イ先生: | ヨロブン、アンニョンハセヨ。
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ユ&ア: | アンニョンハセヨ。イソンセンニム!
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イ先生: | それでは、第7回目のハングル講座を始めましょう。前2回は詐欺師の活躍ぶりをみてきましたが、今回は主人公のヨンギとジョンヨンの夫婦喧嘩を取り上げます。
ヨンギは最後の望みを詐欺師に託し、ジョンヨンが経営するお店を担保に銀行から1千万ウォンを借ります。その後自宅に戻ったヨンギに対して、玄関先で待ち構えていたジョンヨンが写真立てを投げつけるシーンです。
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ユウキ: | ジョンヨン、かなり荒れていますな。なにも物まで投げなくてもいいと思うけど。
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アイカ: | あら、ヨンギのした事を考えたら当然よ。
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ユウキ: | そうかなぁ。
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アイカ: | そうよ!
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イ先生: | お二人まで喧嘩する必要はないんですが・・・。
(1)「イゲ ジンチャ ミチョンナ!」の「イゲ」は、直訳すると「これが」という意味ですが、いきなりものを投げつける妻に向かってのことですから、「こいつ」となります。「ジンチャ」は「本当」で、他に「チョンマル」も同じ意味です。「ミチョンナ」は動詞「ミチダ(気が狂う)」の疑問などを表していて、「気が狂ったのか!」となります。
次のジョンヨンの(2)「ノ」は、「お前、あんた」の意味です。この後も、ジョンヨンのセリフの冒頭は必ずといって良いほど「ノ」で始まります。妻が夫を「ノ」と呼捨てにすることはあまりありません。また、同年齢か年下でない限り、例え喧嘩の最中でもあまりこのように呼捨てにしたりはしません。ジョンヨンとヨンギは同い年ですが、いちいち「ノ」と呼ばれることに少なからずヨンギも面白くないはずです。
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ユウキ: | 僕だって「お前」とか「あんた」って呼ばれたら腹立つもの。
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アイカ: | 逆に言えば、喧嘩には効果てき面ということね。(笑)
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イ先生: | (3)「ムォル?」は「ムオッスル」が省略された形で、「何を」の意味です。通常は「ムオッ シムニカ?」と言えば「何ですか?」になります。
ヨンギの「トン ピルヨヘソ デチュル バンヌンデ チョン ソッソ(お金が入用で ローンの担保にちょっと借りただけさ)」の言葉に、ジョンヨンの怒りが頂点に達します。(4)「ノ クゲ オットン ゴンデ!」は、「それがどんなものがわかっているの!」という意味ですが、全く同じ言葉を普段の会話の中で語尾を上げて言うと「オットン ゴンデ?(どういうものなの)」という疑問形として使えます。
次のヨンギの(5)「アイグ」は、非常によく出てくる驚きや悔しさを表す感嘆詞です。「アイゴ」の形で辞書に載っています。
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ユウキ: | アイゴ〜、アイグ〜、・・・アイカ〜!
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アイカ: | やると思ったわ。
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ユウキ: | へへ。
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イ先生: | (6)「ヤ」は、「おい、ちょっと」などの呼びかけの言葉です。ぞんざいな言い方ですので、目上の人には使わないよう気をつけましょう。
(7)「アン テモゴ」の「アン」は否定を表し、「テモゴ(とって食べる)」と一つになって「とって食ったりはしない」、転じて「返さないつもりじゃない」という意味になっています。
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ユウキ: | 日本語の使い方とそっくりだ。
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アイカ: | ホントだわ。
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イ先生: | (8)の「クゴ ミョッ プン デジド アントラ」。「プン」という昔の貨幣単位を用いて「いくらにもならない」という意味をあらわしています。
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ユウキ: | これまた日本語と似ているなあ。
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アイカ: | 「一文にもならない」という言い方するものね。
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ユウキ: | 漢字の読みだけではなく、言葉の使い方も似ているものが結構あるんだ。
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イ先生: | そうなんです。まだまだたくさんありますから、探してみてくださいね。
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ユ&ア: | はーい。
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イ先生: | 言葉だけをみるとこの夫婦の喧嘩は結構凄まじいものがありますね。それにしても妻の優勢は女性からみると気持ちがいいものです。
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アイカ: | 同感〜。
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ユウキ: | 立ち上がれ、世の男性諸君!!
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