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『ROUND1』
カン・ソンピル インタビュー


Text & Photo by 宮田浩史

日 時:2003年2月13日(木)19:30〜20:00
会 場:ヤクルトホール 控え室
通 訳:大塚毅彦
聞き手:宮田浩史

 キャストは日韓ほぼ半分、スタッフも撮影、照明、アクションの演出が韓国クルー、監督を始めとするその他を日本のクルーが占めるという日韓合作映画『ROUND1』が、2003年3月1日(土)より銀座シネパトスほかにて全国ロードショーされる。

 公開に先立って開かれた一般試写会での舞台挨拶のために来日した、出演者のカン・ソンピルさんにお話を伺った。『花嫁はギャングスター』『マイ・ボス マイ・ヒーロー』とデビューから立て続けにヒット作に出演。主演陣に負けじと絶妙のコメディ演技を披露してきた彼の素顔とは?



『ROUND1』

2002年/日本・韓国/カラー/ビスタ/104分

製作:『ROUND1』製作委員会(日本テレビ,アスミック・エース エンタテインメント,電通,角川書店,日本テレビ音楽)
制作:ミレニアム・ピクチャーズ
制作協力:ANピクチャーズ
宣伝協力:シナジー
配給:アスッミック・エース
公式サイト:http://www.round1.info/

監督:山田大樹
撮影:ファン・ギソク
照明:シン・ギョンマン
プロデューサー:明石竜二、パク・ビョンチョル、大塚恭司

出演:畑山隆則、ソン・ソンミ、西村和彦、カン・ソンピル、大竹一重、高川裕也、イ・イルチェ、中江有里、団時朗、夏木陽介、中原丈雄

 世界スーパーフェザー級・WBA世界ライト級を制した元人気プロボクサー、畑山隆則が映画初主演した日韓合作によるアクション・クライム・ムービー。運に見放されいつもへまばかりの詐欺師が、持ちかけられた一攫千金のヤマを狙って奮闘する姿をコミカルに描く。

 役者を目指して韓国へ渡ったトッポ(畑山隆則)は、ひょんなことから全州ヤクザ、パク組の用心棒に。ところが組織同士の抗争に怖気づき、組員を騙してさっさと帰国。横浜へ逃げ帰った彼は、友人ダンディ(西村和彦)の勧めで詐欺師へと転身。謎の美女ネネ(ソン・ソンミ)とコンビを組み数々の詐欺を試みるが失敗ばかり。そんな折、「ダマしの神様」と呼ばれる拝(中原丈雄)から「300億ウォンのヤマを一緒に踏まないか?」と持ちかけられ・・・

 『美術館の隣の動物園』『マイ・ボス マイ・ヒーロー』のソン・ソンミが、謎の美女ネネ役をセクシーな魅力で好演。組織抗争から逃れ日本へ渡ってきたパク組の若頭チョン役を『花嫁はギャングスター』『マイ・ボス マイ・ヒーロー』でコミカルな演技を披露したカン・ソンピルが演じ、トッポ役の畑山隆則との丁々発止の掛け合いで楽しませてくれる。

 撮影、照明には『友へ/チング』に惚れ込んだ大塚恭司プロデューサーの手により、ファン・ギソク、シン・ギョンマン率いる同作のスタッフが全員集結。コメディ映画には不釣合いとも思えるほどの重厚な映像美で、そのアンバランスさが逆にこの映画の奇妙な魅力になっている。



インタビュー

Q: まず、この作品に出演なさった経緯をお聞かせください。
A: 山田大樹監督が韓国で行ったオーディションに参加し、それで出る事になりました。

Q: 『花嫁はギャングスター』『マイ・ボス マイ・ヒーロー』に続いて、この映画が三作目になりますか?
A: 韓国でもまだ公開されていませんが、『ROUND1』の前に『ナチュラル・シティ』という作品を撮っているので、四作目になります。

