ミョンソンは無意味に人生を過ごしているビルの駐車管理員。そして、ミョンソンと親しいソグァンは新聞配達とビデオ店で働く青年。二人は、ある日ダイアナ皇太子妃の交通事故死のニュースを聞いて自分達もパパラッチになろうとする。
「パパラッチ」はイタリア語で「フリーの写真家」の意味。スターを夢見る三名の俳優志望者の体験を通じて韓国芸能界の虚実を暴くドキュメンタリータッチの作品。実在の芸能人達が実名で登場し、芸能界の裏事情に関する赤裸々な告白が綴られる。
韓国芸能界のセックス・スキャンダルや不正を暴く内容で撮影中止脅迫を受けるなど波紋を呼んだ。リアリティーを追求するため台詞の半分以上が露骨な猥褻用語で埋め尽くされているのも特徴。試写会ではあまりに度が過ぎた描写に会場を途中退場した人もいたとか。
主役級の新人女優トリオ(チョ・ミラ,ナ・スギョン,イ・チェヨン)の明るい官能演技が話題。男性主人公のユン・サンヨン(18)は1999年にチュンアム高校を卒業したばかり。オーディションで500対1の競争を勝ち抜いた新人で、179p,66sのスタイルが自慢。コメディアンのキム・ヨンは実名で登場し、以前彼がおこした飲酒運転事件など実際の生活をリアルに演技。また、チョン・グァンテ,チョ・ジンス,イ・デバクら芸能人も実名で登場する。
監督はカルトな映画を作り続けるチェ・ヤソン。彼は1997年に実験映画『ロケットは発射された』を製作。韓国映画界の配給構造に対抗し「無料上映」を強行し話題となった。今回の『パパラッチ』も撮影回数たったの3回、総製作費が1億ウォンを越えない格安映画ということで話題。製作社のシネマ・ビジョンはチェ監督の個人会社。なお、監督と主演女優のナ・スギョンが熱愛中。映画の中でも実際に映画監督役で登場するチェ監督の恋人役をナ・スギョンが演じ、恋人同士でなければ不可能な台詞を自然に消化しているとか。
初版:1999/4/30
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