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大阪アジアン映画祭2011リポート
『アンニョン! 君の名は』ティーチイン

Reported by 加藤知恵
2011/6/13


 ほぼ全編韓国を舞台にした、タイで昨年夏ナンバーワンヒットのラブ・コメディ。韓流の甘い世界に夢中な女と、恋愛に傷つき頑なになった傷心の男。見知らぬタイ人の男女が旅先の韓国で偶然出会い、珍道中を繰り広げながら次第に恋に落ちていくという話。

 何より主演二人の天真爛漫なキャラクターと、息の合った掛け合いが小気味よい。軽快な挿入歌や、ポップでカラフルな衣装・小物など、タイ人ならではのスタイリッシュなセンスも魅力的だ。また、「冬のソナタ」や「宮廷女官チャングムの誓い」、「コーヒープリンス1号店」など、日本でもお馴染みの韓国ドラマに関するネタが、随所に散りばめられているのも楽しい。特にペ・ヨンジュンのそっくりさんが登場する場面では、会場でも大爆笑が起きていた。

 この作品が上映されたのは東日本大震災の翌日。それにもかかわらず客席は満席。会場は終始笑いに包まれており、震災のニュースで暗く沈んだ人々の心に、ぱっと明かりが灯されたかのようだった。


『アンニョン! 君の名は』

『アンニョン! 君の名は』ティーチイン

2011年3月12日
ABCホール
ゲスト:バンジョン・ピサンタナクーン(監督)、チャンタウィット・タナセーウィー(男優)

── [司会]場内が本当に笑いでいっぱいだったんですが、監督のバンジョンさんからお客様に一言お願いします。

[監督]笑い声が聞こえてとても嬉しかったですし、感動しているような声も聞こえたような気がします。やはり言葉と文化の違いもあるので、タイ人と同じように100%理解していただけるとは思っていなかったのですが、これだけの笑い声が起こって本当に嬉しいです。やはりペ・ヨンジュンさんは日本でも有名なんだな、ということがよく分かりました(笑)。

── [司会]この映画の脚本と主演を担当されているのがチャンタウィット・タナセーウィー(ドゥ)さんですが、この役にはご自身の地、個性もかなり含まれているんですか。

[タナセーウィー]かなり自分が入っています。ただ脚本を書くときに、それがプレッシャーにもなりました。演技が下手くそだと罵られるのではないかと思ったので(笑)。


バンジョン・ピサンタナクーン(左)、チャンタウィット・タナセーウィー

── [質問1]とても面白かったです。質問は、なぜ韓国を舞台にしようと思ったのかということと、韓国で撮る際にフィルムコミッションの支援を得ていると思いますが、もともと韓国観光公社のようなところとタイアップや協力があったのでしょうか。

[監督]まずこの映画を撮ろうと思ったきっかけは、一冊のガイドブックでした。タイ人が書いた『韓国の二つの影』というガイドブックです。タイ人の二人が韓国に行って出会うという内容の本です。主人公がロマンティックな雰囲気やメロドラマなどを理解しない性格なのですが、そんな彼が韓国に実際に遊びに行って、自分の人生が実はドラマよりももっとドラマティックだったらどう思うだろう?と考えたのが作るきっかけでした。撮影の前は、韓国からこんなに支援してもらえるとは思っていませんでした。ただコーディネーターが韓国観光公社と韓国政府にコネクションがありまして、その人に色々とコーディネートしてもらいました。また各地方の観光支援課などにも協力してもらい、物事が全て上手く進みました。

── [質問2](タイ語で)私はタイ人なのですが、実はこの映画を既に3回見ましたが、また見に来てしまいました。主演のドゥさんにお聞きしたいのですが、ヒロインのヌーナーさん(ヌンティダー・ソーポン)と化学反応のようにぴったり合っていたと思いますが、もともと知り合いだったんですか。それとも演技をする前にお互い知り合う時間をかなり長く取ったのでしょうか。

[タナセーウィー]撮影に入る前は個人的には全く知りませんでした。ただ演技のワークショップがありまして、脚本の読み合わせやリハーサルを通して、それなりに親しくなりました。

── [司会]今は恋人になったとかはないんですか?(笑)

[タナセーウィー]皆そう期待しているようですが、ありえないと思います(笑)。

── [質問3]前半は笑って、後半は胸にジーンとくる作品で、もう一度見たいと思っているのが本音です。日本でもヒットすると思いますし、特に主演のお二方は日本でもかなり人気が出ると思います。今パンフレットを見ていて、主演の方は日本の蒼井そらさんと共演したと書いてありますが、監督自身は今後日本で撮影をしたいという希望があるのか、またお二方は日本の女優さんで一緒に仕事をしたい方がいらっしゃれば名前をあげていただきたいです。

