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女校怪談


題名
英題
原題
ハングル
女校怪談
Whispering Corridors
女高怪談
여고괴담
製作年 1998
時間 107
製作
製作投資
配給
シネ2000
シネマ・サービス
シネマ・サービス
監督 パク・キヒョン
出演 イ・ミヨン
キム・ギュリ
チェ・セヨン(→チェ・ガンヒ)
パク・チニ
ユン・ジヘ
パク・ユニ
パク・ヨンス
イ・ヨンニョ
キム・ユソク
イ・ウニョン
ユ・ヨンス
日本版
Video
DVD
字幕版Video

 短編映画『誇大妄想』(L.A.国際短編映画祭ベストベスト賞受賞作品)で好評を博したパク・キヒョン監督の長編デビュー作。とある女子高校で、「古狐」と呼ばれるパク先生(イ・ヨンニョ)と「狂犬」というあだ名のセクハラ教師オ先生(パク・ヨンス)が殺される。パク先生が殺される前に言い残した言葉は「死んだジンジュがここにいる」。ジンジュとは、9年前に教師から憎まれたあげく「いじめ」で命を失った女学生の名前。ジンジュ幽霊の正体は?

 単なるおばけ映画ではなく、学校における教師の暴力・セクハラ・いじめという社会問題を扱っている点が特色。ジンジュが誰なのかを推理する面白さもある。主役キム・ギュリ(ジオ役)の恐怖演技、そしてパク・チニ(ソヨン役)の新人らしくない演技力が高評価。また、『幸せは成績順じゃないでしょう』の女子高生役でデビューしたイ・ミヨンが、この映画では女性教師ホ・ウニョン役で登場。ミステリー事件を解決していく。

 脚本は監督のパク・キヒョン。撮影監督はソ・ジョンミン。撮影時には、「女子高校生の愛と友情を扱った映画で、題名は『アカシア』」と偽りの申告をして学校でのロケ許可を得たという逸話がある。

 1998年上半期最高の観客動員を達成(「1998年韓国映画興行成績」)。余りの反響の大きさに「シンドローム」現象と呼ばれ、ビデオでも『廃校怪談』,『学校怪談』,『学院怪談』,『女中(女子中学校)怪談』,『女大(女子大)怪談』など類似品が多数製作された。ただし、あまりに教師を悪者扱いしすぎると教員団体総連合会が上映禁止仮処分申請を準備。この映画の教師描写が是か非かの論争にまで発展。

 1999年には第2弾の『少女たちの遺言』が公開された。

 NEO KOREA 韓国新世代映画祭'99では『囁く廊下〜女校怪談〜』という題名で上映された。また、一般公開に先立って発売されたビデオの題名も『囁く廊下〜女校怪談〜』となっている。

 第17回(1998)バンクーバー国際映画祭、第3回(1998)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門、第2回(1998)富川国際ファンタスティック映画祭「ファンタスティク韓国映画特別展」部門、モントリオール・ファンタジア映画祭(1999)、エジンバラ映画祭(1999)、ロンドン汎アジアン映画祭(1999)、ストックホルム国際映画祭(1999)、サンフランシスコ・アジア−アメリカン映画祭、ウディネイ映画祭、パリの秋映画祭、第13回(2000)ヘルシンキ国際映画祭LOVE & ANARCHY部門、第21回(2001)Fantasporto国際映画祭公式コンペ部門招待、第7回(1999)春史映画芸術賞女子新しい顔演技賞(キム・ギュリ)、第22回(1999)黄金撮影賞新人演技賞(キム・ギュリ)、第36回(1999)大鐘賞助演女優賞(イ・ミヨン)受賞作品。

 SFオンラインの添野知生氏の評論はこちら

初版:1998/5
最新版:2001/2/25


【ソチョンの鑑賞ノート】

 第3回(1998)釜山国際映画祭にて英語字幕付きで鑑賞。上映後、監督、イ・ミヨン、キム・ギュリ、パク・チニ、ユン・ジヘを交えてのティーチ・インあり。


左からキム・ギュリ、イ・ミヨン、パク・キヒョン監督、パク・チニ、ユン・ジヘ

 期待を上回る出来で存分に楽しめました。1998年の釜山国際映画祭では10本の長編韓国映画と2本の短編映画を見たのですが、過労に睡眠不足が重なって爆睡の嵐。でも、この映画だけは1秒たりとも寝ませんでした。それくらい面白く引き付けられる内容だったということです。作品の出来が良いせいか英語字幕も頭にどんどん入ってくる。

 妙な紹介になりましたが、韓国モダン・ホラーの秀作として自信を持ってお勧めできる作品です。ただのお化け映画ではなくて人間の深層心理を巧みに付いた考えさせられる、そして味わい深い脚本。特撮は最小限に控え、巧みな編集と緻密に計算されたカメラワークで恐怖感を演出してます。微妙な光の陰影の使い方も見事。湯水のように資金を投入して人間が主役でなくなってしまった(技術が主役になってしまった)SFX映画をよく見掛けますが、私は低予算でもきちんとシナリオを構成し、人間の心理を丹念に分析した『女校怪談』のような映画のほうが好きです。それにしても映画のラストで、死んだはずのユン・ジヘが振り向くシーンには心底背筋が寒くなりました。イ・ミヨン先生とキム・ギュリの必死の説得で無事幽霊は成仏したのに。やはり「学校」を変えていくのは個人の力では無理なのでしょうか・・・ そして悲劇は繰り返される・・・

1998年11月7日執筆



投稿者:SUMさん 投稿日:1998年11月24日(火)09時40分26秒

 本当によく勉強しています。ある意味『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』で感じた驚きと同じものを感じました。これが「韓国SFX『KUMIHO/千年愛』以後」なんですね。私は『KUMIHO/千年愛』は世間の評とずいぶん食い違ってまるっきり評価していない作品の一つなんですけれども、それが単に「韓国初の本格派SFX」であったという以上の歴史的な結果を生んだということは認めなくてはならないと思います。

 90年代の日本のメジャーSFX映画史と比べるなら、日本より韓国の方が上、と言うことに迷いはありません。

 この映画、スティーヴン・キングの小説(映画、ではない)が怖いのと似ているところがありますね。起こりうる、共感できる体験から引っ張っていった話。起こっていること自体は荒唐無稽であっても、その出発点に共感を見いだせる、ある意味スリラーをさらに引っ張っていったところのホラー、ですね。人間がよく描かれていて、その人間の本質的な恐ろしさを描いた上に成り立ったホラーは、技術がなくても、それなりに怖いものです。女子高生をテーマにして映画として成功したとも言えるような気がします。キャラクターそれぞれの「心の葛藤」がちゃんとパズルになっている、荒唐無稽な話が最後には案外納得させる作りのラストでは本当に驚きました。 もちろん、映像センスも手堅く、狙いたい雰囲気を出す手段をよく分かって演出しています。
 娯楽作として、バランス感覚は優れているのではないでしょうか。技術は抜きん出ていてもちょっと技術倒れの感がないでもない『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』と比べても、いやぁこれが韓国映画の現在なんですねぇ。

【評価:★★★★】


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