30代後半の三人のタクシー運転手が主人公で、平凡な庶民の喜怒哀楽を温かな笑いとともに描く好編。
近所の女の子を片思いしているヘゴン(キム・ヘゴン)、暇さえあればベトナムに参戦した「おじ」の自慢話をするハンナク(チェ・ハンナク)、ただ一人大卒で国内ニュースを信用せずCNNニュースばかり聞いているジュニョン(チョ・ジュニョン)。彼らは、皆30代後半のしがないタクシー運転手。ビヤホールで冗談を言い合う彼らだが、苦しい現実からは逃れられない。ヘゴンが好きな女の子ミリョンは300万ウォンの借金のかたに70歳の老人に嫁ぎ、二度の離婚暦があるジュニョンの兄は再々婚に際してジュニョンに部屋をよこすように言い、ハンナクは18歳の娘の留学費を捻出しなければならない。おまけに、会社の常務に貸したお金まで貸し倒れに。人生の岐路に立った三人は「お金」で現実を変える決心をし、床下に何億ウォンもの大金を隠していると噂の近所のおばあさんの家に忍び込むのだが・・・
主人公演じるキム・ヘゴン、チェ・ハンナク、チョ・ジュニョンの深みのあるリアルな演技が評判。彼等はいずれもスターではないが、演劇出身の実力派。演劇を通して既に共演もしているため息もぴったり。
題名の「ライバン」は一時韓国内で「サングラスの代名詞」と呼ばれるほどに有名だったサングラスのブランド名「レイバン」の韓国語旧式発音。韓国では、レイバンはオートバイなどとともに若さとロマンの象徴だったという。
純製作費が10億ウォンの低予算映画でいわゆるスターも出演していないが、試写会でこの作品を見たチョン・ウソンとイ・ジョンジェが「今年最高に面白かった映画」、「面白さと作品性を兼ね備えた低予算映画の傑作」と大絶賛。
1998年に企画され、その後完成までに三年の歳月がかかった。映画振興委員会から5億ウォンの製作支援を受けている。人気コメディアンのカン・ソンボムがこの映画の予告編に出演。
第2回(2001)全州国際映画祭シネマスケープ部門、第6回(2001)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門、2002年フィラデルフィア映画祭「ニュー・コリアン・シネマ」部門招待作品。第14回(2001)東京国際映画祭協賛企画コリアン・シネマ・ウィーク、大阪韓国映画祭2002、「辛韓国映画祭2003」上映作品。第2回(2001)釜山映画評論家協会賞脚本賞(ソン・ミノ)、第38回(2002)百想芸術大賞シナリオ賞(ソン・ミノ,チャン・ヒョンス)受賞作品。
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