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韓国アートフィルム・ショーケース初日リポート
『不機嫌な男たち』『許されざるもの』舞台挨拶

Reported by 鄭美恵(Dalnara)
2007/2/17



『不機嫌な男たち』舞台挨拶

 6年間の貿易会社のサラリーマン生活を経て、『不機嫌な男たち』の脚本執筆のため退社。助監督の後、本作でデビューした「遅れてきた新人」監督ミン・ビョングク。

 韓国アートフィルム・ショーケース開幕の初日に合わせ『不機嫌な男たち』主演のチョン・チャンとミン・ビョングク監督が来日した。2007年1月27日(土)東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで行われた舞台挨拶のもようをお伝えする(通訳:尹春江)。


Q: 日本の文化に詳しいと伺っていますが日本の印象はいかがですか?
チョン: 日本は今回初めて来ました。日本の印象は街がきれいでよく整理されていますね。日本文化が大好きなのですが、読んだ日本の本の中の町並みや様子が頭の中に浮かんできてよかったと思います。日本の文化の層の厚さ、多様性がいつもすばらしいと感じていました。

Q: 日本のどんな本を読みましたか?
チョン: 高校生のとき夏目漱石の『坊ちゃん』、三島由紀夫の『金閣寺』、村上春樹、村上龍、吉本ばななを読んだことがあります。映画は黒沢明、最近は犬童一心の『ジョゼと虎と魚たち』を観ました。最近読んだ本は奥田英朗の『サウスバウンド』です。

Q: 会社員を辞めて映画監督になろうとした理由はなんでしょうか。
監督: 韓国でもよく受けた質問なのですが、特別な理由はなく衝動的に突然映画監督になってしまいました。生きているとこんなことはたびたびあります。
チョン: これから上映する映画で私は会社員を辞めて小説家になるという役なのですが、これは監督自身なのではないか、と思っています。
監督: 何を言っているのかさっぱりわかりませんね(笑)。会社を辞めて小説家をめざす、という設定、そこだけは似ていますがそれ以外はまったく違いますね。ご承知おきください。
チョン: 監督は否定はされていますが、あくまでも監督は監督なので・・・ この映画の監督は監督なので。

Q: トレンディ・ドラマの役とずいぶんちがいますが作品を選んでいらっしゃるのでしょうか。
チョン: 私は映画おたく(笑)なので明日はぜひ中野ブロードウェイ(マンガやフィギュアを売る店の集まった場所)に行ってみようと思います。私はほんとうに映画が大好きで、すべての映画の根本であるインディーズ映画に出るのは私の役者人生にとって大事なことなのではないかと思っています。そしてそこで一歩一歩あがっていってそういった役者になりたいと思っています。

Q: アートフィルムはどういうものとお考えでしょうか。
監督: アートフィルムはどういうものかはっきりわからないし、私の映画がアートフィルムに分類された理由がわからないです。あえて言うならば、映画には観客に親切な映画と不親切な映画があると思いますが、自分の作品は観客に不親切な映画だと思います。観客がきちんと見てくださって、こういうことを言いたいのでは?と感じてくれることを、どちらかといえば作り手がじっと待つ映画。ちょっと恥ずかしいですが、そういう映画がアートフィルムなのではないかと思います。

Q: これからの予定について、また映画を観るみなさまへのメッセージをお聞かせください。
監督: 私にとってこれは息子のような映画なので、みなさまにご覧いただけるようになって心から感謝します。みなさまの記憶に深く残る映画になるようにと思っています。今後運よく次回作を作る機会があればまた応援してください。よろしくお願いします。
チョン: 今日は来てくださってありがとうございます。インディーズ映画に対する日本の方々の熱い思いや愛に驚いたし、責任感も感じました。今後もっとよい映画やドラマに出演して、またみなさまにお目にかかりたいと思います。今日映画を観て(私の役について)少し不愉快な思いになるかもしれませんが、それは人間のひとつの断面とお考え下さい(笑)。(日本語で)「ありがとうございます」



『許されざるもの』舞台挨拶

 同日、『許されざるもの』のユン・ジョンビン監督の舞台挨拶も行われた。大学の卒業製作の本作は、2005年釜山国際映画祭で最多4部門で受賞し、最も注目を集めた。青春の2年間を軍隊で送る韓国の若者たちの心境を脚本・監督・俳優・プロデューサーの4役をこなして描いたユン・ジョンビン監督の舞台挨拶をお伝えする。

Q: 2005年釜山国際映画祭でこの作品が4つも賞をとってびっくりしませんでしたか?
A: びっくりしました。

※ 『許されざるもの』は、2005年の釜山国際映画祭で国際映画批評家連盟賞、ニューカレンツ部門特別賞、PSB観客賞、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)の4部門を受賞した。

Q: 上映される前に賞をとることを予想していましたか?
A: 作品が数多くあったのでこれほどまで喜んでもらえるとは思わなかったです。ただ、作品をおもしろく観ていただければ、という願いはありました。

Q: 観客からはどんな感想がありましたか?
A: 特別、具体的な感想はありませんでしたが「楽しく見ましたよ」と聞きました。韓国文化に関心を持っているドイツ人の観客からは「韓国社会と男性についてこれまで漠然としていた疑問が解消されて韓国についてよくわかった」と言われました。

Q: いちばん苦労したことはなんでしょうか?
A: 製作費が十分でなかったので、急いで撮影しなければならなかったことです。シナリオ通りに撮れればよかったのですが、製作費が足りなくて変えたところがあります。なのでスペクタクルは期待しない方がいいです(笑)。

Q: どうしてこのテーマを選んだのですか?
A: ひとりの韓国人として私も軍隊に行ってきました。除隊して社会に出てみると全く同じことが繰り返されていてまるで軍隊生活の延長だったので、心の中のことを吐き出してみようと思って作りました。

Q: この作品の中で俳優をした理由は?
A: 1・2週間の撮影期間は時間的物質的な制約があったので自分が出た方がいいと思いました。

Q: 演技がうまいですね。
A: 監督として食べていかれないなら、そちらの(俳優の)道も考えてみます(にっこり)。

Q: ホン・サンス監督に感銘を受けたそうですが・・・
A: ホン・サンス監督の映画は好きです。既存映画のような人物ではなく率直に正直に深く人間を洞察して描いていると思います。真面目に描いているところが好きです。

Q: 日本映画で好きなのはどんな作品、監督でしょうか?
A: 今村昌平や成瀬巳喜男の作品、『誰も知らない』の是枝裕和監督が好きです。

Q: 新作の準備はしていますか?
A: ソウルの江南地区で働くホストとホステスのおかしなラブ・ストーリーです。

Q: 撮影の予定はいかがですか?
A: 5月に撮影に入る予定です。

Q: 最後に観客へのメッセージを。
A: Enjoy the film!



『不機嫌な男たち』は、2月17日(土)から3月9日(金)まで、シアター・イメージフォーラムにてロードショー

『許されざるもの』は、3月10日(土)から3月30日(金)まで、シアター・イメージフォーラムにてロードショー


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