朝鮮戦争による民族分断・離散家族の悲劇を描いた作品。冒頭、家族探しのKBSドキュメンタリー番組(1983)の映像が涙を誘わずにはいられない。
テレビで朝鮮戦争による離散家族の肉親捜し番組を見ていたファヨン(キム・ジミ)は、夫の許しを得て放送局前の尋ね人の広場に行く。彼女は、若い頃故郷の村キルソドムでトンジン(シン・ソンイル)と愛し合い男の子を産むが戦火の中3人は離れ離れになっていたのだ。ファヨンとトンジンは広場前で偶然再会し、テレビに映っていた息子と思われる人物ソクチョル(ハン・ジイル)を訪ねるが、彼は極貧に喘ぐ生活を送っており、中流以上に属するファヨンとトンジンとは別の世界に住む人間になっていた。血液鑑定の結果ソクチョルは二人の息子であることが確認される。しかし、ファヨンは彼を認知するかいなかで悩む。
脚本はソン・ギラン。撮影はチョン・イルソン。
日本では『キルソドム 再会のとき』という題名で、VideoとDVDが発売されている。
第24回(1985)大鐘賞優秀作品賞・女優主演賞(キム・ジミ)・音楽賞・美術賞、第6回(1986)映画評論家協会賞監督賞・脚本賞・音楽賞、第22回(1986)百想芸術大賞作品賞、1986年シカゴ国際映画祭人類平和賞受賞作品。第36回(1986)ベルリン国際映画祭コンペ部門出品作品。
雑誌『シネ・フロント』No.210,April,1994 にシナリオが採録されている。
第10回アジアフォーカス・福岡映画祭2000の「アジアフォーカス傑作選1991-1999」で上映された。第3回全州国際映画祭2002「韓国映画回顧展」部門上映作品。
初版:1998
最新版:2000/12/1
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