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オー!ブラザーズ

  
画像提供:KM culture(以下、同じ)

邦題/英題/한글 スタッフ 製作・配給 俳優 (配役)
オー!ブラザーズ
Oh! Brothers
오! 브라더스
監督・脚本:キム・ヨンファ
製作:パク・ムスン
プロデューサー:ユ・ジェヒョン
撮影:パク・ヒョンチョル
照明:イ・ソックァン
美術:パク・イリョン
編集:パク・コッチ
音楽:キム・ドギュン
同時録音:チョン・グァンホ
衣装:イ・ダヨン

提供・製作:KMカルチャー
共同提供:ジェウ創業投資
共同提供:湖西ベンチャー投資
共同提供:ショーボックス
配給:ショーボックス

イ・ジョンジェ(オ・サンウ)
イ・ボムス(オ・ボング)
イ・ムンシク(チョン班長)
リュ・スンス(ホ・ギテ)
キム・ジュニ(ウナ)
パク・ヨンギュ(パク社長)
イ・ウォンジョン(ホン社長)
キム・ヒョンジャ(不倫女:特別出演)
コン・ヒョンジン(不倫男:特別出演)

<基本データ>
製作年: 2003年
ジャンル: ヒューマン・コメディ
上映時間: 110分
音響: Dolby SRD
サイズ: 1:1.85
年齢制限: 15歳以上鑑賞可(韓国)

<公開データ>
韓国公開: 2003年9月5日
日本公開: シネマコリア2004にて日本初公開
韓流シネマ・フィステバル2005(配給:エスピーオー)

<DVD&Video>
DVD: \5,040(2005年12月2日)
 発売:エスピーオー 販売:ジェネオンエンタテインメント
Video: 字幕版&吹替版 \16,800(2005年12月2日)
 発売:エスピーオー 販売:ジェネオンエンタテインメント
DVD:オー!ブラザーズ



● ストーリー

 不倫の現場写真を撮って生計を立てている興信所のカメラマン、オ・サンウ(イ・ジョンジェ)は、悪徳刑事チョン班長(イ・ムンシク)に脅迫され、ヤクザからは取り立てに追われるというチンピラもどきの生活を送っていた。そんな彼のもとに、ある日、とんでもない知らせが届く。小さかったときに、浮気をして家庭を捨てた父親が死亡し、その借金をサンウが返済しなければならなくなったというのだ。大金を準備することなど到底無理と考えたサンウは、一度も会ったことのない腹違いの弟ボング(イ・ボムス)を探しだし、彼に借金を押しつけることを画策する。しかし、初めて会ったボングは、12歳の少年のはずなのに、実物はどうみても自分より年上の30代のおじさん…… 弟は、実年齢より4倍のスピードで体が老いる「早老症」という奇病にかかっていたのだ。借金のために、いやいや弟との同居を始めたサンウだったが、やがてボングは意外な才能を見せるようになる。


● 解説

 イ・ジョンジェ、イ・ボムスという強力な配役陣の絶妙なコンビネーションが光るヒューマン・コメディ。兄弟愛、そして家族の問題を温かい視線でみつめ、現代社会において崩壊しつつある人間関係・家族関係が、笑いの中で希望を持って修復されていく過程を描く。この映画が公開された2003年、韓国では『箪笥』『4人の食卓』『浮気な家族』などが封切られ、現代韓国社会における「家族の崩壊」が不吉なまでに描写されたが、本作はこれらとは正反対に、崩壊の一歩手前にある家族の絆が修復される「希望」を描いている。

 『太陽はない』では、イ・ジョンジェが口からでまかせばかりのダメ・チンピラを、そして、イ・ボムスがイ・ジョンジェを追い回すヤクザを演じたが、本作では、イ・ジョンジェは『太陽はない』と同様に借金の取り立てに追われるカメラマンの兄を、イ・ボムスはその弟で、実年齢より早く老いるという奇病にかかった少年(?)を演じた。見かけは30代、精神は12歳の子供という難役に挑んだイ・ボムスは、撮影2ヶ月前から子供の心理を学ぶために徹底的な資料調査をし、髪型や衣装なども自分で選んだという。一方、カメラマンを演じるイ・ジョンジェは、懇意にしている写真作家を訪れ、カメラマンらしい立ち居振る舞いを研究。入念なリハーサルを繰り返した後に本番に臨んだ。

 一般に短期間&低予算で製作されるのがコメディ映画の常だが、本作は、2,000カットあまりの絵コンテを作成。アクション映画並みの躍動感・速度感を生み出すため、自動車のシーンなどでは3台のカメラを使用して撮影された。韓国では2003年の秋夕映画(=韓国映画界のかき入れ時の一つである旧盆の連休にロードショーされる映画)として公開され、ソウルだけで90万人以上を動員する大ヒットとなった。

