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避幕


題名
英題
ハングル
避幕
Pee-mak
피막
製作年 1980
時間 93
製作 世耕興業
監督 イ・ドゥヨン
出演 ユ・ジイン
ナムグン・ウォン
キム・ユンギョン
チェ・ソンホ
ファン・ジョンスン
テ・イル
日本版
Video
DVD
なし

 『糸車よ糸車よ』(1983),『桑の葉』(1985)とならぶイ・ドゥヨン監督の代表作。韓国映画の伝統的なモチーフの一つである巫女(ムーダン)をミステリー&ホラー仕立てで描いた作品。李朝末期、名家の寡婦と身分の低い使用人(ナムグン・ウォン)との許されない愛の残酷な結末と、20年後にその名家に現れた巫女の復讐劇を描く。

 スリ谷に住むカン進士(官職の名前)の初孫ソンミンが原因不明の病気にかかる。跡取りの病気に気が気でない一族は、何かの祟りではないかと全国各地から巫女を集めるが、その中で特に優れた巫女のオクファ(ユ・ジイン)は、病気の原因は祖先が犯した悪行の呪いだという。そして明らかになる隠された過去。この家では、20年前にある寡婦にまつわる事件が発生していたのだ。

 題名の「避幕」は死期の近づいた病人を隔離する幕屋のこと。この作品はヴェネチア映画祭でISDAP賞を受賞しており、当時世界的には全く知られていなかった韓国映画が国際的に注目される契機となった。『糸車よ糸車よ』と比べると、儒教社会の虐げられた女性を描いている点は同じだが、ミステリー仕立ての復讐劇という点が全く異なる。脚本は『桑の葉』(1985),『アダダ』(1987),『将軍の息子』(1990)などのシナリオを担当したユン・サミュク

 第17回(1981)百想芸術大賞監督賞、第38回(1981)ヴェネチア国際映画祭ISDAP賞、第2回(1982)映画評論家協会賞脚本賞・技術賞(編集部門:イ・ギョンジャ)受賞作品。

初版:1998
最新版:1999/12/7


【ソチョンの鑑賞ノート】

 ムーダンが繰り広げる復讐劇という素材は極めて面白い。ただ、もっとバッタバッタと悪者に復讐していくのかと思っていたら、意外とあっさりしていて拍子抜けした。20年前の話よりも現代の復讐劇に重点を置いて、ムーダンが名家の隠された秘密を一つ一つ暴き、またそれと同時進行的に人が一人一人殺され、名家の人々が恐怖に包まれる・・・ 犯人は誰? そしてその方法は? といった部分を引っ張ったミステリー&ホラー映画だったらものすごく面白くなるんじゃないでしょうか。『オルガミ 〜罠〜』キム・ソンホン監督あたりがリメイクしたら大傑作が出来上がるような気がする。

 あと、李朝時代における夫を失った妻の立場・苦しみ、「避幕」の持つ重苦しい意味など、外国人である日本人から見ると説明不足で、韓国文化に詳しい人ならともかく、そうでない人には「?」マークが付くんじゃないだろうか。全般的にストリーテリングの弱さを感じた。字幕の量が少なかったのも原因の一つか。ムーダンが復讐する理由付けもちょっと弱いような気が。

 飽きさせずにだぁー!と見させるものの、何かツボを付いてくる部分がなかったのが残念。ところで、オープニング・クレジットで音楽担当者の名前が字幕で出ていたけれど有名な人なんでしょうか? うまく表現できませんが、確かに伝統音楽と西洋音楽がミックスしたような雰囲気の音楽で良かったです。

1999年12月7日執筆


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