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2000年韓国映画興行成績


概要

 2000年の韓国映画興行成績です。ソウルのロードショー館を基準としており(注1)、データの出所は『2001年度版 韓国映画年鑑』(映画振興委員会編,集文堂,2001年)です。
 なお、1999年末に公開された『ハッピーエンド』,『蜂の飛行』,『少女たちの遺言』の三作品は2000年にも上映が継続されましたので、1999年中の動員数も含んだ最終動員数を記しています。従いまして「2000年に封切りされた韓国映画」のランキングを見る場合は、これら三作品を除外してください。また、2000年公開作品のうち『JSA』,『リベラ・メ』,『不朽の名作』,『ジャカルタ −現金争奪戦−』,『テハンノで売春していてバラバラ殺人にあった女子高生、まだテハンノにいる』は2001年にも上映が継続されています。

(注1)日本で韓国映画の記事が出る際は全国の数字が使われることが多いですが、韓国では全国直接配給を行っていないため地方の興行成績はあまりあてになりません。ですので韓国では一般に「ソウルのロードショー館の観客数」が信頼できる興行成績として使用されます。

● 概況

 1999年に公開された韓国映画は42作品でしたが、2000年には58本と16作品増加。ソウルでの観客動員数を元にした韓国映画の市場占有率(注2)は32.0%。『シュリ』が公開され「韓国映画ルネッサンス」という言葉が使われ始めた1999年の市場占有率は35.8%で、外国映画の輸入自由化が始まった1985年以降最高の数字でしたが、2000年はその数字には及びませんでした。しかし、ハリウッド映画に席巻されている現在の世界の映画界において、自国映画の市場占有率が2年続けて30%を越えたという事実は立派の一言。また、韓国映画の海外への輸出額は、7,053,745ドルで前年の5,969,219ドルから18%以上の伸びを示しました。ただし、その内容を見てみると日本への輸出が5,279,395ドルと圧倒的シェアを占めており、日本での韓国映画買い付けブームが韓国映画の輸出を支えている構造が見て取れます。特に2000年には『JSA』が200万ドルで日本に売られるなど、韓国映画の対日輸出時の価格の高騰が目立ちました。韓国での映画人口は、観客動員数が大きく伸びた2000年においても6,000万人台とそれ程大きくはないため、韓国映画の外国への輸出は、製作費の高騰(後述の【大作系の映画】を参照)をカバーする一つの有効な方法となりえます。従って、日本での韓国映画ブームは、本国韓国での映画産業の興隆を支える小さくない一つの要因と言えるでしょう。韓国本国での映画産業ブームと日本での韓国映画ブームは「車の両輪」とまで言うと言い過ぎですが、自転車の二つのタイヤとそれを支える補助輪くらいの役割は既に果たしています。

(注2)韓国映画の市場占有率とは、[韓国映画の観客動員数]を[全体の観客動員数]で割ったもの。ちなみに、韓国でのその他の国の映画の市場占有率はハリウッド・メジャーが直接配給している作品:36.2%、それ以外のアメリカ映画:18.8%、日本映画:7.4%、中国・香港映画:3.4%、ヨーロッパ映画:1.2%、その他1.0%。

● JSA

 2000年の話題はなんといっても『JSA』の大ヒット。9月の公開から爆発的な観客動員を記録して、2001年1月にはついに『シュリ』がそれまで持っていた韓国の歴代最高興行記録(ソウル 2,448,399人)を抜き去りました(このページの数字は2000年12月31日までのものなので、まだ『シュリ』の記録を抜いていない)。日本公開も決まっているこの作品、次は日本で『シュリ』以上のヒットとなるかどうかが注目されます。この作品が日本でも大ヒットするようなら、韓国映画の日本映画界におけるポジションは更に大きなものとなるでしょう。

