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カンウォンドの恋




題名
英題
原題
ハングル
カンウォンドの恋
The Power of Kangwon Province
江原道の力
강원도의 힘
製作年 1998
時間 109
製作 ミラシン・コリア
監督 ホン・サンス
出演 ペク・チョンハク
オ・ユノン
チョン・ジェヒョン
キム・ユソク
パク・ヒョニョン
イム・ソニョン
パク・チョンファ
チョ・グァンジェ
アン・ドヒョン
日本版
Video
DVD
DVD

 日本でも公開された『豚が井戸に落ちた日』のホン・サンス監督第2作。原題にある「江原道」は「かんうぉんど」と読み「道」は日本の県にあたる。30代の妻帯者である大学講師サングォン(ペク・チョンハク)と教え子の女子大生ジスク(オ・ユノン)。以前不倫関係だった二人は同じ時に同じ江原道を旅しているのだが、一度も出会うことなく帰宅。そしてソウルでの再会。二人の愛をストレートに映像化するのではなく、穏やかな日常を通じストーリーをひも解いていく形式を取っているのが特徴。韓国の試写会では、前作の多分に冷笑的な視点とは違って「あたたかい感じの映画」との評もあったが、果たして?

 主役のペク・チョンハクは、ニューヨークのシラキュース大学出身で、映画『産婦人科』『オクスタン』などのプロデューサー。短編映画の監督経験もあり、ソウル国際短編映画祭で「若い批評家賞」受賞歴もある人物。オ・ユノンも全くの新人。「観客が映画の主人公の中に自分の姿を発見して共感しやすい様に...」との考えからスター俳優ではなく一般人をキャスティングした。音楽は、『つぼみ』で韓国国楽と西洋音楽を融合させ、独特な音楽を完成させたウォン・イル氏。

 第51回(1998)カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、Special Mention Award を受賞。第3回(1998)釜山国際映画祭「韓国映画パノラマ」部門、第22回(1998)モントリオール世界映画祭、第17回(1998)バンクーバー国際映画祭、第30回(1998)ビエンナーレ国際映画祭、第42回(1998)ロンドン国際映画祭、第28回(1999)ロッテルダム国際映画祭、第22回(1999)Goteborg国際映画祭、第23回(1999)香港国際映画祭、第35回(2000)Karlovy Vary国際映画祭出品、1999年サンタバーバラ国際映画祭Burning Vision Award、第3回(1998)釜山国際映画祭NETPAC賞(最優秀韓国映画賞)、第19回(1998)青龍賞監督賞(ホン・サンス)・脚本賞(ホン・サンス)、第36回(1999)大鐘賞新人技術賞(キム・ヨンチョル)受賞作品。

 原題直訳の『江原道の力』という邦題で「NEO KOREA 韓国新世代映画祭'99」、「辛韓国映画祭2003」で上映された後、2012年に『カンウォンドの恋』というタイトルでDVDがリリースされた。

初版:1998
最新版:2012/1/22


【ソチョンの鑑賞ノート】

● 1998年の釜山国際映画祭で初めて見て

 江原道の旅行を前半は女性(ジスク)の目から、後半は男性(サングォン)の目から描いている。二つのストーリーの時間軸が併行して進み、最後にそれが結びつく形式は『豚が井戸に落ちた日』と同じ。監督の人間に対する冷徹なまでに冷めた視線も健在で、あいかわらずホン・サンスしているといえるが、『豚が井戸に落ちた日』を見終わった後のような虚無感や脱力感、人間に対する嫌悪感というものはなかった。それが韓国の評論家をして「あたたかい感じの映画」と言わしめたのだろう。でも素直に星4つあげるほど良い映画とは思わない。理由は簡単。この映画を見て感動しなかったから。とりたてて熱い感動を欲しているのではない。ホン・サンスの作品は、あまりに空虚な人の生と性が描かれており、それがあまりにもリアル過ぎて好きになれないのだ。

● NEO KOREA 韓国新世代映画祭'99 で日本語字幕付きを再度鑑賞して

 なんでもない日常を焼き付けた映像の一つ一つに実は深い意味がある(ような気がする)不思議な映画。1998年の釜山国際映画祭で初めて見て、NEO KOREA 韓国新世代映画祭'99 で日本語字幕付きを再度鑑賞。2回目ともなると細部にまで目がいき、色々な解釈が頭に浮かんできて、ついつい引き込まれてしまいます。そして、自分の解釈を確認するためにもう一度見る→別の解釈をまた思い付く→またまたそれを確認するためにもう一度見る。何度でも見たくなるという意味では、非常に面白い作品です。かといって正解がある訳でもなく、エンドレス・ゲームなのですが・・・ 『21世紀をめざすコリアンフィルム』(パンドラ、1999年)で四方田犬彦氏は『カンウォンドの恋』を「クラインの壷」に例えてらっしゃいますが(p.36)、全く持ってその通りだと思います。

1998年11月7日執筆


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