闇と呪術の支配が、ついに終わりを告げようとしていた時代。パク・ヒョクコセ(朴赫居世)率いる新羅は神木に仕える一族を滅ぼし、ここに国家統一を成し遂げる。いっぽう、部族の恨みは首長アウタの流した血に託されるが、パク・ヒョクコセは大地に神剣を突き立てて怨念を封印。邪気は周囲の湖の奥深く沈潜することとなった。

 そして、時の流れること千年。隆盛を誇った統一新羅も、いまや衰退の一途。ジンソン(真聖)女王の治下、絶え間ない戦乱で国はますます窮地に陥っていた。そんななか、将軍ビハラン(チョン・ジュノ)はジンソン女王(キム・へリ)の信任を一身に受け、次々と戦地へ赴き、めざましい軍功を立て続ける。

 だが、終わりなき戦闘に疑問を覚え始めたビハランは、いつしか愛する女性との静かな暮らしを望むようになる。隠遁生活を営む道士に育てられた娘ジャウンビ(キム・ヒョジン)との恋。堅く結ばれた二人は、ささやかな、そして、至上の喜びに満ちたひとときを過ごす。が、それもつかの間、再び出征の命が下り、ビハランは戦地へと赴くのだった。

 ビハランの台頭を嫌う保守派一味によって命を狙われるジャウンビ。深山へおびき出された彼女がとっさに大地から引き抜いたもの、それはかつてパク・ヒョクコセが怨念を封じ込めた、あの神剣だった。しかし、抵抗むなしく神剣を奪われた彼女は、断崖からはるか眼下の湖面へと身を投じてしまう。湖底へと沈みゆくジャウンビ。神剣の封印が解けたいま、アウタの悪霊は、積年の恨みを果たすべく、その身体に乗り移る。

 滅ぼされた一族の呪詛、権力をめぐる陰謀。新羅存亡の危機の下、ビハランとジャウンビは、美しくも哀しい愛の物語に翻弄されていく……。