Q: この作品に出演を決めた理由は。
A: まずシナリオが気に入りました。それからチョンという私が演じるキャラクターも非常に面白く、この映画は成功するのではないかと、ぜひ出たいと思いました。

Q: 俳優、スタッフともに日韓混在の中で撮影が行われたわけですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
A: 現場の雰囲気は大変良くて非常に面白かったです。撮影と照明の監督が韓国の方で、自分も良く知っている方々だったので非常にうまくいきました。

Q: 『花嫁はギャングスター』でシン・ギョンマン照明監督とは一度お仕事をご一緒にされているんですよね。
A: ええ。

Q: 日韓の俳優間ではどうだったのでしょう?
A: 特にトラブルという事も無く、撮影現場で一緒にご飯を食べてという過程を経て非常に仲良くなることができました。

Q: 日本人の共演者の方々の印象は?
A: そうですね・・・

「ちょっといいですか?」
と、ここで突然の訪問者。主演の畑山隆則さんである。
「ソンピル、この後、どうする?」
と、しばしこの後の食事の打ち合わせ。後ほど落ち合う事を決めて畑山さんが控え室を後にする。

Q: 本当に仲がよろしいんですね。
A: ええ、とても(笑)。

Q: ではもう一度。共演者の方々の印象は?
A: 畑山さんは、ボクシングをやっていらしただけあって、非常に信念の強い方だと感じました。何かやろうと思ったら、それに向かって努力する。それと同時に、俳優らしくない、すごく純粋な方だなあと思いました。言葉はわからなくてもお互いに伝わるものがある、そう感じました。中江有里さんは、すごくよく笑う愛嬌のある方で、いい子だなあと思いました。

Q: ソン・ソンミさんとは、『マイ・ボス マイ・ヒーロー』でも共演されていますが。
A: ええ。今回の『ROUND1』のおかげで、ソン・ソンミさんとはすごく親しくなれました。個人的にも電話をしたりするようなそういう間柄になることができました。

Q: お互いに日本の監督のもとで演技をすることへの不安もあったかと思うのですが、そういったことを話し合ったりも?
A: そういうこともありました。まず言葉が通じないわけですから、「一体どうしたらよいのだろう」という話もしましたし、作品の内容そのものに関しての話もしました。友達みたいな感じでいろいろな話をしましたね。「ト・モ・ダ・チ(日本語で)」(笑)

Q: この作品は、日本人の出演者より、かえって韓国人の皆さんの方が、とても生き生きとスクリーンの中を駆け回っているような印象を受けました。それは撮影、照明のスタッフが韓国の方々で、自分たちの国の役者の良い部分の引き出し方をよく知っているから、ということなのでしょうか。
A: 確かに言われてみればそういうこともあったかも知れません。言葉が通じることにより、どういう風にしたらよいかと言うことはダイレクトに伝わりますからね。

Q: 撮影中の印象に残ったエピソードは?
A: 横浜港でトッポ役の畑山さんを追いかけるシーンが一番印象的でした。カメラを積んでいる車に向かって走らなければならず、これが100メートル以上の距離なんですが(笑)、全力疾走で15回くらいしたと思うんですけれど、すごく大変でした。

Q: もともと大学生のころにお笑いコンビを組んでいらしたようで、コメディがお好きなんですよね? 『マイ・ボス マイ・ヒーロー』の撮影現場でもアドリブをポンポン飛び出させて、周りの共演者やスタッフを笑わせていたと伺っております。それは『ROUND1』でも?
A: ええ。大衆浴場で垢を食べてしまうシーンなんですが(笑)、あれは本来なかったものを監督と「こういう風にやったら面白いのではないか」と相談して作り上げました。

Q: なぜ、俳優になろうと思われたのですか?
A: 父方のおばがパク・スンチョンという女優なんですが、小さい頃から見ていて、すごく単純な考えなんですけれども「俳優もいいな」と思うようになりました。

