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『僕の、世界の中心は、君だ。』
チャ・テヒョン&ソン・ヘギョ記者会見

Reported by Moe
Photo by Kaoru
2006/9/9



 『僕の、世界の中心は、君だ。』のプロモーションのため、チャ・テヒョンとソン・ヘギョが来日した。同映画は2004年に興収83億円の大ヒットを記録した片山恭一原作の日本映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の韓国版リメイクである。

 『猟奇的な彼女』のプロモーションのために初来日したときに、韓国での芸能情報番組で「僕には20名ほどの日本人ファンがいる」と言っていたチャ・テヒョンだが、今回の来日では空港には300名のファンが迎えに来ていた。もちろんソン・ヘギョのファンもいるのだが・・・

 記者会見では、チャ・テヒョンが歌う『ヌヌル カムコ』(平井堅の『瞳をとじて』のカバー)が流れる中、主役の二人が登場した。ソン・ヘギョは胸元と裾にある二重の大きなフリルが華やかさを出している紺色のワンピース。チャ・テヒョンは紫のシャツに濃い紫のスーツをカジュアルに着こなして登場した。

 大ヒットした邦画のリメイクということもあってか、100名以上のマスコミによるフラッシュを浴びながら、記者会見が始まった。




記者会見での質疑応答

   日時:2006年8月7日(月)
   会場:グランドハイアット東京

ソン: こんにちは(日本語)。アンニョンハセヨ。ソン・ヘギョです。このように温かく歓迎していただき、どうもありがとうございます。日本では楽しい時間を過ごして帰りたいと思っております。

チャ: アンニョンハセヨ、こんにちは(日本語)。お会いできて嬉しいです。そしてまた日本に来ることができたのですが、このように歓迎して下さり、ありがとうございます。(カメラのフラッシュで)・・・今とても眩しいです(笑)。

Q: (チャ・テヒョンに対し)大人の役を先に撮影されたということですが、最初に撮ったことでどんなことを思いながら撮影したか教えてください。
A: 確かに最初に大人の部分を撮影するというのは大変なことだったのですが、(大人の役では髪の毛は長く、高校生時代の役では短い髪の毛で撮影するため)髪の毛を切らなくてはならなかったので最初に高校生時代を撮ることができませんでした。出来るだけその感情を維持するために常にシナリオのことを考えながら撮影にのぞみました。大変ではあったのですが、幸いにも大人の部分はそれほど多くはなかったのでよかったです。

Q: (ソン・ヘギョに対し)初めての映画ということですが、感想を聞かせてください。
A: 私にとっては初めての映画出演だったので、いろんな面で神経質になったり、とても心配していたのですが、いざ撮影を始めるととても淡々と落ち着いた気持ちで撮影することができました。何よりも素晴らしい相手役に恵まれ、いいスタッフの方、監督に囲まれていたので、私が多少心配するような場面でも周りの方々が居心地よい環境を作ってくれたので、とても楽しく撮影できました。初めて撮った映画ですから、何年か経って振り返ると初恋のように記憶に残ると思います。とても楽しかったです。

Q: 日本で大ヒットした作品である『世界の中心で、愛をさけぶ』のオリジナルに忠実にしようと思ったところ、逆に自分たちなりにアレンジしようとしてこだわったところをお聞かせください。
チャ: 実は映画を撮影している時はあえて日本版の映画を見ないようにしました。というのは最初に見てしまうとそれがよくない形で影響を受けてしまうということがあるかもしれないと懸念したからです。撮影後に日本版を見たのですが、変えたことといえば、私たちの方は物語をかなり凝縮した形で人物を中心にこじんまりとし、そして掘り下げたような感じになったと思います。また似たところといえば、『世界の中心で、愛をさけぶ』は台風の時に撮影したと聞きましたが、私たちも台風が来るのを待って実際に台風が来たときに撮影しました。そのシーンはどんな特殊効果を使うよりもリアルな感じが出てたと思います。
ソン: 私も撮影前や撮影中は映画を見ないようにしていましたし、原作も読まないようにしていました。読んでしまうと、やはり演技をする上で何らかの形で心に残ってしまうと思ったからです。映画撮影を終わってから見ようと思っていたのですが、今も機会を持てないままで、見ていません。周りの人の話を聞くと、原作の方が涙を誘うような緊迫した感じの感情表現が沢山あると聞きました。韓国版は感情を抑えた感じで淡白な仕上がりになっていると思います。

Q: 韓国版のここがいい、というメッセージがありましたら教えてください。
ソン: 撮影舞台が巨済島という場所なんですが、本当に美しい島で見所が沢山ある場所です。またチャ・テヒョンさんと私は楽しく撮影が出来たので、映画の中でも仲良い様子が出て、その雰囲気が出ていると思います。日本の方が見てもとても軽快でフレッシュな印象な映画になっていると思います。
チャ: 日本の多くの方に愛された作品だと聞いていますので、せっかく韓国でも韓国版ができたので是非見比べる楽しさを味わって欲しいです。どの点がどう違うのかお互いに見比べるとまた新たな違った感動があるかと思います。

