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鰐 〜ワニ〜


題名
英題
 
ハングル
鰐 〜ワニ〜
Crocodile
Alligator
악어
製作年 1996
時間 102
99(日本版DVD)
製作 チョヨン・フィルム
監督 キム・ギドク
出演 チョ・ジェヒョン
ウ・ユンギョン
チョン・ムソン
アン・ジェフン
ソン・グムシク
日本版
Video
DVD
DVD
 ※ 「スーパー・ギドク・マンダラ キム・ギドク初期作品集BOX」に収録

 フランスで絵の勉強をしていたという珍しい経歴を持つキム・ギドク監督のデビュー作。社会の底辺で生きる人々を描く。低予算ながら、まるで絵画を見ているような、そういう「はっ」とするシーンが印象的な作品。

 漢江に架かる橋の下に住み、「ワニ」と呼ばれている浮浪者ヨンペ(チョ・ジェヒョン)。彼は、河の中に身を投げて自殺した人間の死体を隠し、遺族からお金を巻き上げるような人間だ。ある日、恋人の裏切りが原因で自殺しようとした女性ヒョンジャン(ウ・ユンギョン)を助けたヨンペは、彼女を自分の性欲を満足させるための道具にする。ヨンペと一緒に住んでいる浮浪少年エンボル(アン・ジェフン)とウ老人(チョン・ムソン)は彼女の面倒をみ、エンボルはヒョンジャンに母親のような愛情を感じる。ヒョンジャンで性欲を満たしていたヨンペだが、ある日死の危険にさらされたところを彼女に助けられ、それ以後、彼女に人間的に接するようになる。

 脚本と美術も監督のキム・ギドクが担当。

 第2回(1997)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門、1996年スウェーデン国際映画祭、第34回(2001)シッチェス国際映画祭「オリエント・エクスプレス」部門招待作品。

初版:1999/9/27
最新版:2001/9/19



投稿者:T.Uさん 投稿日:1999年9月27日(月)01時51分11秒

 ビデオのジャケットを見て、思わず借りてしまった作品。決して面白いという作品ではなかったが、見始めてすぐに、これはあの『悪い女 青い門』の監督ではないかと思った。社会の片隅でひっそりと生活する人々を主人公に据え、そんな卑俗な生の中にときおりはっとさせられるような美しいイメージが挿入されている、これはもしかして、と思ってスタッフロールのときに確かめたら、やっぱりキム・ギドクだった。

 何より印象的だったのは、何もかもを失った女の登場人物が、河に向かって歩んで行くシーン。わずか数秒の、ごくわずかな場面なのだが、ただの橋桁を支えるコンクリートの橋脚の連なりが、まるで古代の巨大な神殿を思わせるように撮られていて、思わず息を呑んでしまった。その中心部分に向かって歩みを進めて行く彼女の姿は、生に疲れて死んで行く卑小な人間を超えた、ある高貴なたたずまいを感じさせる。このシーンを見るためにこの映画はあったのだと、僕は思った。

【評価:★★★】


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