性ではありません。どちらかというと、せっかちで荒っぽい性格かもしれません。そのキャラクターに入り込んだためか、私も彼女に似てきたかも。けっこう動作が男っぽいので、イ・ジョンジェさんが、自分がイメージしていたイ・ヨンエと違うと言っていました。

今までのボブ・ヘアからショート・ヘアにしたのは、役作りの一環ですか?
もともと変化が好きで、作品のイメージに合わせるように努力する方ですね。ある携帯電話のCMに出たときに初めてショート・ヘアにしてみて、とても反応がよかったということもあります。ヘア・スタイルを変えるということは、私自身の役の色を出すということでもあります。

最後に、イ・ヨンエさんが人生の最期の瞬間にもらいたい、ラスト・プレゼントがあるとしたら、それは何でしょうか?
それは愛ですね。美しい真実の愛こそが、何にも勝る価値がある、最高のプレゼントだと思います。

(ELLE 韓国版 2001年4月号より抜粋)



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