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『ブラザーフッド』
コン・ヒョンジン インタビュー



Reported by 鄭美恵(Dalnara)

日時:2004年6月17日(木)
場所:パークハイアット東京
通訳:朴美淑


 2004年6月26日に公開された『ブラザーフッド』で、ヨンマンという兵士役で出演したコン・ヒョンジン氏に話を聞いた。

 質問に答えるにあたって、ためらいや迷いがほとんどなく、ふだんから映画について、俳優という職業について深く考えていらっしゃるように見受けられた。韓国映画の最近のパワーの源泉はコン・ヒョンジン氏のような真摯な映画人が数多く携わっていることにもあるのではないか、という感慨を抱いた。俳優とは「誰もができるが、誰もができることではない」という禅問答のような答えがとても印象的だった。



Q: ヨンマンという役をどのように考えていらっしゃいますか。
A: ヨンマンという役は、まず小市民だと思います。妻がいて息子のいる。彼は国を助けるため、人を助けるために戦争に赴いたわけではありません。そのときの時代でしかたなく、徴兵の年齢に達していたために徴兵されて戦場に引き込まれてしまったのです。誰と戦うのかもわからないまま戦場に向かわされてしまった。ただただ早く戦いを終わりたいと思っている、悲劇の運命に巻き込まれてしまった人だと思っています。彼の性格上、とても人間味のあるキャラクターで、実際に戦地に行ってジンテとジンソク兄弟のさまざまな心の葛藤を目の当たりにして胸を痛めるという存在です。そしてジンテを助けるために犠牲になって死んでしまうのですが、彼としては戦場で自分が死ぬかもしれないという覚悟をしているということでは決してなかったと思います。どうして、いったい誰と戦わなければならないのかという不安と不満をいつも持っていたと思います。結果的には同僚を救うために命を落としてしまうという・・・ ある意味では当時の多くの人が、戦場に赴いていた多くの人がこのヨンマンと同じような思いだったと思います。

Q: 朝鮮戦争の映画に出演して価値観や歴史観、考えが変わったことはありますか?
A: この映画は朝鮮戦争を扱っています。韓国では歴史的事実の中でもこの朝鮮戦争が歴史上最も悲劇的なこととしておしえられています。もちろん私自身は朝鮮戦争の実体験はありませんから映画の中で間接的に朝鮮戦争に接することになりました。私たちの親の世代というのは実際にこの戦争に接した世代ですが、その世代がいかに悲惨でつらい時代を送っていたかということがよくわかりました。これは韓国だけでなく全世界的に見ても本当に戦争を起こしてはならないということを強く感じました。実際に無辜(むこ)の市民が理由もわからずに瞬時に命を奪われてしまうという状況に追いやられるわけなのです。ですから、それぞれの立場がどうであれ戦争というものを起こしてはいけない。たとえば今イラクで戦争が行われていますけれども、50年前の朝鮮戦争の時のような痛みを今彼ら(イラク国民)が味わっているのです。ですから本当に地球上から戦争自体がなくならなければならないと強く感じています。

Q: 昨年は7作に出演されていらっしゃいますね。コメディ役を多く演じられているようですが、そのことについてお話ください。
A: そうですね。ある人は「あまりにもコメディ役ばかりに偏っているのでは?」と言っています。私はコメディは笑わせるためのものではなく、あくまでも映画でもらった役柄がいろいろな状況に置かれその人物に真摯に没頭した結果、どうしようもない状況に陥ってそれがとてもおもしろおかしく見えるということだと思います。観客がそこに楽しみを見出してくれるのです。あくまでも私はヒューマニティというものに立脚して演ずるということを考えています。人物がいろいろな状況に陥ってそれにどうしようもなくて戸惑っておろおろする、あるいは予測できないことが起こるというときにそれが笑いにつながることだと思います。コメディはあくまでも人間的なもので、もちろんそれを観て笑ってくださるということはとても嬉しいんですけれども。たとえばこの『ブラザーフッド』においても、この状況自体は戦争ですので戦いが行われ、周りで同僚たちが死んでいくという悲惨な状況の中でもヨンマンという人物の人柄が表れて、その人間性の中に観客が笑いを探してくれていると思うのです。ですから、今後私が悪役をするにしても悲しい人物を演ずるにしても演技を表現していくなかで何らかの形で観客が笑いを探せる、そういう要素が含まれれば、と思います。コメディがすべてではないのですが、今後も今までと同じように何らかの形でヒューマニティというものを重視してやっていきたいと思っています。

Q: 俳優という仕事についてどのようにお考えですか。
A: 俳優の仕事は、選ばれた祝福を受けた職業だと思います。自分ではないほかの人の人生を演ずることができます。それはもちろんとてもたいへんで難しいことですが、誠意を尽くしてうまくやればみなさんからいい評価を得られますし、信頼を得られます。そしてまた信頼を逆に与えることができます。ある意味ではある人の人生を変えることもありうる、とても誇らしい職業だと思います。俳優とは「誰もができるが、誰もができることではない」職業であると思います。同じ表現に聞こえるかもしれませんが、よく考えればこれは何を意味しているかがわかると思います。もちろんある程度の能力というものは必要だと思いますが、この職業はあくまで選ばれた職業であると言えると思います。

Q: 劇団にも所属されているそうですが。
A: はい、劇団ユーに所属しています。最近は映画中心で、4年くらい演劇活動はしていません。演劇には率直な作業、ありのままを出す作業が必要になるので、できれば時間を作って来年くらいから取り組みたいと思っています。

Q: カン・ジェギュ監督との縁についてお聞かせください。
A: 監督とは同じ大学で、入学して1年生の時に監督の名前は聞いて知っていたので、私が監督を知ってからもう15年以上になります。デビュー作『そう、たまには空を見よう』のシナリオを書いてくださったのが監督でした。映画の現場でもあれだけ多くのスタッフと俳優をコントロールしながら撮影をすすめていくのですが、監督は撮影期間中一度も声を荒げたことがありませんでした。イライラしたことが一度もなかったんですね。それだけ自分自身の中で節制がきく人だと思います。そういうことは、ある意味では怖い人だと感じることがあります。監督は目標に向かって自分がやろうということに向かって少しずつ進んでいらっしゃいます。ですから韓国で最も偉大な作品業績を残すと確信しています。

Q: 日本のファンへメッセージをお願いします。
A: 今まで何本かの映画で日本の皆様にお目見えしましたけれども、今回この映画で日本の皆様にご挨拶できるということをとても感謝しています。たとえばチェ・ミンシクさんと共演した『パイラン』も日本で公開されましたが、今後ももっと多くの作品に出て、日本の皆様ともっとお会いできる機会があれば、と思います。とにかく映画を観ていただいて、私がみなさんに与えられる喜び、そして感動をたくさん差し上げられればと思っています。


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