映画『ラスト・プレゼント』は、手あみセーターを贈るシーンを始め、二人の愛の贈り物が、観る人の心も暖かくします。そこで、"今までに一番心に残る手あみの作品を、贈った方/貰った方/これから贈りたい方"を書いていただき、作品の写真(または絵)、それにまつわる200字エッセイを募集いたしました。日本全国から多数のご応募をいただき、ありがとうございました。厳正なる審査の結果、下記の方々への賞を決定いたしました。


賞品:発芽米1年分+高輪プリンスホテル・1泊ペアご招待+高級手あみ糸+高級棒針セット


 

● 贈った方:娘達
 「どんぐり姉妹」我が家の二人の娘達は、最近そう呼ばれている。私が初めて二人に編んだ、お揃いの帽子とベストの為だ。編み物好きの私は、長女には手あみの服を何着も編んだ。けれど、お下がりの沢山ある次女に新しく編んだのはこれが初めて。新しい帽子、しかも大好きなお姉ちゃんと一緒。次女の喜ぶ様に家中が笑顔になった。仲良し二人の子供時代を彩る手あみのプレゼント。でも一番の贈り物を貰ったのは、きっと編んだ私だ。

<審査員コメント>
 手あみをする喜び、贈る喜び、貰う喜び・・・。編み物にかかわることから生まれる喜びがいっぱいで、嬉しくなります。

広瀬 光治(ニットデザイナー)

 ひとりでもいとおしいのに、姉妹となれば格別です。手をつないだような丸くかわいい相似形に、お母さんの幸せがあふれています。

中村 陽介(竹書房編集長)


賞品:パーフェクトスリム3ヶ月分+スキンケアセット+高級手あみ糸+高級棒針セット



● 貰った方:母
 母は朝から晩まで働きづめに働いていた。ゆったりと編み物をする母の姿を見た事はなかった。しかし幼い頃の私と姉の思い出には母の手あみの物があった。その中でも一番は、姉が学校に座布団を持って行きたいと言った時の事。翌日、私と姉、色違いの鉤針編みの座布団カバーが2つ並んでいた。母は深夜仕事を終えてから一晩でそれを編み上げたのだ。子供心に私も姉も凄いと思った。今でも鮮明に覚えている。私も母の様な母になりたい。

<審査員コメント>
 子の願いを満たしてあげようという母の気持ち、それに心からの敬愛を抱く子どもたち・・・。手あみがとりなす母子の絆に胸が熱くなります。

広瀬 光治(ニットデザイナー)

 幼き日に体験した、働く母の夜なべ仕事。母に教えられた精いっぱいの優しさは、いつの日か次の世代に受け継がれることでしょう。

中村 陽介(竹書房編集長)




● 贈った方:母
 病気で手が変形していた母。手袋を着け難いというので大きめに作った『ボッコ手袋』。大きくて暖かいと喜んでいたのに、殆ど身に着けた後がない。使ってもらうために作ったのに「もったいない」とずっと箪笥の引き出しの中に入ったままになっていた。もう二度と身に着けてはもらえない・・・今年3月母は永遠の眠りにつきました。

<審査員コメント>
 世界にひとつしかない特別な手袋に対する、特別な思い・・・。今では忘れ去られた、「物を心から大事にする」世代の気持ちにも打たれます。

広瀬 光治(ニットデザイナー)

 "もったいない"の一言に、母娘双方の様々な思いが込められており、切なくも暖かさが良く出た作品です。暖かそうな手袋だけに着けて欲しかったですね。

中村 陽介(竹書房編集長)

※ その他の賞は、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。

主催:「手あみの贈り物と200字エッセイ」コンテスト実行委員会
後援:文部科学省認可 社団法人 日本編物文化協会
協賛:文部科学省認可 (財)日本手芸普及協会/(株)日本ヴォーグ社/(株)ファンケル/(株)エク・トリー/オリムパス製絲(株)/クロバー(株)/ダイヤ毛糸(株)/内藤商事(株)/(株)ニッケビクター/ハマナカ(株)/(株)パピー/(株)ベルクリエイト/(株)元廣/横田(株)/(株)PTSパシフィック ツアー システムズ(敬称略/順不同)

コンテストに関するお問い合わせ先:
(社)日本編物文化協会 03(5261)5088