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真!韓国映画祭 『今、このままがいい』プレミア上映
シン・ミナ舞台挨拶

Reported by Kaoru
2010/8/27


 2010年2月21日(日)、東京のスペースFS汐留にて、真!韓国映画祭上映作『今、このままがいい』のプレミア上映が行われ、主演女優のシン・ミナさんが来日されました。舞台挨拶とQ&Aの模様をお届けします。

この記事には、一部、本編の核心に触れる内容が含まれています。作品をまだご覧になっていない方はご注意ください。

2010年2月21日
スペースFS汐留
ゲスト:シン・ミナ、木全純治、李銀景
司会:田代親世
通訳:尹春江
写真撮影:宮田浩史

初回舞台挨拶

── 韓国映画界に新しい風が吹いています。これまでとは違った作風の作品がたくさん生まれているのですが、そんな珠玉の作品たちを1本でも多く観客の皆さまにご覧いただくために開催されるのが、「真!韓国映画祭」です。まず、「真!韓国映画祭」のプロデューサーの方々をご紹介したいと思います。そして、その後で本日のスペシャルゲスト、『今、このままがいい』の主演女優、韓国からわざわざ駆けつけてくださったシン・ミナさんをお呼びしたいと思います。では、まずプロデューサーの方々です。「真!韓国映画祭」のプロデューサー、シネマスコーレ支配人、木全純治さんです。続きまして韓国の映画配給会社キノアイジャパン代表、李銀景(イ・ウンギョン)さんです。それではまずお二人からご挨拶をお願いします。

[木全]本日はご来場いただきまして、誠にありがとうございます。「真!韓国映画祭」は第1回目ですので、「いったいどんな映画祭なんだ?」 そう思われると思います。どのようにして始まったか、さわりをちょっとお話ししたいと思います。一昨年の釜山国際映画祭で『今、このままがいい』を観まして、私はシネマスコーレという映画館の支配人でもあり、もう一つ「あいち国際女性映画祭」のディレクターもしております。そのために韓国とか香港とかの映画を観に行くのですが、この映画に出会って非常に衝撃を受けました。「あいち国際女性映画祭」で上映したいと思いましてそこでも選ばせていただいたのですが、これだけの映画があるならば、他にももっと韓国に良い作品があるのではないかと思い、キノアイの李銀景(イ・ウンギョン)さんにご相談させていただきました。ウンギョンさんから大量に送られてきた中から、選ばせていただいたのが他の3本になります。

[李]初めまして。李銀景(イ・ウンギョン)と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。キノアイという会社は韓国にありまして、今年からキノアイジャパンという日本支社を作りました。これから良い日本映画を韓国に紹介しつつ、韓国映画を日本に紹介していきたいと考えています。私たちが良い映画を選んでご覧いただくためには何よりも皆さんの支えが必要だと思いますので、これからも宜しくお願いいたします。この映画を観たらわかると思うのですが、韓流スターといわれる大スターは出ていないですよね。韓国で映画を作る者としては、こういう映画を日本で公開したくても買ってくれる会社がなくてちょっと大変なのですが、私が観てすばらしいなと思う映画は私たち韓国人だけではなくて隣の日本の皆さんにも観てほしいなという気持ちで、ある程度のエンターテインメント性は入っていると思うのですが、こういう大作ではない映画を公開してくださるパートナーはいないのかなと探しているときに木全さんに出会って、今回の映画祭を開催することになりました。韓国の映画界ではそんなに女性が活躍していないのですが、今回の映画祭では2本が女性監督の作品ですし、『飛べ、ペンギン』以外は監督のデビュー作品です。これからもすでに有名になった監督や役者だけではなく、新しい才能、新しい役者を発掘しつつ、皆さまにご紹介していきたいと思います。ありがとうございます。

[木全]今日は『今、このままがいい』を観ていただくのですが、『飛べ、ペンギン』をはじめ4本全部観ていただくと、今まで僕たちが韓国映画で観ていたスター、俳優、それからアクション、犯罪や暴力映画が多いと思うのですが、韓国の庶民、僕たちと同じような人たちがどのような考えをもっているのか、非常に共感をもって分かり、でもその中にハッキリと違いがあるのですが、お互いに理解し親近感がグッと深まる映画だなと思ってもらえると思います。非常に良い作品を揃えたつもりですので、ぜひとも4本映画館でご覧いただければと思います。

── ありがとうございました。それでは、シン・ミナさんをお呼びしたいと思います。映画『今、このままがいい』で姉と共に父親を探す旅にでる妹ミョンウンを演じました、シン・ミナさんです。

 こんにちは。シン・ミナです。宜しくお願いいたします(ここまで日本語)。このように今日この映画で日本に来られたことをとても喜ばしいことと思います。『今、このままがいい』は私も大好きな映画のひとつで、この映画が日本で紹介されたことを嬉しく思っています。実は韓国ではそれほど多くの観客に観ていただいたわけではないのですが、観た方は必ず胸に深く残る感動を得られる映画だと思います。

── この映画に出演されたきっかけは何だったのでしょうか?

