2.質問攻め!

― ところで監督、昨日、35回目の誕生日だったんですよね? おめでとうございます。
「ありがとうございます(日本語で)」

― それにしても韓国では30代の監督がとても活躍してますよね。どうしてなんですか? 日本では30代の監督がなかなか出てこないんですよ。
「30代に仕事しないと、40代になったら動けなくなるでしょ。だから今のうちに働いておかないと・・・(笑)」

― ご結婚なさっているのですか?
「韓国の監督は30代で独身が多いんですよ。監督ってビンボーですからね(笑)」

― 次回作については、どういう作品を考えてらっしゃいますか?
「『ロミオとジュリエット』を香港スタイルにした感じのものを撮りたいと思っています。でも最近は韓国でも映画に出資してもらうのが難しくて・・・ 私は今30代なので(20代のことは経験してきたので)20代をターゲットにした作品を作りたいと思っています」

― 主演はもう決めてらっしゃいますか?
「はい、チョン・ジヒョンをと思っています」

― 他に監督が使ってみたいと思われる役者さんはどんな方ですか?
「ウォンビンとか・・・」

 ちなみに、監督はここで話されている作品の前に、出来ればもう一つ別の作品を撮りたいとも思っていらっしゃるそうで、これまで日本で公開された韓国映画についてたずねられ、ご自分の作品が日本でも受け入れられるだろうか?と思案されているようでした。

 そうそう、監督は日本の映画やアニメもかなりご覧になっているようで、次から次へと作品や作家の名前が出てくるのに大変驚かされました。

「日本の監督は北野武さんとか・・・ 岩井俊二さんもいいですね。『Love Letter』はグッドですね」

― そういえば監督は、北野武さんのファンだそうですね。
「はい、彼の作品はとてもいいですね。特に(親指を立てながら)『ソナチネ』グッド!(ニッコリ) 実は、コメディアンのヨンギは北野武さんをイメージしながら撮ったんですよ。彼がもし若くして奥さんを亡くされたとしたらと想像しながら・・・」

 「へぇー、じゃ北野さんにも観て貰わないと・・・」の声。本当に是非、北野監督にも観ていただいて感想をうかがってみたいです。


ポスターへのサインに快く応じてくださいました。

「この映画、私が撮りました(笑)」

― ところで監督は何歳頃から映画監督になりたいと思われたのですか?
「何歳かは、はっきり分かりませんが、中学の頃『ディア・ハンター』を観て映画を撮ってみたいと思いました」

― 一番好きな映画はなんですか?
「ギリシャ出身のテオ・アンゲロプロス監督の作品『霧の中の風景』です」

 聞くところによるとこの映画は、離れ離れになった父親を探すために幼い姉弟が旅を続けるというもので、悲しくも美しく、厳しいけれど暖かい、そんな感じを受ける作品なのだという。なんとなく『ラスト・プレゼント』にも通ずるものがあるような。一度観てみたいですね。

 やがて話題は釜山国際映画祭へ。その日出席されていた方々によると、アジアで最も面白い映画祭は釜山国際映画祭なのだとか。映画祭開催期間中には、あちこちでパーティが催され、熱い意見が交わされ、映画人達が大騒ぎするらしい。そんな話を聞くと是非とも体感したくなってくる。

― ところで監督は今年の釜山映画祭(11月14〜23日)には行かれますか?
「私はあまり騒ぐのは好きじゃないので・・・ やはり参加するときは良い作品を作って招待されるようにしたいです」

 監督、その時を心待ちにしています。

 やがて日韓の観客の話で盛り上がる。韓国では上映中も携帯電話が鳴ったりと館内がとても賑やかだが、対照的に日本の映画館では「子供の泣き声が気になる」などの苦情が多いのだとか。また、韓国では本編が終わるとライトがついてしまい、日本のようにエンドロールまでしっかり観客に観てもらうようなことはしないらしい。でも、どちらかというと、アジアでは韓国スタイルの方が普通ではないかしら。

 いつの間にか数時間が過ぎていた。途中監督は、通訳のために食事をほとんどされていない金さんを気づかわれ、食事を勧められる一幕も。そして、しばらくすると監督は「こんなふうに日本で皆さんに歓迎していただいて本当に嬉しいです」と、喜びの言葉を述べられた。

 やがて時刻は午後11時を過ぎ、楽しく盛り上がりをみせた歓迎会も終わりの時を迎えることになりました。

「では皆さん、そろそろこの辺でお開きということで・・・ 最後に記念写真を撮りましょう」

 こうして、この日お会いした関係者の方々とはここでお別れをすることになりました。皆様、本当にありがとうございました。

 さて、このあと私達は監督が宿泊されているホテルへ場所を移すことになった。先程の歓迎会の席で、監督にサポーターズ・クラブへのメッセージをお願いすると、監督は快く応じてくださり、それどころかサポーターズ・クラブの為にと、その後の時間を空けて下さったのでした。翌日も朝から晩まで取材スケジュールがビッシリ詰まっているのに・・・ 監督、本当にありがとうございます!

(3.へ続く)



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