ユ・ホンジョンの原作をチ・サンハクが脚色。尼僧アガタが信仰心と愛の狭間で苦悩し、やがて破滅していく様を描く。1980年代を代表する女優イ・ポヒのプロモーション・ビデオのような趣で、彼女の魅力&美しさを堪能できる作品。ファンは必見。
カトリック宣教師一家の娘アガタ(イ・ボヒ)は、画家になるのが夢で美術学校に通うが、卒業後は修道院入りして尼僧になる。そんなある日、司祭である父が危篤との知らせが入り、アガタは父の看病のために還俗して故郷のウンチョンに戻る。看病にもかかわらず父は他界してしまうが、アガタはそこで出会い彼女の力になってくれた青年神父タドゥ(ユ・インチョン)に恋をしてしまう。愛し合う二人だが、戒律を破って還俗した罪責感、そして信仰心と愛の狭間で悩むアガタ。彼女はついにウンチョンを離れ、大学同窓のヒョヌクと同居して妊娠する。しかし、そこへヒョヌクのフィアンセが現れ、アガタは破滅への道を歩み始める。
主人公の名前「アガタ」は、三世紀に実在したと伝えられるシチリア島カターニア出身の聖女の名前からつけられた洗礼名と思われる。ちなみに、「アガタ」のスペルは "Agatha" で、英語風に発音すれば「アガサ」となる(アガサ・クリスティーの「アガサ」がそれ)ので、題名は「アガサ」となっている。蛇足だが、"Agatha" というスペルをハングルに転記したものをそのまま読むと「アガタ(ダ)」となる。これは「マッカーサー」が「メガド」になるのと同じ理屈。
第21回(1985)韓国演劇映画テレビ芸術賞(現在の百想芸術大賞)新人監督賞(キム・ヒョンミョン)、キリスト教文化芸術賞受賞、ロンドン映画祭公式招待、ナント映画祭招待作品。
初版:2000/1/10
最新版:2001/12/24
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