真！韓国映画祭 『ビバ！ラブ』
オ・ジョムギュン監督ティーチイン
Reported by Kaoru
2010/8/27
2010年2月27日（土）から三週間にわたって、東京のポレポレ東中野を会場に、真！韓国映画祭が開催されました。2月28日に行われた『ビバ！ラブ』のティーチインの模様をお届けします。
2010年2月28日
ポレポレ東中野
ゲスト：オ・ジョムギュン
司会：木全純治（シネマスコーレ）
通訳：尹春江
── この映画を作るきっかけは何だったのでしょうか？
家族に対して長い間尽くしてきた女性が表彰される姿をテレビで見た時、彼女たちは悲しい表情をしていました。おばあさんたちは自分の人生を犠牲にしてきたので、受賞してもその苦労が報われるか疑問でした。彼女たちを幸せにできないかというところから、この映画は始まりました。
── 製作期間はどれくらいかかったのでしょうか？
企画は7〜8年前から始まっています。私は男なので後輩の女性作家に頼んでシナリオを書いてもらって、そこで1年、製作に2〜3年、上映するまでに1年半かかりました。
── 公開された時の韓国の評価はいかがでしたか？
両極端でした。良いと言う人は8〜9点、ダメという人は1点でした（笑）。
── ［観客］年下の男、娘の恋人、不倫、いろんな問題が絡んで分かりづらかったのですが、男が年下という設定だけの方が良かったのではないでしょうか？
母と娘、下宿人のクサンとの三角関係が見ていて大変というのはどうしてですか？ ただでさえ三角関係はつらいのに、家族の問題を絡めない方がいいということでしょうか？ 私はおばさんに自由を与えるには家族の問題を絡める方がいいと考えました。私が描きたいのは家族だったからです。
── ［観客］韓国では今もまだ姦通罪があるのかと驚きました。
韓国もだいぶ変わってきましたが、破ってはいけないという動きもあります。私は映画の中では破っても良いのではないか、それは芸術を作る人がすべきことだと思います。昔からあるものを破ってはいけないと仲間外れにするとか、自殺するとか、今まではそういう作品が多かったのですが、私はフェミニズムの流れをくんでいると考えていただいていいのですが、この映画はハッピーエンドというのが特徴だと思います。
── ［観客］キム・ヘスクさんをキャスティングした理由は？
キム・ヘスクさんは『冬のソナタ』の母親役で知られているトップ女優で、皆に愛されていますが、私が思うに、とてもセクシーな部分を持っている女優だからです。
── ［観客］普通なら相手が年上・年下だったら精神的な面から入ると思います。この映画は精神的、肉体的なものが逆だったのですが、何を意図したのですか？
特別に意図したものはありません。どちらも大切だと思ったからです。世間では男は肉体的、女は頭でといいますが、私はそうは思いません。韓国ではおばさんが若い男と関係を持ったら、1、2発殴られて追い出されます。でも私や私の周りでそういう状態になったら、女の方から出ていくのではないかと怖くなります。
── ［観客］初めのアニメーションで、男の方が早く老化するのがおかしかったです。この映画はファンタジーでもあるけれど、俳優たちの最初の反応はいかがでしたか？
面白いと言ってくれました。
── ［観客］下宿人のクサンに息子のような愛情を感じて、夫も妻との関係を許すという感じが面白いと思いました。
よく見ていただいて、ありがとうございます。ドラマや映画で若い人の愛情ばかりを描きがちだけど、若い人だけではないですよね。人間は一つの生物なので、そういう気持ちもあると思います。韓国には少しいやらしい言葉ですが、「箸を持つ力があればセックスはできる」というのがあります。
質問にでなかったのですが、ひとつ付け加えておきます。日本の皆さんは礼儀正しいので韓国のように意地悪な質問は出ないのですが、「もし本当に私の母や妻がそのような状況になったらどうしますか？」と聞かれたことがあります。私はもしも自分の母親がそうなったら、お小遣いを二倍あげて応援します。妻がそうなったなら初めは嫉妬するけれど、応援します。本当に愛する人に出会えるのは少ないことなので、妻がそういう人に出会ったならば応援すべきだと思います。本当です。
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