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『クラシック』 クァク・ジェヨン監督
猟奇的なインタビュー



監督いわく「猟奇的なポーズ!」

Text & Photo by 月原万貴子(月子)

日 時:2003年2月16日(日)16:00〜16:30
会 場:ホテルシューパロ 映画祭プレスルーム
通 訳:根本理恵
聞き手:月原万貴子

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003のヤング・ファンタスティック・グランプリ部門の審査員として来日されたクァク・ジェヨン監督。監督は昨年『猟奇的な彼女』で、この部門のグランプリを受賞しており、今回は一月に韓国で公開されたばかりの新作『クラシック』を日本で初上映するという形で、映画祭にリスペクトしてくれた。そんな監督のお話を伺った。



Q: 昨年に引き続き二度目のゆうばりですね。昨年は選ばれる側、今年は選ぶ側として参加して印象は変わりましたか?
A: 最初は審査員ということでプレッシャーもあったのですが、映画を見続けているうちにだんだん気持ちが楽になってきました。それに上映していただいた『クラシック』がとても好評だったようなので、本当にゆうばりに来られてよかったなと思っています。

Q: 昨年の上映時には「韓国で大ヒットした作品」として紹介された『猟奇的な彼女』ですが、その後、香港・台湾でも大ヒット。日本でも当初は二館からのスタートでしたが現在は70館で上映中、最終的には120館になるとのことで、異例の拡大ぶりですね。私どものサイトのアクセス・ランキングでも、公開以来、作品部門では『猟奇的な彼女』が、俳優部門ではチョン・ジヒョンがダントツの一位になっています。
A: それはすごいことですね。でも俳優クァク・ジェヨンでもアクセスして欲しいなぁ。私も『猟奇的な彼女』にちょっとだけ出演しているんですよ(笑)。

● 監督は『猟奇的な彼女』のどこに出ている?
 クァク・ジェヨン監督は、チャ・テヒョンが「猟奇的な彼女」の見合い相手に「彼女と付き合う心得」を伝授した後、屋台で焼酎を飲んでいるシーンで、隣に座っているおじさんとして出演。

Q: 若いお客さんが「監督は40代なのに、どうしてこんなに20歳そこそこの若い子の気持ちが分かるんだろう?」と言っていましたが。
A: 私はデビュー作の頃からずっと、出演してくださる俳優さんたちの年齢が変わらないんです。だいたい20歳前後の俳優さんと仕事をし続けています。そのせいか、自分が老けたとか、年をとったという実感がないんです。

Q: 『猟奇的な彼女』の時にも感じたことですが、監督は若い俳優さんの魅力を引き出すのがとてもお上手ですね。今回の『クラシック』の主演の三人はどのようにしてキャスティングされたのですか。
A: ジヘ&ジュヒ役のソン・イェジンは当初はキャスティング候補に入っていませんでしたが、ある日、ペ・チャンホ監督の『黒水仙』を劇場へ見に行ったところ、たまたま彼女も見に来ていたのです。実際の彼女を見た時に「『クラシック』のヒロインは、まさにこの子だ」と思いました。いざ撮影を始めてみると、集中力はあるし、体力もある。なによりこの映画に深い愛情を注いでくれる。本当に彼女にして良かったと思っています。一方、ジュナ役のチョ・スンウですが、私は彼のデビュー作である『春香伝』を見逃していたのです。それで、ある日、テレビで放映されているのを偶然に見て「あ、彼にお願いしよう」と思い立ちました。二人が決まったところで、サンミン役には彼らとのバランスを考え、現代のヒロインが恋をする今風のハンサムな青年ということでチョ・インソンを選びました。彼はチャ・テヒョンチョン・ジヒョンと同じ事務所の所属ということもあって、話も進めやすかったです。

● 『クラシック』主演陣について
 ソン・イェジンは2002年の『酔画仙』を皮切りに、その後『永遠の片想い』、『クラシック』に主演。現在も『君に捧げる初恋』を撮影中。チョ・スンウは日本公開作の『春香伝』のほか、『ワニ&ジュナ 〜揺れる想い〜』『フー・アー・ユー?』、『爆烈野球団!』、『H[エイチ]』、『クラシック』に出演。チョ・インソンは2002年にフルーツ・チャンの『トイレ、どこですか?』に出演し、以後『マドレーヌ』、『クラシック』に主演。三人とも2002年後半から急速に出演数を増やしている期待の新人俳優。

Q: チョ・インソンさんは見るからにかっこいい青年だけれど、私にはチョ・スンウさんのほうが素敵に思えました。彼は表情が豊かだし、特に笑顔が良いですね。
A: 彼はこれまであまり誰かを愛したり愛されたりという役を演じていなかったのですが、私は、彼は元々ロマンチックな魅力を持っている人だと思っていました。ですから彼が『クラシック』に出会ったことは、お互いにとって良いことだったのではと思っています。

