賞品:パーフェクトスリム3ヶ月分+スキンケアセット+高級手あみ糸+高級棒針セット
● 貰った方:母
母は朝から晩まで働きづめに働いていた。ゆったりと編み物をする母の姿を見た事はなかった。しかし幼い頃の私と姉の思い出には母の手あみの物があった。その中でも一番は、姉が学校に座布団を持って行きたいと言った時の事。翌日、私と姉、色違いの鉤針編みの座布団カバーが2つ並んでいた。母は深夜仕事を終えてから一晩でそれを編み上げたのだ。子供心に私も姉も凄いと思った。今でも鮮明に覚えている。私も母の様な母になりたい。
<審査員コメント>
子の願いを満たしてあげようという母の気持ち、それに心からの敬愛を抱く子どもたち・・・。手あみがとりなす母子の絆に胸が熱くなります。
広瀬 光治(ニットデザイナー)
幼き日に体験した、働く母の夜なべ仕事。母に教えられた精いっぱいの優しさは、いつの日か次の世代に受け継がれることでしょう。
中村 陽介(竹書房編集長)
● 贈った方:母
病気で手が変形していた母。手袋を着け難いというので大きめに作った『ボッコ手袋』。大きくて暖かいと喜んでいたのに、殆ど身に着けた後がない。使ってもらうために作ったのに「もったいない」とずっと箪笥の引き出しの中に入ったままになっていた。もう二度と身に着けてはもらえない・・・今年3月母は永遠の眠りにつきました。
<審査員コメント>
世界にひとつしかない特別な手袋に対する、特別な思い・・・。今では忘れ去られた、「物を心から大事にする」世代の気持ちにも打たれます。
広瀬 光治(ニットデザイナー)
"もったいない"の一言に、母娘双方の様々な思いが込められており、切なくも暖かさが良く出た作品です。暖かそうな手袋だけに着けて欲しかったですね。
中村 陽介(竹書房編集長)