 ウェルメイドなハートウォーミング・コメディを生み出した監督のキム・ヨンファは、本作が長編デビュー作。大学では早くからその才能を教授陣に認められていたが、母子家庭に育ったため、母親が病に倒れた際には、学業を一時中断し、屋台で魚を売って一家の生計を支えたという。しかし、その時の経験をヒントにして製作した卒業製作作品の短編映画『塩サバ』が、第42回(2000)ロチェスター国際映画祭で大賞を受賞するなど、国内外の映画祭で高く評価され、一躍商業映画界から注目を浴びるようになる。その後、イ・グァンモ監督の「白頭大幹」でスリラー映画『オルフェウス』のシナリオを執筆し、監督デビューを準備していたが、そちらは一時中断して、本作で監督デビューすることになる。なお、キム監督は本作の脚本も担当しているが、シノプシスの段階から弟役にはイ・ボムスを念頭においていたという。


キム・ヨンファ監督

■ キム・ヨンファ(김용화 )監督プロフィール
 1971年生まれ
 1990年 春川高等学校卒業
 1991年 中央大学映画学科入学
 2000年 中央大学映画学科卒業(映画演出専攻)
 2000年 卒業製作作品の16mm短編映画『塩サバ(자반고등어 )』を演出
 2003年 『オー!ブラザーズ』で商業映画デビュー
<受賞歴>
 2000年 第1回大韓民国映像対戦優秀賞受賞
 2000年 第3回ニューヨーク・ブルックリン国際短編映画祭公式招待
 2000年 第42回ロチェスター国際映画祭大賞受賞
 2000年 第49回メルボルン国際短編映画祭公式招待
 2000年 第33回ヒューストン国際映画祭銅賞受賞
 2000年 台北国際短編映画祭招待
 2000年 第1回全州国際映画祭招待
                 ※ いずれも『塩サバ』による


● 映画祭

 シネマコリア2004
 韓流シネマ・フィステバル2005


● 関連記事

 《シネマコリア2004特集》 『オー!ブラザーズ』Q&Aセッション



投稿者:カツヲうどんさん 投稿日:2003/10/29 17:22:25

 この『オー!ブラザーズ』は、笑いと感動を上手に共存させた、バランスの取れたコメディである。きっと、大笑いした後に感涙を滲ませる日本人観客も多いと思う。だが、私的にはあまり気楽に笑えなかった映画であった。それはギャグが滑った訳でもなく、演出がトンチンカンだった訳でもなく、この映画が人生の残酷さや無念さを所々に覗かせる作品だったからだ。

 現代韓国のアウトサイダーと、彼らを取り囲む闇を強烈に描いた作品に、本作のイ・ジョンジェ主演の『太陽はない』という映画がある。この『オー!ブラザーズ』は、形の上ではコメディだが、『太陽はない』の姉妹編ともいうべき作品であるように私には見えた。

 キム・ヨンファ監督は、要領を押さえた演出手腕を発揮し、コメディとして落とすところは落とし、メロドラマとして泣かせるところは泣かせてくれるが、そうした娯楽作としての表側とは別に、一貫して「家族」というテーマを、重く、真剣に描いている。その結果、『オー!ブラザーズ』は深刻な物語にもなっているのだ。

 主人公のサンウ(イ・ジョンジェ)は自由人だが、チンピラでもあり、社会の屑スレスレの男である。だが、彼もまたヤクザに脅されており、決して気楽な人生ではない。そしてサンウにとっての家族とは、子供の時から幸薄く縁遠いものであり、特に父親は憎悪の対象でしかないのだ。

 そんな彼の元に、突然腹違いの弟が転がり込んでくる。その弟ボング(イ・ボムス)は不治の病を患っており、未来とは暗澹たるものでしかない事を12歳にして受け入れなければならない人物。しかも彼は親に捨てられたも同然で、極めて性格がねじまがってしまっている。それゆえ、兄のサンウからすれば、弟のボングは化け物同然なのだ。劇中、ホラー映画『チャイルド・プレイ』のチャッキーが象徴的に使われるが、これはそのことの比喩とも解釈できる。

 映画は一応ハッピーエンドを迎えるが、映画を観終わって、私は彼らのこれからの人生や運命を想い、悲しくて仕方なかった。

 今回、イ・ジョンジェ&イ・ボムスという強力な配役陣が、それぞれ個性的なキャラクターを演じている。特筆すべきことは、二人がバランスの取れた共演となっていることである。通常なら「オレ、オレ合戦」と化してしまいそうだが、主演のイ&イ・コンビは、上手に役割を棲み分けた。特に、弟役のイ・ボムスは、大仰な演技に陥る事は一切無く、自己コントロールに徹した演技を見せてくれる。女優陣が、役柄も含め添え物程度なのは残念だが、あくまでも男兄弟を描いた物語である、と考えれば仕方ないだろう。

 この『オー!ブラザーズ』は、2003年の秋夕興行(=韓国映画界のかき入れ時の一つである旧盆の連休興行)における目玉作品の一つであった『ザ・ブライド 花嫁はギャングスター2』を越えるヒットとなった。その理由の一つとして考えられることは、この『オー!ブラザーズ』が、人間ドラマに徹した作品であったため、比較的年齢の高い観客からも支持を得られた事にあるのではないかと思う。『ザ・ブライド 花嫁はギャングスター2』は、娯楽に徹した実に面白いコメディではあったけれども、コメディに純化した分だけ、若い観客しか呼べなかった可能性がある。そういう点では、『オー!ブラザーズ』は、韓国の広がりつつある映画観客層全体に、当てはまることが出来た作品だったのではないだろうか。

【評価:★★★★】


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