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アジアフォーカス・福岡映画祭2003 リポート
『ボリウルの夏』

Reported by 井上康子
2003/10/17受領



『ボリウルの夏』 2003年
 監督:イ・ミニョン『灼熱の屋上』
 主演:チャ・インピョ/キム神父(『チャン』『アイアン・パーム』
     チャン・ミヒ/修道院長(『ディープ・ブルー・ナイト』『黄真伊(ファン・ジニ)』
     パク・ヨンギュ/ウナム(『アタック・ザ・ガス・ステーション!』『ヒューマニスト』
     シン・エ/シスター・バシラ


<ストーリー>

 夏休み、ボリウルという田舎の村をヒョンウという少年が訪れる。母親に連れられ、父親であるこの村の僧侶ウナムの元で夏休みを過ごすためにやって来たのであった。一方、ボリウル村で孤児院も有する教会は新任の青年神父キムを迎える。村の子供たちはウナムに監督を頼みサッカー・チームを作り、一方、キム神父も子供たちを誘いサッカー・チームを結成する。両チームは団結して近くの町のサッカーチームに試合を申し込む。そして・・・


イ・ミニョン監督


<コメント>

 この映画では、キリスト教と仏教、若い神父とベテランのシスター、町の子と村の子、といったいろいろな対立が、サッカーという共通の目的を得て解消されていく過程が効果的に描かれています。

 イ・ミニョン監督は御自身も映画人のサッカーチームの上位選手だそうですが、「サッカーを通してみんなが理解し合い、子供たちの夢や希望を育てたいと思った」とおっしゃっていました。子役は二人の演技経験のある子供を除いては、地域でサッカーをやっている子供達から選んだそうですが、撮影中は子供たちが思い通りに動いてくれず、「子供たちが鬼のように見えた」こともあったそうです。私から見ても演技経験のない子役たちの演技は野性味溢れ活き活きしていて(演技でなくて地なのでしょう)、こちらも元気が出てくるようでしたが、監督のおっしゃったように、これなら確かに御しがたいだろうな、と思われました。

 チャン・ミヒさんはベテラン・シスターという今回の役で、「心の中にある優しさを引き出せるよう、演技しようという気持ちを捨て、自然に振舞うようにした」とおっしゃっていましたが、それは子供たちのためを思って厳しく接している中にも優しさを感じさせる演技となって、見事に現れていました。


チャン・ミヒ

 私は1980年代にチャン・ミヒさんが主演された『ディープ・ブルー・ナイト』『黄真伊(ファン・ジニ)』が特に好きな作品なのですが、これらの作品の中の彼女は悲しみの中に凛とした美しさを抱いていて、とても魅力的でした。最近も本数は少ないものの映画出演を続けていらっしゃるし、現在は短大の映画演劇学科の学科長、さらに映画振興委員会の委員も務めていらっしゃるとのことで、「すごいな、いったいどんな方なんだろう」と、ゲストとしていらっしゃるのを楽しみに待っていました。

 舞台挨拶、ティーチ・インでの御発言、とても静かに、理路整然と(発言をそのまま表記しても正確な文章になるような表現でした)、それでいて感情を込めた話をされました。知性と暖かさに加えて、貫禄も感じられ、なるほど、長く映画界で生き抜く能力をもっていらっしゃる、稀有な女性なのだと納得させられました。



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