社会の不正を追及する政治映画。カン・ウソク監督第4作。原案・シナリオは、ナ・ホンギュンとカン・ジェギュ。
ある日、前戒厳司令官であり与党の次期大統領選候補と目されるチョン・ヨンウクが死亡する。検察は自殺と発表するが、東ヨーロッパ特派員生活を終えて帰国した政治部記者チェ・ジョンス(アン・ソンギ)は自殺説に疑いを持ち、背後に政治的陰謀を嗅ぎ取る。そして、野党の大統領候補パク・インギュと密会していてチョン・ヨンウクの他殺現場を目撃した女性ニュース・キャスター ジウォン(キム・ソンニョン)が生命の危険を感じ、ジョンスに真実を打ち明ける。「チョン・ヨンウク=他殺」の記事が新聞を飾り、政局は大混乱となる。
数々の受賞歴を誇るが、興行的には惨敗で、監督のカン・ウソクは「誰も理解できない映画を自分だけ面白いと錯覚して作ってしまった」と自戒の念にさいなまされたという。そして、この作品以降は大衆的な娯楽性を追求。コメディを通じた風刺とユーモアを持ち味とする作風が明確となる。
第29回(1991)大鐘賞新人女優賞(キム・ソンニョン)・新人技術賞(シン・ハクソン:照明)・編集賞・企画賞(イ・サンウン,キム・ドジュン)助演男優賞(パク・クニョン)・音響効果賞、第27回(1991)百想芸術大賞演技賞(アン・ソンギ)・シナリオ賞(カン・ジェギュ,ナ・ホンギュン)・技術賞(チョン・グァンソク:撮影)・新人演技賞(キム・ソンニョン)受賞作品。
初版:1999/3/20
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