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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005 リポート
『So Cute』

Reported by 月原万貴子(月子)
2005/3/7受領



『So Cute』 2004年 原題『かわいい』
 監督:キム・スヒョン
 主演:キム・ソックンチョン・ジェヨン、イェ・ジウォン、パク・ヒスン、ソン・ウ、チャン・ソヌ

鑑賞ノオト

 若い頃は愛と子宝をもたらすと評判の新興宗教教祖だったスロ(チャン・ソヌ)には、3人の母親の違う同い年の息子がいる。長男の963(キム・ソックン)はバイク便の宅配員で、ハンサムだが純情で内気、25歳の今も童貞だ。次男のドックノーズ(ソン・ウ)は、お調子者で、世間ずれしたレッカー運転手。父を小馬鹿にしつつも、実は一番の孝行息子だ。三男のソウソウ(チョン・ジェヨン)はヤクザで、最後に来たので三男になってしまったが、見た目は一番老けている。ある日、近頃元気のない父親のために、次男が住所不定の一人の女の子を拾ってきた。彼女の名前はスニ(イェ・ジウォン)。女好きの父親は当然彼女にメロメロ、純情な長男は彼女と結ばれることを夢見、三男も彼女の胸が気になって仕方ない。そうなると次男も面白くなく、結局4人の男みんなが、彼女にすっかり振り回されて・・・

 一人の魅力的な女の子に大勢の男が夢中になる。けっこうよくあるパターン(『誰にでも秘密がある』はこの男女逆パターン)なのに、本作がオフビートな快作になっているのは、実は一番クィヨウォ(原題「かわいい」の意味)なのが父親だから(笑)。これが演技初挑戦だというチャン・ソヌ監督だが、こんなに可愛いおじさんだとは知りませんでした。スニに対して「敬語は使わなくていいよ。偉そうにしてると思われたくないし」と言って、次男に「偉そうになんか見えないって」と笑われるシーンがあるのだが、本当にそういう感じ。なんか、息子たちと一直線上なんだもん。潰れかけた団地に居座っている、いわば底辺の生活をしているたくましい彼らも、恋心(性欲?)の前では右往左往するだけ。結局のところ強いのは女なんだなーとつくづく思いました。


キム・スヒョン監督インタビュー

日時:2005年2月25日(金)
会場:ホテルシューパロ 千鳥の間
聞き手:月原万貴子
通訳:ファン・ヨンスン

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005のヤング・ファンタスティック・グランプリ部門に、デビュー作『So Cute』がノミネートされ、ゲストとして来日されたキム・スヒョン監督に、自作についてお話を伺った。

Q: 監督は、チャン・ソヌ監督の助監督をされていたそうですが?
A: はい。『バッドムービー』では、脚本にも参加していますし、10代のパートは、私のほうがチャン監督よりも彼らの文化や生活に詳しかったので、取材・インタビューの構成などかなりの部分を担当しました。

Q: そんな師匠であるチャン・ソヌ監督を俳優として起用したのは、なぜですか?
A: 実は、企画段階では父親役はハン・ジニさん(『猟奇的な彼女』の彼女の父親役など)に決まっていたのですが、スケジュールの都合で、ハン・ジニさんが出演できなくなり、他の俳優さんを探していたところ、脚本を読んだ多くの映画関係者から「この役は、普段のチャン・ソヌさんに、そっくりではないか」と言われたのです。私自身は意識していなかったのですが、言われてみると確かにそう思えたので、監督にお願いしてみました。監督はこれまで演技経験がなかったので、かなり渋っていたのですが、そこを懇願したり、半ば脅迫したり(笑)して、出演してもらいました。チャン・ソヌ監督はスキャンダラスな映画を多く撮ってきた人ですが、ご本人はどちらかというとかわいい、威厳のない人です。この父親役も当初の設定ではもっと権威的なタイプの役だったのですが、チャン監督が演じたことによって、息子たちに権威よりも同情を感じさせるような父親像になりました。

Q: ヒロインを演じたイェ・ジウォンはどんな女優さんですか?
A: 彼女はTVのコメディで、セクシー・キャラをオーバーに演じて人気のあった人なんですが、ホン・サンス監督の『気まぐれな唇』と、この『So Cute』に出演したことで、その実力を再評価されました。それは監督した私にとってもうれしいことです。彼女はこの作品の製作初期の段階から、スタッフとも打ち解け、現場に馴染んでくれました。ある時など、撮影開始時間になって呼びにいったのに部屋におらず、みんなで探したところ、前夜飲みすぎたようで、スタッフルームで雑魚寝していたということさえあったほどです。

Q: 劇中同様、撮影現場でもみんなに愛されてたってことですね。
A: ええ。でも、男優さんたちからは「こんなに愛してるのに、どうしてそんなにそっけないんだ」と言われていたようですよ。この映画の4人の男たちは一方的に彼女に愛を注ぎますが、彼女は誰に対しても無反応ですよね。男優さんたちには、それがやり辛かったみたいです。「愛を告白してるんだから、なんか反応してよ」と言われたイェ・ジウォンさんは「だって、スニって、そういう女の子でしょ」とすまして答えてましたけどね。

Q: 次回作について、教えて下さい。
A: 浅田次郎さんの『プリズンホテル』を原作に、現在脚本を執筆中です。非現実的なホテルを舞台に、多種多様な人物が入り乱れるところが、『So Cute』とちょっと似てるかな?と思います。


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