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セイ・イエス


題名
英題
ハングル
セイ・イエス
say yes
세이 예스
製作年 2001
時間 105
製作
投資・配給
共同投資
黄奇性事団
シネマ・サービス
mvp創業投資株式会社
監督 キム・ソンホン
出演 パク・チュンフン
チュ・サンミ
キム・ジュヒョク
キ・ジュボン
イ・チャニョン
イ・ウジン
チェ・ホンイル
ファン・インソン(特別出演)
パク・ヨンウ(特別出演)
キム・チェヨン(特別出演)
日本版
Video
DVD
なし

 『爪』『オルガミ 〜罠〜』などスリラーを得意とするキム・ソンホン監督の第六作。幸福な夫婦に嫉妬した殺人鬼が二人につきまとい、恐怖のどん底に陥れるというサスペンス・スリラー。CGなしで撮影した迫力満点のカーチェイス・シーンや、『カル』を越えるとの評も出た殺戮場面の残酷さが話題に。題名の「セイ・イエス」は殺人鬼が標的にした夫婦の夫に対し、「助かりたければ、お前の妻を殺してくださいと言え」と言い放ち、「Yes」という答えを強要することから付けられた。

 ユニ(チュ・サンミ)とジョンヒョン(キム・ジュヒョク)は結婚一年目の夫婦。作家志望の夫ジョンヒョンの原稿が出版社に売れた記念に、二人は久しぶりの旅行をする。しかし、ちょっとした接触事故で出会ったM(パク・チュンフン)という男が、しつこく二人につきまとうようになる。そして、それに怒ったジョンヒョンはMに全治八週間の怪我を負わせてしまい、留置所に放り込まれてしまう。被害者面をしたMは、和解の条件として三日間一緒に旅行することを二人に提案。ユニとジョンヒョンは不吉な思いを抱きながらも、やむなくそれを受け入れる。一方、同じ頃、高速道路の周辺では惨殺された死体が連続して発見され、警察はこの事件を同一犯による犯行と断定して捜査を始めていた。

 コメディーを得意とするパク・チュンフンが、旅行中の若夫婦を執拗に追いまわし、恐怖のどん底におとしいれる正体不明の男Mを演じる。チュ・サンミは、この映画で初めて全裸演技を披露するが、トップ・スターの女優が脱ぐのは『ハッピーエンド』チョン・ドヨン以来のこと。ユニの夫ジョンヒョンを演じるキム・ジュヒョクの演技が好評。彼は、中堅俳優キム・ムセンの息子で、東国大学演劇映画科出身。演劇の舞台を踏んだ後、1998年にSBS8期タレントとしてTVデビューし、ドラマの『ソウルのタンゴ』、『KAIST』、『曇った日に書いた手紙』、『愛は誰でもひとつ』などで活躍しているが、映画はこれが初出演となる。パク・ヨンウがキム・ソンホン監督の『オルガミ 〜罠〜』に主演した縁で、またキム・チェヨンがチュ・サンミと親しいという縁で、特別出演している。

 製作費25億ウォン。製作はファン・ギソン。シナリオはヨ・ヘヨン。音楽はチョ・ソンウ。ハン・ヨンエが主題歌を歌う。セットはオ・サンマン。

 第20回(2002)ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭コンペ部門、第35回(2002)シッチェス国際映画祭「オリエント・エクスプレス」部門、第23回(2003)Fantasporto国際映画祭招待作品。

初版:2001/8/18
最新版:2001/8/29



投稿者:大西康雄さん 投稿日:2002/2/14 12:36:57

 韓国製英語字幕付きDVDで鑑賞。

 この映画は、ようやく幸せをつかんだところで、異常心理の殺人鬼に理不尽に狙われる夫婦の恐怖を描いたホラー映画である。異常心理の殺人鬼という題材は今となってはさほど珍しくなく、むしろオーソドックスな題材といえる。また、心理的恐怖の描写としては黒沢清監督の『CURE キュア』あたりの方が上だろう。そういう意味では新鮮味はないかもしれない。

 しかし、理由なき理不尽な恐怖やカー・アクションといった既知の材料を組み合わせて緊張感が途切れることなく盛り上げ、手堅く娯楽作品を撮り上げる映像センスには見るべきものがある。キム・ソンホンは作家性の強い監督ではないかもしれないが、プログラム・ピクチャーの職人監督としての手腕はなかなかのものだ。

 ちなみに、この手の映画はハリウッドだったらハッピーエンドか、救いがあって終わるところだが、そこは韓国映画、そうは問屋が卸さない。どうなるかは見てのお楽しみ。

 とはいえ、この韓国テイストのラストゆえ、日本での公開は難しいだろう。それこそDVDで見るべき作品といえる。

 ちなみに夫役のキム・ジュヒョクの熱演も良いが、妻役のチュ・サンミの生き生きとした表情がとても魅力的で印象に残った(黙っているとちょっときつい顔立ちだが)。また、得体の知れない極めて怪しい相手の挑発に対して、思わず乗ってしまって極めつけには手まで出してしまい、どんどん相手の計略にはまってしまうこの夫婦のキャラがとても韓国人的だと感じた。争いごとを避けたがる日本人だったら、こういう展開にはならないのでは?

 DVDは2001年11月、20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・コリアよりリリース。カタログ番号:23185。収録フォーマット:片面2層、スクイーズ16:9、ビスタ(1:1.85)サイズ。音声:韓国語、ドルビー5.1チャンネル。字幕:英語/韓国語。収録時間:本編104分。リージョンコード:3(とパッケージにあるが、日本のプレイヤーで再生可能なので実際は ALL と思われる)。メーカー希望価格:25,000ウォン。

 なお、韓国盤DVDは、日本盤DVDよりも、一般的に画質が高い傾向にあるように感じるが、その中でも本ディスクはとりわけ画像の鮮度が高くクオリティが高い。一般的なディスクに比較すると、ビデオ的ではないソフトな質感を保ちつつもベールを一枚剥いだような鮮明さがある。しかもオーディオのクオリティも高く、プロジェクターなどを使った大画面で見ると映画館で見る迫力に迫る(と思う)。ホームシアターシステムのレファレンス盤として推奨。

【評価:★★★★】


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