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霧の柱


題名
英題
ハングル
霧の柱
The Pillar of Mist
안개기둥
製作年 1986
時間 115
製作・企画 黄奇性事団
監督 パク・チョルス
出演 イ・ヨンハ
チェ・ミョンギル
パク・チョンジャ
ソ・ガプスク
オ・スンミョン
イム・ヨンヒ
イ・ジョンミ
シム・ジェウォン
チェ・ヒョンソン
日本版
Video
DVD
なし

 現代社会における女性の自立というテーマを描いた家庭心理劇。韓国女性映画の幕開けとして高い評価を受けた。監督のパク・チョルスはその後も女性の心理を的確なストリーテリングで描き続けている。

 「私」(チェ・ミョンギル)は大学出のキャリア・ウーマン。そして「私」のハートを射止めた「彼」(イ・ヨンハ)は裕福な家庭に育った秀才で、一流企業に就職して出世街道まっしぐら。人も羨むようなカップルの結婚だったが、出産後、妻は子供の世話をするために生きがいであった仕事をあきらめ家庭に入る。専業主婦を選んだ「私」だったが、平凡で退屈な毎日に夫に対する不満が募っていく。そんな時、大学の後輩の伝手で翻訳の話しが入る。「私」は家でもできる仕事と引き受けるが、「彼」はそうは思っていないようだ。

 自分の生き方に疑問を持つ妻が感じる倦怠感、いらだち、絶望感、孤独感を巧みに描く。主人公の二人とその姑(パク・チョンジャ)、子供(イ・ジョンミ,シム・ジェウォン,チェ・ヒョンソン)、友人との関わり合いも見所か。撮影はチョン・イルソン。

 第25回(1986)大鐘賞優秀作品賞・男優主演賞(イ・ヨンハ)・女優主演賞(チェ・ミョンギル)、第11回モントリオール世界映画祭出品作品。

 KNテレビジョン(SKY PerfecTV!)では『霧がすみ』という題名で放映。

初版:1999/1/1



投稿者:SUMさん 投稿日:1999年7月22日(木)22時47分47秒

 基本的には、夫婦と仕事の問題、女性の自立と男尊女卑、の映画である。夫の女性観が日本にそのまま当てはめれば日本より保守的すぎ、やや感情移入を妨げる面はあるものの、今の日本に当てはまらない問題ではない。

 さらに、これを男女の間の価値観の違いや悩み・葛藤の映画とみるならば、きわめて普遍的な作品ではなかろうか。夫のキャラクターを、自立できる女性を望まないではないが妻には第一に家事で自分を支えてほしいと感じる男の甘え、と見れば、今の日本人にも、突きつけられた問題としてみることが出来る。非常に<痛い>映画である。

【評価:★★★★】


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