イエス・キリスト生誕2000年を記念して製作された日韓合作映画(韓国文化観光部映画振興委員会認定作品)。クリスチャンの韓国人妻の愛情により、改心して堅気の生活に戻った日本人ヤクザを描く。
激しい抗争を繰り広げる山政会の木原勇次(渡瀬恒彦)と中森組の島俊夫(奥田瑛二)。木原の妻で熱心なクリスチャンの盛愛(ソンエ:ナ・ヨンヒ)は、ある日偶然、教会で島の韓国人妻、瑛姫(ヨンヒ:ユン・ユソン)と知り合う。一方、木原と島は、抗争のほとぼりがさめるまで身を隠していたが、潜伏中に木原は麻薬で幻覚症状をおこし、朦朧と街をさまよう。そして、そんな時、ふと目に飛び込んできたのが夜空に浮かぶ教会の十字架。そうだ、うちのかみさんはクリスチャンだった・・・ ふらふらと教会に入り込んだ木原の運命は?
原作は『刺青クリスチャン』(ミッション・バラバ,早稲田出版)。この本は、ヤクザから足を洗ってクリスチャンになり、日本・韓国・米国と十字架を背負って贖罪の旅を続けた伝道集団ミッション・バラバのメンバーの実話を元に書かれている。ミッション・バラバ関連書籍は、他にも『悪タレ極道 いのちやりなおし』(中島哲夫,講談社)、『回心 ヤクザが生れ変わる時』(遠藤町子,サイト出版)、『愛されて、許されて』(鈴木啓之,雷韻出版)などがある。ちなみにバラバは聖書の中の登場人物で、殺人・強盗などエルサレムで悪行の限りを尽くした極道者の名前。なお、彼はイエスが磔刑になる直前にイエスのかわりに釈放されている。
『内海の輪』、『竹久夢二物語 恋する』などの斎藤耕一が監督をつとめる。ちなみに、斎藤耕一が1972年に監督した『約束』はイ・マニの名作『晩秋』(1966)のリメイク。
ヤクザを改宗させた韓国人妻を『暗闇の子供たち』(1981),『低きところに臨みたまえ』(1981)、『ママと星とイソギンチャク』などでお馴染みのナ・ヨンヒと、『二人の女の物語』、『情』などに出演しているユン・ユソンが演じる。
日本で2001年9月1日に全国公開された後、韓国では2002年6月21日に『ミッション・バラバ』という題名で公開された。
第17回(2001)あきる野映画祭、2003年バンコク国際映画祭出品作品。
ミッション・バラバのサイト(日本語)はこちら。
初版:2001/9/10
最新版:2002/6/22
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