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キルソドム


題名
英題
原題
ハングル
キルソドム
Gilsodom
キルソットゥム
길소뜸
製作年 1985
時間 105
101(日本公開版)
製作 貸泉公社
監督 イム・グォンテク
出演 キム・ジミ
シン・ソンイル
ハン・ジイル
キム・ジヨン
イ・サンア
キム・ジョンソク
オ・ミヨン
ホン・ミョング
イ・ジュンス
オ・ヨンソプ
チン・ボンジン
キム・エラ
チェ・ブラム(特別出演)
チョン・ムソン(特別出演)
日本版
Video
DVD
字幕版Video
DVD

 朝鮮戦争による民族分断・離散家族の悲劇を描いた作品。冒頭、家族探しのKBSドキュメンタリー番組(1983)の映像が涙を誘わずにはいられない。

 テレビで朝鮮戦争による離散家族の肉親捜し番組を見ていたファヨン(キム・ジミ)は、夫の許しを得て放送局前の尋ね人の広場に行く。彼女は、若い頃故郷の村キルソドムでトンジン(シン・ソンイル)と愛し合い男の子を産むが戦火の中3人は離れ離れになっていたのだ。ファヨンとトンジンは広場前で偶然再会し、テレビに映っていた息子と思われる人物ソクチョル(ハン・ジイル)を訪ねるが、彼は極貧に喘ぐ生活を送っており、中流以上に属するファヨンとトンジンとは別の世界に住む人間になっていた。血液鑑定の結果ソクチョルは二人の息子であることが確認される。しかし、ファヨンは彼を認知するかいなかで悩む。

 脚本はソン・ギラン。撮影はチョン・イルソン。

 日本では『キルソドム 再会のとき』という題名で、VideoとDVDが発売されている。

 第24回(1985)大鐘賞優秀作品賞・女優主演賞(キム・ジミ)・音楽賞・美術賞、第6回(1986)映画評論家協会賞監督賞・脚本賞・音楽賞、第22回(1986)百想芸術大賞作品賞、1986年シカゴ国際映画祭人類平和賞受賞作品。第36回(1986)ベルリン国際映画祭コンペ部門出品作品。

 雑誌『シネ・フロント』No.210,April,1994 にシナリオが採録されている。

 第10回アジアフォーカス・福岡映画祭2000の「アジアフォーカス傑作選1991-1999」で上映された。第3回全州国際映画祭2002「韓国映画回顧展」部門上映作品。

初版:1998
最新版:2000/12/1



投稿者:SUM さん 投稿日:1998年8月7日(金)09時40分00秒

【評価:★★★★】



投稿者:後藤健介さん 投稿日:2000年11月27日(月)20時10分00秒

 最近オン・エアのビデオを入手しました。

 解放直後の地方都市の両班の生活、日式家屋の残る町や、主人公の女性が「満州」からの引き揚げ者で家族は解放直後のコレラで死亡、死体が家ごと焼却される光景、朝鮮戦争の戦中戦後の様子などが服装の細部に至るまで再現され、日本人にはビジュアルに想像できづらい時代の場面が満載でした。

 それだけでも価値がありそうなものですが、なんといっても、下層の生活をおくる行方不明の実の息子とかつての愛した人を、現在やっと築いた愛する豊かな家族との暮らしを守るため、あえて切り捨てる決断をし、涙を浮かべながら一人帰路につく場面、現在の豊かな韓国の暮らしの背景に、どういった悲劇が塗りこめられているか、はっとさせられる映画でした。

【評価:★★★★】


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