 作品としては大きいプロジェクトではないけれど、小さくても良い映画を探していたときに、ある女性監督がいいシナリオをもって映画を撮るという噂を聞いて、たまたまそのシナリオを読んで、これならいいと思って参加したいと言いました。

── 女性監督とのお仕事は初めてですよね。いかがでしたか?

 初めてでしたが、この映画を撮った後は女性監督から声がかかるようになりまして、この後に撮った『キッチン 〜3人のレシピ〜』も女性監督ですし、韓国の撮影現場に女性が増えてきているのだなと感じます。

── 正反対の姉妹が父親を捜しに行く話ですが、徐々に心を開いてはいくもののとても神経質な役どころです。どのように役作りしたのでしょうか?

 この役を演じるためにいろんな演技をしてみたのですが、最終的には監督と相談をしました。私の性格を知っていろんな面を引き出してくれたと思います。ただ、周りの人がこの映画を観た時に、今までとは違ってすごく神経過敏な女性を演じているのですが、「自分と同じじゃない」と言われてしまって…。もしかして私ってあんなにイライラして細かいのかなって思ってしまいました(笑)。

── 監督、共演者の方とも仲が良かったと聞きましたが、現場でも和気あいあいとした雰囲気だったのではないかと思います。いかがでしたでしょうか?

 今まではどちらかというと男性の俳優と一緒に仕事をすることが多かったし、監督も男性ですので、その中に女性がいたとしてもいろんな話ができるわけではなかったし、男性の俳優と共感が持てる話をしなかったと思います。今回は監督も女性で、現場も女性が多く、良い雰囲気だったと思います。女同士ということもあって話さなくてもわかりあえることが多く、それが映画の中にも少し表れているのではないかなと思います。

── この映画の最後で、シン・ミナさん演じるミョンウンたち家族の真実が明らかになってきます。そこが一番の見どころかなって思いますが、期待してほしいですね。

 それを言ってはダメですよ(笑)。

── シン・ミナさんはCMでも大変ご活躍なさっていまして、ファッション・アイコンとして若い人たちに絶大な人気を誇っていらっしゃいますが、今後、女性として女優としてどのような道に進みたいと思っていますか?

 私は若いときにデビューしましたが、最近やっと認められてきたように感じています。ですから、俳優としてこれからもっともっと欲がでてくると思います。多様な私を皆さんに観てもらいたいと思いますし、新しい私を皆さんに見せていきたいと思います。

── 日本でしたいこと楽しみにしていることがあれば教えてください。

 韓国と似ているとよくいわれていますが、やはり違うところもあって、日本はショッピングしやすいと思います。何年か前に京都に行ったのですが、日本的な雰囲気がとても良かったので、できればまた京都に行きたいと思います。

── 映画の見どころも含めて、メッセージをお願いします。

 まずは今日ここに来ていただいた皆さまに感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます。実は私自身も、韓国映画というと大きくて派手な映画や韓流スターが出ている映画ばかり紹介されていることに少し残念な気持ちでいました。日本もそうだと思いますが、韓国でも「小さい映画」といわれている中にも良い映画があって、それがこういう形で紹介されて本当に良かったと思います。そういう映画にも関心をもっていただきたいと思います。これは私の主演作ですが、女性監督の映画で女性たちが作った映画であることが一目でわかる映画になっています。是非そういうところに重点を置いて観ていただいても楽しいと思います。女性的な映画だと思います。今日は本当にありがとうございます。


二回目上映後のQ&A

── まずはご挨拶をお願いいたします。

 こんにちは。『今、このままがいい』でミョンウン役を演じましたシン・ミナです。お会いできて嬉しいです。

── シン・ミナさんといえば大女優ですが、このような小さな映画に出るのは意外だなと思いました。最初に台本を読んだ時はどのような感想を抱かれたのでしょうか?