Q: 映画の中ではおじいさんの初恋がキーワードになっているかと思いますが、お二人の初恋のエピソードの記憶がありましたら聞かせてください。
ソン: 韓国でも似た質問を沢山受けたのですが、実は初恋の規定がわからないんです。物心がついて初めて人を好きになったのが初恋なのか、大きくなって心が傷ついたり別れたりするような体験が初恋なのかわからないのですが、初めて好きになった人といえば高校の時に同じ教会に通っていた先輩が好きだったのですが、それは片思いでした。そんな記憶しかありません。
チャ: 僕の初恋ですか・・・ 今回日本に来るために旅行かばんにいろいろと荷物をつめていたのですが、そのかばんの中に入ろうとしていました・・・それが初恋です。・・・その本人(=初恋の人)が自分も連れて行ってくれということだったんです。今その初恋の人は、家で待っています(チャ・テヒョンは、13年間愛をはぐくみこの6月に初恋の人と結婚したばかり)。
Q: その初恋は映画のようにピュアな恋愛をずっと貫いたということですね。
チャ: はい(笑)。

Q: 初めての共演だと思うのですが、感想とエピソードを聞かせてください。
チャ: ソン・ヘギョさんとの共演は初めてだったのでとても期待して撮影にのぞんだのですが、本当に期待通りの共演だったと思います。本当に素晴らしい女優さんという印象を持ちました。巨済島で撮影したのですが、ソウルからかなり遠く、ソウルで便利な生活をしていたので少し不便も感じたのですが、しかし巨済島は美しく、普段は高いお刺身も安く美味しく食べることができ、楽しい思い出が沢山できました。撮影中のエピソードといえば、私とソン・ヘギョさんとで遊ぶシーンがあるのですが子供心を思い出して楽しい撮影が出来ました。
ソン: 俳優としてのチャ・テヒョンさんと今回映画撮影できてよかったです。映画は皆で一緒に作るものだと周りから聞いていたのですが、それでも俳優さんの中には自分だけ目立ちたがるような方もいらっしゃるかと思うのですが、相手役とのバランスが崩れてしまい(自分が目立つというだけではなく)相手の方がかすんでしまうこともあるかと思うのですが、チャ・テヒョンさんは相手のことを考え、相手の魅力を引き出せる様なそんな演技を見せてくれる素晴らしい俳優さんだと思いました。普段のチャ・テヒョンさんのイメージは皆さんがご存知の通り、本当に温かくて優しくてまるで本当のお兄さんのような方です。撮影中のエピソードとしましては、巨済島という島で撮っていたのですが、休みのときは運動なんかもしたり、皆で海に行ってラーメンを作って食べたりしました。後ひとつ苦労したのは、魚に対して怖いという子供の頃の思い出があったので、泳ぐシーンがとても苦労しました。

Q: 制服姿で撮影するという感想は? また高校時代はどのような学生だったのでしょうか。
チャ: 私は制服を久しぶりに着たのですが、とてもよかったです。幸いにも制服を着たソン・ヘギョさんと「よく合っている」と言われて嬉しかったのを覚えています。あと高校時代はこの映画の主人公スホと殆ど同じで、楽しくよく遊んだ思い出がたくさんありまして、その頃のいい思い出があったからこそ、演技に役立ったのだと思います。
ソン: 私の高校にも制服があり着ていたのですが、その頃からこの仕事をしていましたので、なかなか学校に行くことが出来ず制服を着て何かをしたという思い出があまりたくさんないのです。しかし今回の撮影で思う存分悔いがないくらい沢山着ることが出来てよかったです。本当に楽しんで撮影ができました。

Q: ポケベルなどレトロな小道具が出てましたが、その点どんな風に感じましたか。
チャ: 私も久しぶりにポケベルを見たのですが、そういう私も若い頃は沢山ポケベルを使った記憶がありましたので、それを思い出しながら撮影しました。
ソン: 私も中学生の頃ポケベルを自分でも持っていたのですが、目にするのはそれ以来でした。昔は持っていたはずなのに、改めてみてみたら不思議な感じがしました。面白かったです。

Q: レコーディングの苦労、楽しかった感想を教えてください。
チャ: 申し訳ございません。素晴らしい歌を台無しにしてしまって申し訳なく思っています。平井堅さんは韓国でも多くの人が知っている有名な歌手の方で、私以外にも沢山の人が平井堅さんの歌をカバーをしています。私が歌ったバージョンは韓国の人は聞く機会がなく日本に公開される映画の中でだけ流れるものです。実はこのレコーディングは結婚式の2日くらい前に録音したのですが、急遽歌うことになったので本当に苦労しました。歌そのものも難しかったですし、平井堅さんが歌った立派な歌を私が歌ってもいいのだろうかという思いもありました。ですから韓国では出さないという条件で受けました。(笑)
司会: では日本で聞けるレアなものということでしょうか。
チャ: はい。
司会: これは貴重です!
チャ: ふふっ(笑)。

