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下女


題名
英題
ハングル
下女
The Housemaid
하녀
製作年 1960
時間 90
108(日本上映Video版)
製作 韓国文芸映画社
監督 キム・ギヨン
出演 キム・ジンギュ
チュ・ジュンニョ
イ・ウンシム
アン・ソンギ
オム・エンナン
日本版
Video
DVD
なし

 韓国映画界の「怪物」キム・ギヨン監督の最高傑作。1996年に国際交流基金アジアセンターの特集で特別上映され、会場に衝撃を走らせた。演劇出身監督らしい非常に限られた空間での映像(舞台は作曲家の家の中がほとんど)が特徴的であり、かつ監督の生涯のテーマである「人間のエゴイズム」がもっとも色濃く表現された作品。

 作曲家の家で雇われている家政婦(イ・ウンシム)が、ふとしたことで家主の夫(キム・ジンギュ)と肉体関係を結ぶ。それ以降、家政婦は夫の愛を独占すべく、妻(チュ・ジュンニョ)や子供(アン・ソンギら)に嫌がらせを始める。弱みを握られた家族は、次第に家政婦の支配下におかれていき...

 当時の韓国で実際に起こった事件を題材にしている。韓国での上映時には会場の女性から「あの下女を殺せ!」というやじが飛んだとか。以後、「女」シリーズはキム・ギヨン監督のライフ・ワークとなり、『火女』、『虫女』、『火女 '82』、『修女』、『肉食動物』などこの作品のバリエーションがいくつか製作された。

 第8回アジア映画祭出品作品。この映画祭では、開催国のフィリピン人が『下女』をグランプリに推薦したが、大映の圧力により小津監督の『秋日和』になり、以後フィリピンが映画祭を脱退したという因縁がある。

 第5回(2003)Udine Far East Film Festival韓国映画特別展「韓国映画の黄金期」招待作品。

初版:1998/6/7


【ソチョンのネタバレ防止解説】

 『下女』。あまりに評判が高く思わず新幹線代をはたいて見に行った作品。結論から言うとその価値はありました。私が感心したのは、1に音楽効果、2に下女のイ・ウンシムの怪演。3・4がなくて5が小憎らしいガキンチョ役を好演していたアン・ソンギ。

 オープニングからいきなりおどろおどろしい音楽で嫌がうえにも恐怖感=期待感を煽ってくれます。そのBGMは『ウルトラQ』に一脈通じるものがあるのか「ウルトラ」世代の私にはたまりません。筋立ても、俳優の演技も、音楽も妙に大袈裟すぎるせいか、演劇に近い作りであるとの印象を受けましたが、それがまた一種独特の雰囲気を醸し出しています。中でもやはり音楽の効果的な利用は秀逸。60年代の作品でこれだけ音楽で煽っりまくってくれる映画を他に知りません。「来るぞ、来るぞ、来るぞ、来るぞ、来たぁ〜。へなへなへな(脱力感)。」の繰り返しで大いに楽しめました。

 イ・ウンシム。クリクリッとした目がトレードマークのこの女優。その特徴ある目を生かして、『下女』のような「悪意」ある女も演じれば、(きっと)か弱き or たよりない女性も演じ分けるのでしょう。他の出演作も見てみたいものです。『下女』の演技でたまらんのは、自分で水を飲んで、アン・ソンギ演じる息子に水を飲ませて、息子がごっくんした後、おもむろに「だぁ〜」と水を吐き出すシーン。「あぁ〜、ややややられたぁ〜。」という感じ。ここは伏線がしっかり張ってあって、脚本の勝利でもあるんですが、やはりイ・ウンシムのあの水を吐き出す口の形、「ざまぁみろぉ」といわんばかりにカッと見開いた目の大きさ。かぁー! 彼女でないとできませんでしょう。あの悪魔のような形相は。その他、無邪気なんだか、狂ってるんだか分からないような鼠殺しのシーンもピクピクきます。

 子役のアン・ソンギは、そうといわれなければ気づかなかったでしょうね。「にっ!」と笑う表情が、『鯨とり ナドヤカンダ』の浮浪者役の笑顔と同じで「あぁ、おんなじ人なんだ。」とやっと納得できました。感心したのは、足が不自由な姉の歩く姿を真似るシーン。昔から芸達者だったんですねぇ。

 最後に噂のラストのどんでん返しですが、これはちょっと期待外れでした。期待しすぎというのもあったとおもいますが、あの手のどんでんがえしは、以前になんかで見たことがあるので、新鮮味はありませんでした。まぁ、ああでもしないと救われないというのもあるかもしれませんが。どんでん返しの前、作曲家のキム・ジンギュと下女のイ・ウンシムが2人で水を飲むシーンが、TV版『失楽園』の最終回と似てたのがおかしかった。

 妻が、夫と家族の体面を考えて警察に届けるのをためらうシーンなど、ちょっとリアリティがなく唐突な感じがして、「うんうん、こうなっちゃったら私もそうするかも」と思えなかったなど、不満もありますが、総合的に見て1960年に作られた作品としては文句無しの傑作であるなというのが私の評価。カット割りもなかなか見事でありました。

 ネタバレ防止のためぎりぎりのラインで話しをぼかして書きました。ご覧になってない方は、なんのことやらサッパリ分からないと思いますが、ご容赦のほどを。



投稿者:SUMさん 投稿日:2002/8/10 23:17:54

 窓の外の下女の絵の怖さは世界の映画史に残るといってもよい。

【評価:★★★★】


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