● 大作系の映画

 2000年は、『シュリ』の影響で増えた予算投入型の大作映画が数多く封切られた年でもありました。一昔前なら製作費20億ウォンといえば立派な大作映画でしたが、2000年になると30億、40億の作品も珍しくなくなりました。この年公開された大作系の映画には『JSA』,『アウトライブ −飛天舞−』,『燃ゆる月』,『リベラ・メ』,『アナーキスト』,『サイレン』などがあります。そのうち、興行的に明らかな失敗作だったのは『サイレン』のみ。それ以外の作品は、期待したほどの成績はあげられなかった作品もありますが、いずれも興行成績ベスト15にランクインしており、損はしない程度の成果はあげています。
 2000年の特徴の一つに、シネコン建設ラッシュによるスクリーン数の増大が上げられます。大作系映画にとって、公開館数の確保は死活問題。『シュリ』の頃はソウルで20スクリーン台の公開であれば大規模な公開でしたが、2000年11月11日に同日公開された『燃ゆる月』と『リベラ・メ』は、各々ソウル56スクリーン、37スクリーンによる公開。ソウル地域のスクリーン数は1999年の163スクリーンから、2000年には218スクリーンと、52スクリーンも増加しましたが(注3)、シネコンを中心とするスクリーン数の増大が、大作映画の興行を支えている構造が見て取れます。2001年にはSF系の韓国大作映画が続々と企画・封切りされますが、この「大きく投資して、大きく公開し、大きく儲ける」ハリウッド型予算投入方式が、今後もうまく機能しつづけるか否かが注目されます。

(注3)1999年の韓国の全国スクリーン数は588で、2000年は720に増加。

● 小作品

 規模は大きくないもののしっかりとした内容で観客の支持を得た作品もいくつかあります。ソウルで25万人以上を動員した『反則王』,『リメンバー・ミー』,『LIES/嘘』,『ペパーミント・キャンディー』などがそれ。『反則王』はコメディ、『リメンバー・ミー』は恋愛ドラマ、『ペパーミント・キャンディー』は社会派人間ドラマですが、いずれも製作費は小規模ながら、しっかりとしたストーリーと監督の確かな演出、そして俳優の印象的な演技が、観客を魅了しました。特に『ペパーミント・キャンディー』の場合、公開当初は上映館数が少なかったものの、作品性を認めた観客が自主的に「1人で2回見よう」運動や「友達に勧めよう」運動を展開し、ロング・ラン&ヒットに繋がったというのは特筆に価します。『LIES/嘘』は公開前からのレイティング審査による公開中止騒動で散々話題を振り撒きましたので、日本の『バトル・ロワイヤル』と同じく、内容云々よりマスコミを巻き込んで社会的注目度を集めるその宣伝手腕を(それが意図したものであろうと、なかろうと)誉めるべきでしょうか?

● 問題点

 現在の韓国映画界は予算投入型の企画映画と、ドラマ性の強い小品に二極分化しつつあります。また、1999年は『シュリ』が、2000年には『JSA』が記録的な大ヒットとなる一方で、これらの作品がヒットしている最中は完全な一本かぶりになってしまい、他の作品が興行的に総崩れになるという現象が生じました。現在の韓国の映画人口を考えると、どうやら一本当たりの動員数の上限は200万人前後のようです。2001年にも大作系の映画が何本か控えていますが、これらの作品が大ヒットする陰で、良質な作品が淘汰されてしまうのなら、それはちょっと困ったものです。また、大ヒット作品がある一方で、ソウルで1万人を動員することすら出来なかった作品が、60作品中22作品と3分の1以上もあるのは問題。これは製作側というより観客側(もしくは宣伝)の問題ですが、200万人動員の歴史的ヒット作を1本生み出すより、50万人クラスの作品を2本と30万人クラスの作品を3本生み出すほうが、作品間の利益分配という観点からは今の韓国映画界にとって好ましいことのように思えます。現在の韓国映画界では「新人監督の使い捨て(注4)」がまかり通っていますが、作家が次の作品を再生産できるように、10万〜30万人動員クラスのヒット作の数がもっと増える事を望みます。平たく言えば「韓国の観客よ、もっと色々な映画をたくさん見なさい!」ということです。

(注4)プロデューサー主導の現在の韓国映画界では、新人監督のデビューラッシュが続く中、一本撮ってヒットすれば次回作のチャンスを与えられるが、駄目ならお払い箱という悪弊が見られる。ただし、そういった激烈な競争が作品のクオリティを高めている、とプラスに捉える考え方もあり得る。