Q: チャ・テヒョンさんの歌の感想をお聞かせください。
ソン: 私は1ヶ月ほど仕事で海外に行っていて戻ってきてからチャ・テヒョンさんがレコーディングをしたと聞いたのですが、誰もその歌を聞かせてくれないのです。なので、韓国にいる間は聞くことができなかったのですが、先ほど待ち時間のときに聞かせていただきました。先ほど流れていたのを聞いて、ご本人も流れるということを知らず驚いて戸惑っていましたが、ちょっと聞いた印象ではとても上手くて声もいいなぁと思いました。
司会: プロの歌い手さんが歌っているのかと思いました。
チャ: (歌っているのは)私でした。

Q: 自分の出された曲の中でイチバン好きな歌は何ですか、その理由も教えてください。
チャ: やはりデビュー曲がイチバン記憶に強く残っています。韓国では『I love You』しか知らない人も多いようです。

Q: 病気の彼女を受け入れ、その思いをずっと持ち続けるという感情を表すは難しかったと思うのですが、どのようにしましたか。
チャ: 映画の中の状況が実際に起こったらとても悲しいことで考えたくないと思いました。病気の彼女を受けとめる役でしたが、それはつらいことでありましたし、経験してないことでしたのでとても難しかったです。ですからシナリオを沢山読んで理解するようにしました。そして、もしソン・ヘギョさんがいなかったらどうしようと思いながら演技しました。
ソン: 私も実際にこのような状況になったら言葉では表せないくらい辛い気持ちになると思いました。撮っている時は、主人公の二人は精神的にも成熟していない未熟な時期ですから、そういうときにこういうことを経験するというのは、成人になってから経験するよりももっともっと辛いものがあるのではないかと思いながら、主人公の悲しみに気持ちを向けるようにして演技しました。

Q: このストーリーが韓国でも日本でも愛されるのはどうしてだと思いますか。
チャ: 『猟奇的な彼女』を撮ったときも思ったのですが、愛がテーマの映画はどの国に行っても通じるものがあるのではないかと思います。どの国の人も人間なら愛する気持ちは変わらないので、皆さん共感してくれるのだと思います。もうひとつ、どの国の人にも初恋という思い出があると思いますので、その点も共感を覚えてくれるのだと思います。
ソン: 韓国版・日本版問わず美しく叙情的な物語ですから、日常生活でストレスを受けていたり普段頭が痛いようなことに囲まれて生活をしている人々が、この映画を見たら、また見ている間だけでも心が浄化されるようなそういう気持ちになれるのではないかと思います。その点がこの映画が愛されている理由だと思います。

Q: 映画を終わっての感想は?
チャ: 本当に多くの方に愛情を注いでいただき、ありがたく思っています。そしてこの作品に多くの関心を持ってくださり、心から感謝しています。昨日空港に沢山の方が来てくださり、元気が出ました。この機会を通して日本の方に多くの感動を残せたら嬉しいです。私たちは本当に楽しく撮影した、そういう記憶しかありません。映画を見てくださる方も楽しく見ていただけたら嬉しいです。
ソン: 私にとっては初めての映画出演作ということになりますので、これからも私の中に沢山の記憶が残ってくれると思います。日本をはじめ、香港・中国・アジアの本当に多くの方に愛情を寄せていただき、感謝しております。関心を寄せていただいているからこのように私も日本や他の国へプロモーションのために行くことができるのだと思います。海外へプロモーションのために行けるということは本当に幸せなことだと思っています。まもなく日本でも公開されますので、多くの方に愛情を寄せていただきたいと思います。



 記者会見直後に行われたチャ・テヒョンのプチ・ファンミーティングには40分という短い時間であるにもかかわらず、200名の人が集まった。白いシャツにジーンズで登場したチャ・テヒョンだったが、このプチ・ファンミーティングでは、記者会見とは異なりリラックスした雰囲気だった。

 登場した直後には「フラッシュの嵐でびっくりしたのですが、写真の時間が終わって見てみたら、今回は記者の人が後ろまできてて、来るたびに人が増えてるな、と思いました」と言って皆を笑わせ、席に座るとファンの方々の「見えないー!」と言う声に、「ダイジョブ、ダイジョブ(日本語)。こっちからは皆見えるから」と答え、皆を安心させたりしていた。

 最近の趣味を聞かれ、結婚したばかりのチャ・テヒョンは「ゴミを出すことと洗濯物を干すこと」と答え、また日本版と韓国版との違いについて質問をされると、「韓国版では成人してからと高校生時代と両方私が一人でやっていますが、日本版は違う方々が演じてますよね? ですから韓国版のほうが出演料が安く押さえられたかなと(笑)。また日本の場合はオーストラリアに行くんですが、韓国版ではどこにも行かないので、撮影も早く終わることができました(笑)。日本の場合はメロドラマにしては少し長いので、長すぎると少し退屈かもしれませんが、私たちの方は非常に短く1時間45分くらいに収まって、シンプルで淡白であっさりとした出来になっていると思います(笑)。」とファンの前では彼らしいひょうきんな回答をし、最後まで楽しげな雰囲気で満ちていた。


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