[監督]映画を撮る時は最初に場所は決めず、作りたい作品の内容を決めて、それに合った場所を後から選びます。この作品もまずは作りたい話があって、韓国が一番ふさわしい場所だと思ったので選びました。個人的には日本が大好きなので、日本に合うようなプロットを思いついたらぜひ撮ってみたいと思います。一緒に仕事をしてみたい女優さんは、『フラガール』の蒼井優さんです。

[タナセーウィー]共演したい女優さんですが、かなり昔から深田恭子さんが大好きで、一生に一度くらい共演できたら嬉しいです(笑)。

── [質問4](タイ語で)タコを生きたまま食べるシーンを撮影した時の気持ちを教えて下さい。

[タナセーウィー]ひどいなと思いました。ただ脚本を書いていた時は、このシーン面白いなあとノリノリで書いていたのですが、自分が演じると思っていなかったんですよね。実際にやってみて、映画の中で唇が腫れていますが、本当に腫れていたんです。もう二度とやりたくはないです。

── [司会]撮影の時に食べたのは一匹じゃないですよね?

[タナセーウィー](指で)三匹。

── [質問5]すごく楽しい映画で、先ほどの方の言うように前半は大笑いして、後半は涙を流しながら見させていただきました。雪のシーンも恐らく初めての経験だったのではないかと思うのですが、その撮影で何か大変だったことなどがあれば、女優さんの話も含めて教えていただきたいのですが。

[タナセーウィー]確かに雪のシーンは大変だったんですね。というのは、到着したその日に撮ったので、色々と調整が必要でした。ただ初めて韓国に行って雪を見たので、実際にとてもロマンティックな気持ちになりました。ですので気持ちの面では難しくはなかったです。

── [司会]でもTシャツで、街では寒かったでしょう?

[タナセーウィー]すごく寒かったです。セリフを話すときに唇も動かないし、舌もかじかんで動かないので、噛んでしまって大変でした。

── [質問6]私はあまりタイ映画は見たことがなくて、現代映画を見たのはこれが2本目くらいだったので、すごく驚きました。特に主演の女優さんがあまりタイ人らしくないという感じがして、日本の女優の南野陽子さんという方にすごく似ていたのですが、監督にその女優さんに決めたポイントと、日本的な顔がタイでうけるのかどうか、お聞きしたいです。

[監督]彼女はヌーナーさんというのですが、非常に面白いタイプのヒロインです。髪型とか撮る角度を変えると、表情がくるくる変わるんですよね。実はメイクをする前はタイ式の美人だと言われていたのですが、メイクをしてみたらかなり変わりました。選んだ一番の決め手はやはり演技で、彼女のキャラクターがヒロインにぴったりだったところです。

── [司会]実はこの『アンニョン! 君の名は』というタイトルは、プログラミング・ディレクターをしている暉峻創三さんが付けたのですが、『君の名は』というのは日本の名作でもあります。また作品の流れからも付けられたと思うのですが、この日本のタイトルについてはどう思われますか。

[監督]映画のコンセプトを理解して下さった素敵なタイトルだと思います。韓国に関連する話というのも良く分かるタイトルですね。

── [司会]先ほどの質問ではないですが、ぜひまた大阪でも『おいでよ大阪』のような作品はいかがですかね。大阪の街を見られてどうでしたか。

[監督]すごく魅力的な街だと思いました。何か良いアイディアが浮かんだら、ぜひ撮ってみたいと思います。日本は大好きなので。

── [司会]タナセーウィーさんも大阪はどうでしたか。

[タナセーウィー]すごく綺麗な街だと思います。実は大阪に来るのは二回目なのですが、一回目は観光に夢中だったんです。二回目の今回は大阪の方たちとお話する機会があったのですが、すごく楽しくてユーモアもあるし、すごく居心地の良い所だなと思いました。

── [司会]タコの話も出ましたが、大阪はたこ焼きが有名なんですよね。でももうタコは食べたくないですか。

[タナセーウィー]生きてなければ食べたいです(笑)。

── [司会]では是非たこ焼きを食べて帰って下さいね、名物ですから。ということで、時間になりましたので、これでQ&A;を終わりたいと思います。ゲストの皆さんにもう一度拍手をお願い致します。

[監督]たくさん来て下さってありがとう。


大阪アジアン映画祭 公式サイト http://www.oaff.jp/


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