● 参考:韓国映画市場における日本映画

 2000年に韓国で封切りされた日本映画は26本。だいたい2週間に1本の割合で公開されている計算になります。これは本数では中国・香港映画(33本)、ヨーロッパ映画(36本)とほぼ同等。ただし、平均的な観客動員数では日本映画(1本当たり8.0万人)は、中国・香港映画(同2.8万人)やヨーロッパ映画(同1.0万人)を大きく上回っていますので、観客動員の市場占有率で見た場合、日本映画は、アメリカ映画、韓国映画に続いて3番目のポジションを占めています。2000年に韓国でヒット(ソウルで20万人以上を動員)したのは、『踊る大捜査線 THE MOVIE』,『Shall We ダンス?』,『SF サムライ・フィクション』,『鉄道員<ぽっぽや>』の四本。成功とみなしてよい成績(ソウルで10万人以上動員)をあげた作品には、『愛のコリーダ』,『四月物語』,『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』,『リング2』,『ラヂオの時間』などがあります。また、劇場公開作品以外にも、2000年には北野武特集が、2001年1月には小津安二郎回顧上映や塚本晋也特集が催されています。
 少々気になるのは、2000年6月27日に日本映画解禁第三弾が発表され、18禁映画を除く全ての日本映画(但しアニメは国際映画祭での受賞作に限る)が韓国で公開可能になって以降、日本映画の韓国での動員数が漸減しているように感じること。今まで見られなかったものが極々普通に見られるようになると感心が薄れ始めるであろう事は容易に想像がつきますが、その意味では、韓国における日本映画の正念場はこれからと言えます。

● 解説:ガンドレスとプルガサリ

 『ガンドレス』は事実上のジャパニメーションですが、韓国の東亜輸出公司が出資しているため日韓合作アニメ扱いになり、日本アニメの解禁前に韓国で公開されました。また、北朝鮮映画の『プルガサリ』も、歴史的な南北首脳会談を受けて北朝鮮映画としては初めて劇場で正式に公開されました。この映画の公開前には「北朝鮮映画を韓国映画として認めるか否か?」という議論が巻き起こりましたが、ひとまず「北朝鮮映画は韓国映画と見なす、従って映像物等級委員会の外国映画輸入推薦審議を受ける必要はない。しかし、スクリーン・クォーター制の適応に関しては北朝鮮映画は外国映画と見なす」という折衷案となりました。

初版:2001/1/23
最新版:2001/12/8(数値を確定値に変更)