 最初に台本を読んだ時は、静かな映画だなぁ、もしかしたら観客は飽きるのではないかなぁと思いましたが、最後にどんでん返しがあって、そこでつり合いがとれるのではないかと思いました。私は商業映画とか、小さい規模の映画とか、形式にこだわっているわけではなくて、一人の女性の感情をずっと追いかけていく、こういう映画をやってみたかったので、とても気に入ってこの映画に出ました。

── 主演として映画を引っ張っていく役どころだったと思うのですが、自分の中で発見とか変化とか得たものはありますか?

 私が引っ張るというより、主人公の感情に沿って流れていく、そういう役を演じてみたいと思っていたので、やっている最中に演技に対する欲が出ました。こういう風にしたらもっと良いんじゃないかというような欲が出てきて、その後はどの作品に出会っても真摯な態度を持つようになったと思います。商業映画、芸術映画に関係なく、良い映画であれば結果がどうであっても、やってみたいという欲が生まれました。

── シン・ミナさんのイメージとして、おっとりとした女らしいイメージがあるのですが、映画の中ではイライラして怒ってばかりいたので、そういう感情ラインを維持するのは大変だったのではないですか?

 皆さん私を見て、おとなしいとか優しいとか女らしいとか言われるのですが、この映画を撮った直後、この映画を観た私の周りの人たちから「そのままじゃない」とよく言われました。見た目よりも全然女らしくないのが私です(笑)。でも、ミョンウンと似ているかなと思ったのは、ミョンウンは被害者意識があるけれど、あえて隠して何もないような自信たっぷりな態度で接するのですが、そういうところが私も少しあるかなと思いました。

── 最大の見せ場といっていいと思うのですが、ブランコに乗っていて家族の秘密にふと気が付くという場面は、演じていても難しかったのではないかと思います。何かエピソードはありますか?

 この映画は順番通りに撮るというやり方で撮りました。その場面は撮影が終わる1週間前くらいだったでしょうか、すごく寒い日で、寂しいとか胸が痛いとか微妙な感情が混ざって、あの場面を撮るのには助けになったと思います。順番通り撮ったのも、私が微妙な表現をすることを助けてくれたと思います。明確な表現ではないけれど、それを演じられたことが良くて、私もあの場面がとても好きです。

── ここからは観客の皆さんにご質問いただこうと思います。

── [少年]映画の中で車が事故で壊れちゃうんですが、本当は車持っているんですか?

 はい、車持っています。ドライブもしますが、事故を起こしたことはありません(笑)。

── [女性]最後のセリフが「これから長い旅を始める」というものでしたが、どういう長い旅だと思ってあのセリフを言いましたか?

 映画がハッピーエンドだときっと結婚して幸せに暮らすんだなと思ったり、例えば『シンデレラ』だったら、いろいろあっても最後に「シンデレラは幸せに暮らしました」で終わりますよね。でも私は「幸せに暮らす」ということがいつも気になっていました。『今、このままがいい』もその理由が重要ですよね。ミョンウンも痛い経験、苦しい思いをして悩んだりして、彼女自身一つの旅を終えてハッピーエンドになるけれど、また人生の新しい旅に立つ、世の中に出たということであのセリフを言ったのではないかと私は思いました。

── [男性]お父さんとおばさんを演じたのは別の役者ですよね。同じ役者が演じることもあり得たと思うのですが、あえて変えたのはどういう効果があったのか、同じ役者であるシン・ミナさんの立場から考えを聞かせてもらえればと思います。

 同じ人が出てしまったら、どんでん返しにならないと思います。違う人を使ったのは結果として良かったと思います。彼は彼で第二の人生を歩んでいるということを表していると思います。

── [男性]どんな男性が好きですか?

 男らしい男。あ、冗談です(笑)。私をリラックスさせてくれる人、頼りがいがあって、一緒にいて楽しい人がいいです。

── [女性]ミョンジュとミョンウンの服装がカラフルとシックで対照的だったのですが、シン・ミナさんの普段の服装はどちらに近いですか?

 私も普段から単調な黒とかブラウンを着ています。暗い色を着ると性格も暗くなると言われるけれど、ブラウンとか白とか黒、そういう色が好きです。

── 最後に今日ご来場の皆さまにご挨拶をお願いします。

 このように映画が終わった後の挨拶はとても緊張する瞬間です。本当に楽しんでもらえたのか気になります。『今、このままがいい』は韓国では評価が分かれた作品なので、日本の皆さんがどのように感じるか心配していたのですが、会場の皆さんの顔を見るとニコニコしてくださっているので、面白くご覧いただけたのだろうと思います。とても感謝しています。大作ではない、こういう小さな映画にも良い映画がたくさんあります。これからもそういう作品を応援していただいて、面白かったと噂を広めてください。ありがとうございます。



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