※ この講座は『ラスト・プレゼント』の字幕監修をされた権賢珠さんの協力を得ています。

<ハングルとその発音>


<和訳>
ジョンヨン: あの、失礼します。
ファンPD: ええ、何か?
ジョンヨン: 初めまして。
ファンPD: ええ、どなたです?
ジョンヨン: あの、私、チョン・ヨンギの家内です。
ファンPD: 誰の?
ジョンヨン: お笑い役者のチョン・ヨンギですが。

※ PD:韓国の放送業界では、プロデューサー(Producer)とディレクター(Director)を総称して、PDと呼ぶ。

<講座>
イ先生: いよいよこの講座も第2回目です。前回第1回講座では、最も一般的な挨拶「アンニョンハセヨ」を勉強しましたね。これから講座を始める時には「アンニョンハセヨ」と挨拶をしてから始めることにしましょう。ちなみに「挨拶」は「インサ」と言います。それでは、「ヨロブン、アンニョンハセヨ!」      
ユウキ: 「ヨ、ヨロ・・・?」
アイカ: 「ヨロブン」よ。「皆さん」という意味ですよね?
イ先生: そうです。呼びかけの際に多用されますので覚えておいてくださいね。ではもう1度、「ヨロブン、アンニョンハセヨ!」
ユ&ア: 「アンニョンハセヨ!」
イ先生: それでは始めましょう。
 今回は、ヨンギの妻ジョンヨンが、夫をTV出演させてもらうためTV局を訪れる場面です。
 ジョンヨンの(1)「チョ…シルレハムニダ」は、相手の注意をこちらに向ける時の挨拶のひとつです。相手が、何かに集中している時に、又は誰かの家を訪問した時、お店などに入った際に、こちらの存在を気づかせるため、一声かける挨拶です。「シルレ」は「失礼」という漢字語ですので、日本語だと「あの、失礼します」、「ごめんください」といった意味合いになります。映画では、ファンPDとちょうど視線が合ったところで、相手の戸惑いにちょっと気まずい雰囲気になっていますが、精一杯明るく振舞っていますね。
ユウキ: あれれ? その後のジョンヨンの(2)「イェ、アンニョンハセヨ」が「初めまして」になってる!
イ先生: ユウキ君、よく気がつきましたね。
 たしかに(2)「イェ、アンニョンハセヨ」は、「どうも、こんにちは」となるところですが、映画の字幕では意味が損なわれない程度に意訳されることがありますので、ここは会話が自然になるように「初めまして」となっているのでしょうね。
ユ&ア: なるほど!
イ先生: つづくファンPDの「ヌグ…シンジ?(どなたです?)」という問いに対して、(3)「ア、イェ…チョ…チョン チョン・ヨンギシ アンサラム トェヌン サラムイエヨ」とありますが、「チョ…チョン チョン」と同じような音が繋がっていてちょっとややこしく感じるかも知れませんね。
ユウキ: チョ・・チョッ、チョチュオ・・
アイカ: 言えてないわよ(笑)
イ先生: 最初の 「チョ」は、(1)と同じく「あの」、「えーと」などの意味の言葉です。
 いきなり本題に入りにくい時、「チョ」から始めるといいですね。次の「チョン」は、「チョ(私)」+「ヌン(〜は)」で"私は"の意味です。もっとカジュアルな表現だと「ナヌン」でもいいですね。ここでの自己紹介はかなり丁寧な言葉遣いとなっています。なにしろ、天下のPDが相手ですからね。
 「アンサラム」とは、「アン(内)」+「サラム(人)」で内側にいる人という意味ですから、日本人にも分かりやすい表現でしょう。日本語の「家内」にあたります。
 また、「チプ(家)」+「サラム(人)」で、「チプサラム」とも言います。他に、最近では英語「wife」の韓国語読み、「ワイプ」という言い方もよく耳にします。
ユウキ: へぇ〜、韓国語では、外来語の「F」を「プ」と発音するんだ。
イ先生: そうです。日本語とは違う点ですね。他に「プランス(フランス)」、「コッピ(コーヒー)」などがあります。
アイカ: 先生、「チョ・ヨンギシ」の「シ」が日本語の「氏」に当たるんですか?
イ先生: ええ。
ユウキ: 夫の名前に「氏」をつけるなんてなんだか変な感じ〜
イ先生: 不思議でしょ?(笑) 韓国では他人に対しても、親族は敬うべき存在なのです。
 それから、相手への名前の伝え方ですが、最近はよく、1文字ずつ区切って話す傾向にあります。
ユウキ: ユ・ウ・キ?
イ先生: そうですね。特に、電話の場合は聞き取りにくいというのもあり、区切って伝える事ことが多いです。例えば、「チョン・ヨンギ」であれば、チョンチャ、ヨンチャ、ギチャと1音節ごとに「チャ(字)」をいれ、区切ることによって分かりやすくなります。皆さんもご自分の名前でやってみてください。
アイカ: ア・イ・カ、アチャ、イチャ、カチャ。
ユウキ: ユ・ウ・キ、ユチャ・ウチャ・キチャ。日本の名前でやると変な感じ〜。(笑)
イ先生: では第2回はここまで。最後は「カムサハムニダ(ありがとうございます)」で終わりましょう。それでは、「ヨロブン、カムサハムニダ」、「トマンナヨ!」
 「トマンナヨ」は、「ト(また)」+「マンナヨ(会いましょう)」で・・・
ユウキ: また会いましょう!!
イ先生: はい(笑)、そうですね。
ユ&ア:先生、カムサハムニダ! トマンナヨ!!


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