文芸映画を得意とするキム・スヨン監督の作品の中でも特に高い評価を受けている作品。呉永寿(オ・ヨンス)の原作小説以上の評価を受け、興行的にも成功を収めた。
南海の小さな漁村で幸せな新婚生活を送っていたヘスン(コ・ウナ)は、ある日突然の嵐で漁に出ていた夫を亡くしてしまう。悲嘆に暮れるヘスンに近づくサンス(シン・ヨンギュン)。強引な彼のアプローチに最初は拒絶していたヘスンだが、やがて二人は良い仲になる。村を出て幸せな生活を送る二人。しかし、それもつかの間、サンスもまた不慮の事故で死んでしまう。絶望に打ちひしがれたヘスンは村に戻るしかなかった。
韓国映画の古典的系譜である「スルプン ヨジャ イヤギ(悲しい女の物語)」の典型的な作品。この手の作品を見慣れた人には開始5分でストーリーラインが全て読めてしまうのが難点だが、映画としての完成度は高い。
第5回(1966)大鐘賞・女優助演賞・撮影賞・編集賞、第9回釜日映画賞作品賞・監督賞・女優助演賞(ファン・ジョンスン)・撮影賞・音楽賞・新人賞(コ・ウナ)、第2回韓国演劇映画芸術賞作品賞・監督賞・演技賞(シン・ヨンギュン)、アジア映画祭撮影賞、スペイン国際海洋映画祭金賞受賞作品。
「韓国映画祭1946→1996 -知られざる映画大国-」、第6回(2002)富川国際ファンタスティック映画祭韓国映画回顧展部門、第7回(2002)釜山国際映画祭特別企画プログラム「キム・スヨン回顧展」部門、2002年日韓国民交流年記念事業「韓国映画−栄光の1960年代」上映作品。
初版:1998/6/7
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