Q: ヒロインが一人二役なのは、当初からの企画だったのでしょうか。
A: 最初は考えていませんでしたが、ソン・イェジンに決まったことで、彼女ならばできるのでは?と思ったのです。が、あえてそれを言わずにシナリオを渡しました。そうしたら、彼女のほうから、これは一人二役でやったほうがいいのではないか。やってみたいと言ってくれたのです。彼女は一見、現代的な顔立ちですが、古典的な部分も持ち合わせている人だと思っています。


『クラシック』のソン・イェジン(画像提供:P2)

Q: それにしてもソン・イェジンさんのおさげ髪は可愛いですね。『クラシック』が日本でも公開になったら、彼女の清純さの虜になる男性が大勢現れると思いますよ。
A: 日本では「猟奇的」な女の子が人気なんだと思っていました(笑)。清純好き派と凶暴好き派が映画館で喧嘩になったりしないでしょうか(笑)。

Q: 現代のほうのヒロイン、ジヘはテコンドーを特技にしている活発な女性で、これは『猟奇的な彼女』のヒロインにも繋がるように思えましたが。
A: こんなに元気で強い女の子でも、好きな人の前では何も言えなくなってしまうんだということを表したかったのです。それにジヘは稽古中に鼻血を出してしまった練習相手を「大丈夫ですか?」と気遣うような女の子です。これが「猟奇的な彼女」なら「あ、鼻血出てるよ。拭けば」ですませてしまうでしょう(笑)。ヒロインの違いはヒロインを演じた二人の女優の違いでもあります。例えば、ソン・イェジンは私に対して丁寧な敬語を使いますが、チョン・ジヒョンはほとんどタメ口です。実は先日、チョン・ジヒョンからプロモーションで日本へ行ってきたと、報告の電話があったのですが、その時も

ジヒョン 「カムドッ? ナダ!(監督? 私!)」
監督 「ヌグセヨ?(どちらさまですか?)」
ジヒョン 「ナヤ!!(私だってば!!)」

といった調子でしたからね(笑)。まあ、それが彼女の親しみの表し方なんですけど。


猟奇的なチョン・ジヒョン(撮影:宮田浩史)

Q: 主役の三人も良かったのですが、親友テス役のイ・ギウさんも面白かったです。彼は初めて見た俳優さんなんですが、どういった経歴の方なんでしょうか。
A: 彼はこれがデビュー作の新人です。演技経験はまったくないとのことでしたが、あまりにもキャラクターがイメージ通りだったので、抜擢しました。演技が下手なのは練習でカバーできるだろうから、ぜひこのキャラクターを使ってみたいと思ったのです。ところが彼は非常に一生懸命にシナリオを読み込んでくれて、期待していた以上の演技をしてくれました。ヘタをしたら他と噛みあわないかもと心配していたので、幸いでした。

Q: 次回作の予定をお聞かせください。
A: 具体的に進めている企画はまだないのですが、『猟奇的な彼女』と『クラシック』の延長線上にあるようなラブ・ストーリーになると思います。実はまだ話だけですが『猟奇的な彼女2』を作るという案も出ています。これは彼女と亡くなった元彼との話で、ラスト・シーンは彼女とキョヌが出会うところがいいと思っています。

Q: 私は「猟奇的」なカップルの社会人編を見てみたい気もしますが。
A: ああ、それも面白いかもしれませんね。

Q: ありがとうございました。


二年連続でファンタランド大賞を受賞!


インタビューを終えて

Text by 月原万貴子(月子)

 意見が割れ、もめにもめた審査会の後というお疲れの時間帯だったにも関わらず、楽しそうにインタビューに応じてくださったクァク・ジェヨン監督。

 ちょっと目は強面(ごめんなさい)だけど、気配りと思いやりとユーモアに溢れたとても素敵な男性でした。今をときめく若手の俳優たちが、監督に全幅の信頼を寄せるのも分かる気がします。今回のゆうばりには、奥様、二人のお嬢さんを同伴。家族での海外旅行としても楽しまれたようです。

 インタビュー中、監督もおっしゃっていましたが、『クラシック』は多くの観客を感動させ、昨年に引き続き観客投票による「ファンタランド大賞」を受賞しました。映画をご覧になった他のゲストの皆様からも「良かったー」「泣いちゃった」などの声が聞こえ、お仕事で見られなかったゲストの方たちが悔しがっていました。まだ日本での配給が決まっていないとのことですが、ぜひとも全国的に公開していただきたいと切に願います。


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