2000年韓国映画興行成績(ソウルのロードショー館基準)
順位 題名/下段は原題 監督 動員数
1 JSA
共同警備区域 JSA
パク・チャヌク 2,447,133
2 反則王 キム・ジウン 787,423
3 アウトライブ −飛天舞−
飛天舞
キム・ヨンジュン 717,659
4 燃ゆる月
タン・ジョク・ピ・ヨン・ス 銀杏の木の寝台2
パク・チェヒョン 616,349
5 ハッピーエンド (前年より継続上映) チョン・ジウ 546,071
6 リベラ・メ ヤン・ユノ 530,768
7 リメンバー・ミー
同感
キム・ジョングォン 346,279
8 友引忌 −ともびき−
悪夢
アン・ビョンギ 334,364
9 LIES/嘘
チャン・ソヌ 303,681
10 ペパーミント・キャンディー
ハッカ飴
イ・チャンドン 290,352
11 イルマーレ
時越愛
イ・ヒョンスン 248,597
12 アナーキスト ユ・ヨンシク 236,990
13 寵愛
美人
ヨ・ギュンドン 197,015
14 Interview
インタビュー
ピョン・ヒョク 157,431
15 少女たちの遺言 (前年より継続上映)
女高怪談 二番目の物語
ミン・ギュドン
キム・テヨン
148,151
16 なせば成る パク・テヨン 126,368
17 幸福な葬儀屋 チャン・ムニル 111,837
18 春香伝
春香傳
イム・グォンテク 110,358
19 不朽の名作 シム・グァンジン 104,217
20 キリマンジャロ オ・スンウク 95,541
21 秘花 〜スジョンの愛〜
オー! スジョン
ホン・サンス 90,257
22 プライベートレッスン 青い体験
青春
クァク・チギュン 89,604
23 海辺へ行く キム・インス 84,227
24 サイレン イ・ジュヨプ 62,135
25 ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜
死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか
リュ・スンワン 60,978
26 ほえる犬は噛まない
フランダースの犬
ポン・ジュノ 57,469
27 純愛譜−じゅんあいふ−
純愛譜
イ・ジェヨン 46,148
28 ジャカルタ −現金争奪戦−
ジャカルタ
チョン・チョシン 43,253
29 チュ・ノミョンのベーカリー パク・ホンス 42,620
30 身魂旅行 ナ・ホンギュン 36,218
31 魚と寝る女
キム・ギドク 32,137
32 REC【レック】
撮られたら死ぬ
キム・ギフン 30,130
33 ハーピー ラ・ホボム 26,591
34 平和の時代 ローレンス李 23,824
35 秘密 パク・キヒョン 22,168
36 魚座 キム・ヒョンテ 15,674
37 ゴースト・タクシー
恐怖タクシー
ホ・スンジュン 14,651
38 イフ ハン・ドッチョン 13,591
39 総合病院 The Movie 千日間 チェ・ユンソク 8,881
40 ガンドレス 谷田部勝義 7,128
41 散策 イ・ジョングク 7,077
42 真実ゲーム キム・ギヨン 6,993
43 愛人 もうひとりのわたし
バニシング・ツイン
ユン・テヨン 6,019
44 カット・ランズ・ディープ イ・ジェハン 5,831
45 学校伝説 キム・ヒョンミョン 3,503
46 ペ・チャンホ 2,632
47 チョ・ミョンファ 2,513
48 リアル・フィクション
実際状況
キム・ギドク 2,285
49 蜂の飛行 (前年より継続上映)
蜂が飛ぶ
ミン・ビョンフン
ジャムシェド・ウスモノフ
1,970
50 キム・グッキョン 1,635
51 ポンジャ パク・チョルス 949
52 ストライカー イム・ソン 938
53 絵日記 コ・ヨンナム 765
54 黒牛 アン・スンホ 692
55 やくざ修業3 チョ・ソング 519
56 テハンノで売春していてバラバラ殺人にあった女子高生、まだテハンノにいる
大学路で売春していてバラバラ殺人にあった女子高校生、まだ大学路にいる
ナム・ギウン 496
57 アーティスト(執着) ソル・チュヌァン 317
58 沈香 キム・スヨン 197
59 やくざの法則 チョ・ミョンファ 114
60 恐怖特攻隊 キム・ジョンシク 100
  息づかい ビョン・ヨンジュ  
北朝鮮 プルガサリ チョン・ゴンジョ 283


【参考資料】

 2000年に韓国で封切られた外国映画は272作品。外国映画の興行成績トップは『グラディエーター』(1,239,955人)、第2位は『M:I-2』(1,230,633人)、第3位は『ダイナソー』(654,446人)、第4位は『パーフェクトストーム』(592,768人)、第5位は『チャーリーズ・エンジェル』(489,979人)。

2000年に公開された日本映画の興行成績
公開日 題名 動員数
1999年11月20日 Love Letter (前年より継続上映) 645,615
2000年1月8日 ソナチネ 10,590
2000年2月4日 鉄道員<ぽっぽや> 219,327
2000年2月19日 SF サムライ・フィクション 224,256
2000年2月19日 絵の中のぼくの村 4,036
2000年2月26日 ガンドレス 7,128
2000年4月1日 愛のコリーダ 141,115
2000年4月1日 駅 STATION 1,494
2000年4月8日 四月物語 161,423
2000年4月22日 双生児 28,564
2000年5月13日 Shall We ダンス? 300,169
2000年6月10日 犬、走る DOG RACE 2,321
2000年7月22日 踊る大捜査線 THE MOVIE 300,767
2000年7月29日 リング2 128,521
2000年8月12日 ゴジラ2000 ミレニアム 4,180
2000年9月28日 キッズ・リターン 5,261
2000年9月30日 獣兵衛忍風帖 11,536
2000年10月6日 ポストマン・ブルース 21,885
2000年10月14日 シコふんじゃった。 56,351
2000年10月21日 愛の亡霊 1,675
2000年11月11日 らせん 4,247
2000年11月24日 ホワイトアウト 56,986
2000年12月1日 人狼 33,239
2000年12月2日 ラヂオの時間 114,430
2000年12月2日 SHADY GROVE 206
2000年12月23日 ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 131,492
2000年12月30日 風の谷のナウシカ 10,354


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