みちのく国際ミステリー映画祭2002 in 盛岡 リポート
Reported by 宮田浩史
2002/12/19受領
日時:2002年10月18日(金)〜20日(日)
会場:岩手県盛岡市映画館通り
去る2002年10月18日(金)〜20日(日)の三日間、みちのく国際ミステリー映画祭が岩手県盛岡市にて開催されました。
ミステリー映画をテーマにしたこのユニークな映画祭は、今年で第6回目を数え、昨年に引き続き「韓国映画エンターテイメント特集 Vol.2」と題して二本の韓国映画、『黒水仙』と『バンジージャンプする』が上映されました。これにあわせ、ペ・チャンホ監督、キム・デスン監督、女優のイ・ウンジュの三人がゲストとして来日。その模様をリポートします。
● 開会式
日時:10月18日(金)19:00より
会場:盛岡東映
開会式では、ゲストが壇上にあがり、それぞれ一言ずつ挨拶。
ペ・チャンホ監督: |
この映画祭のことはアン・ソンギさんを通じて聞いておりましたので、招待されとても嬉しく思います。 |
キム・デスン監督: |
盛岡は街が綺麗で情に溢れている感じがして、気持ちが安らいでいます。 |
イ・ウンジュ: |
お煎餅、冷麺、そばが美味しくて、日本の伝統文化も見られるところだと聞いておりますので存分に楽しんで帰りたいと思います。 |
とそれぞれコメント。満員の観客から盛大な拍手を受けていました。
引き続き、オープニング作品として『黒水仙』が上映されました。
● 『黒水仙』上映
日時:10月18日(金)19:45より
会場:盛岡東映
司会:田代親世
通訳:延智美
<舞台挨拶>
ペ・チャンホ監督: |
この作品は、ミステリーという枠を借りて、胸の痛い、切ない愛を描いたものです。登場人物が多くストーリーも複雑なので、混乱される方もいらっしゃるかも知れませんが、集中して観ていただければ十分ご理解いただけると思いますので、じっくり、リラックスしてご鑑賞ください。 |
<Q&Aでの主な質問と回答>
Q: |
アン・ソンギさんの印象は? |
A: |
アン・ソンギさんは、色にたとえると、無色、モノトーンの俳優だと思うんです。ですから、いろんな色をのせやすい。また、彼の瞳には憂いを秘めた孤独が宿っているんですね。今回は久しぶりの一緒の作品だったのですが、10年の隔たりを全く感じずに撮影に臨むことが出来ました。 |
Q: |
エンディングにジョン・レノンの『イマジン』が流れていたのが非常に印象的だったのですが。 |
A: |
正直に申し上げると、これは私の意見ではなく、製作会社の意向だったのです(笑)。作品のトーンが変わってしまうのではないかと心配だったのですが、今観てみると、最後に作品の緊張状態を和らげてくれる効果があったと思います。 |
● 『バンジージャンプする』上映
日時:10月19日(土)18:45より
会場:ピカデリー
司会:田代親世
通訳:李侖遠
<舞台挨拶>
キム・デスン監督: |
今日、こうしてたくさんの皆さんにお会いできて本当に嬉しいです。皆さんの心の奥にある自分の恋の経験や愛のメッセージをこの作品を観て、思い出していただければと思います。 |
イ・ウンジュ: |
若い方も年配の方も、みなさん恋の経験をお持ちだと思いますので、これからのひと時がこの作品に共感していただける良い時間になれば、と思います。 |
<Q&Aでの主な質問と回答>
《監督へ》
Q: |
タイトルの持つ意味は? |
A: |
よく恋人同士で、「あなたのことを死ぬまで愛する」などと言いますが、実際にはそのような「完全な愛」というものはなかなか難しいものです。この作品の主人公達は「いつかニュージーランドへ行ってバンジージャンプがしたい」という夢を実行に移すことで「完全な愛」を達成するわけで、「バンジージャンプする」が象徴的な意味になっているのです。 |
Q: |
生まれ変わりを男性にした理由は? |
A: |
男性、女性といった外見を問わず、その人をソウル・メイトとして愛さずにはいられない、ということを表現したかったのです。 |
《イ・ウンジュさんへ》
Q: |
この作品への出演を決めた理由は? |
A: |
このシナリオをいただいた時に、ちょうどその時期飼っていた子犬が死んでしまい、悲しんでいる姿を見て母がまた子犬を買ってきてくれたんですが、その子犬の目つきや行動が、死んでしまった子犬にそっくりだったんです。それが偶然だったのか、必然だったのかはわからないんですが・・・ |
Q: |
共演のイ・ビョンホンさんの印象は? |
A: |
すばらしい先輩と共演できて光栄でした。撮影中も普段も人柄が良く、私にもやさしくしてくださいました。とても素敵な方だと思います。 |
● シネマパレード
日時:10月19日(土)15:30より
会場:盛岡市内商店街にて
ゲストが、仮装をした盛岡市民の皆さんや、マーチングバンドなどと共に市内をパレード。市民の皆さんにとって映画祭一番の楽しみのようで、沿道には多くの人が詰めかけ、ゲストに手を振っていました。一番の人気は人力車に乗ったイ・ウンジュさんで、あちらこちらから「キレイ」「かわいい」といった歓声があがっていました。
残念ながら、イ・ウンジュさんはお仕事の都合で20日朝、閉会式を待たずに盛岡を発たれましたが、ペ・チャンホ監督、キム・デスン監督は、閉会式・クロージングパーティーにも出席、盛岡最後の夜を満喫されておりました。こういった地方の映画祭は三人とも初めてとのことで、皆さん大変楽しまれていたようです。特に、パレードでの盛岡市民の歓迎ぶりには驚かれたご様子で、皆さん「パレードがとても面白かった」と仰っていました。
また来年も韓国映画人と盛岡市民の出会いがあることを期待したいと思います。
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