Q: 普通、俳優はやりたがらないスタントも、ご自身でなさるとか。『花嫁はギャングスター』のラストで火だるまになるシーンもご自身で?
A: ええ。スポーツをやっていたので、普通の人に比べたらうまくできる自信はあります。

Q: ちなみに、『花嫁はギャングスター』の続編にも出演なさるそうですが。
A: シナリオは受け取っているのですが、まだ出るかどうかは決まっていません。

Q: もし出るとなると、前作では死んでいなかったということですか?
A: そのときは包帯だらけで出るつもりです(笑)。

Q: ソンピルさんは、口調に特徴があると思うのですが。こうしてお話をしていても映画そのままの話し方ですよね。
A: どのような人でも、これまで生きてきた人生の中で、そういったしゃべり方も形作られるので、自分でもどうしてこのようなしゃべり方になったのかはわからないんです(笑)。

Q: その独特の口調が観客の注目を浴びることになっているとは思いませんか。
A: 本当に自分では良くわかりません(笑)。

Q: 今後もコメディ俳優としてやっていこうとお考えですか? ここ三作品では「ワルだけれどちょっと憎めない奴」という共通したキャラクターでしたが。
A: これからの二作品でもその路線で行きます。その後、イメージの転身をはかろうかなと思っています。

Q: その今後予定されている『赤い名札』という作品では、コメディ王パク・チュンフンさんを相手にまわして堂々の主演ということですが。デビュー数本目にして早くも主演と、とんとん拍子に成功を収めつつありますね。
A: 自分ではうまくいっているかどうか良くわからないんですが、自分の演技を観客の皆さんが喜んで観ていただけて、そのおかげでこうなっているので、それは観客の皆さんに感謝したいと思います。

Q: やはり、コメディ映画やコメディアンがお好きなんですか?
A: 浜ちゃん、まっちゃんが好きです。

Q: ダウンタウンですか(笑)。日本への関心もおありのようですね。
A: 日本は大好きです。歴史的な経緯はひとまず置いておいて、今の日本は自分の感覚に非常に合いますし、大好きなんです。日本語もちょっと勉強しなければと、テープと本まで準備して「さあ、勉強しよう」と思っているところです。

Q: この映画がきっかけでというよりは以前から関心をお持ちだったのですか。
A: ええ、以前から日本という国に関心がありました。ですから、仕事の上でも一度は日本で働いてみたいなと思っていたんです。

Q: では日本語を勉強なさっていずれは日本の映画やドラマでもソンピルさんのご活躍を観られるようになるのでしょうね。
A: ええ。「アリガトウゴザイマス(日本語で)」(笑)

Q: 最後に、これから映画をご覧になり、ソンピルさんのファンになるであろう日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。
A: 一生懸命がんばっておりますし、日本の皆さんにもその姿を見ていただきたいです。それがまた私のファイトにもつながります。言葉の問題もありますが、少しずつ私がやっている、うまくなっている、そういう姿を見てほしいです。

Q: ありがとうございました。


主演の畑山隆則さん、応援に駆けつけたユミンこと笛木優子さんと共に


ユミン・ファンのためにサービス!(笑)



インタビュー後記

Text by 宮田浩史

 身長180cm、軍隊時代はテコンドーの教官も勤めたという、そのがっしりした体つきからは想像できないほど柔和な物腰で、周りを笑いの渦に包み込むカン・ソンピルさん。

 「日本のテレビもよくご覧になるのですか?」という質問には、「日本のバラエティ番組が大好きなんです。特に四チャンネル(日本テレビ)が面白いと思います(笑)」と、後ろに立っていた日本テレビの社員でもある本作のプロデューサーへの気配り(?)も忘れない。そんな愛すべき人柄が、今後日韓を股にかけて活躍の場を広げていく原動力になるのだろう。まずはこの『ROUND1』で、スクリーンの中を所狭しと駆け回る、彼の姿を確認してほしい。


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