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『ガン&トークス』とスターの魅力、
そしてウォンビン

Text by 田代親世
2002/2/12受領
画像提供:CINEMA SERVICE



 2001年の下半期、すっごく面白いと思った韓国映画が『ガン&トークス』だ。ポスターからして四人のいい男のビジュアルで期待大だったが、その期待を裏切らない出来。

 ちょっと間の抜けた、しかしやるときはやる、らしくないプロの殺し屋達の織りなすスタイリッシュ・コメディー。冒頭、殺し屋四人の鮮やかなお手並みが披露される。ターゲットは四人の男。それぞれを手際よく、様々な方法で片づけていく。冷酷な殺し屋達かと思いきや、素顔は、毎日憧れのテレビ・キャスターを鼻の下を伸ばしながら見ているような、ノホホンな男達だ。殺し屋のくせに情にもろかったりして、なかなか任務が果たせないこともある。

 演じるのは、『銀杏のベッド』『ソウル・ガーディアンズ 退魔録』『アウトライブ −飛天舞−』などで、いつも悲劇の男を演じていたシン・ヒョンジュンに、『JSA』での愛嬌ある演技が印象に強いシン・ハギュン。田辺誠一似のニヒルないい男チョン・ジェヨン。そして、先ごろ地上波全国放送されたドラマ『フレンズ』(http://www.tbs.co.jp/friends21/top.html)で日本の人々にも一挙に認知されたウォンビンだ。


 チャン・ジン監督の作品の特徴は、プロフェッショナルでなければいけないのに、それらしくない変な人達がいっぱい出てくるところ。観客の想像する典型的な職業像とそれをはみ出すところから出てくるギャップが面白さにつながっていく。監督の言葉を借りれば「バカの美学」を描くのが好きなのだそうだ。そんなバカ達四人の掛け合いが当意即妙で面白い。笑わせるだけではなく、優しく、深いメッセージも滲み出る。チャン・ジン監督、お得意のパターンだ。

 チャン監督は俳優を育てるのが上手い。自分の映画を通じて俳優を最大限に生かして表現することにすごくこだわりがあるのだという。観察眼が鋭いので、その俳優の固定イメージにとらわれないで、違った部分を上手く引き出すことができるのだろう。今回は特にシン・ヒョンジュンとウォンビンがひと味違った魅力を打ち出し、話題になった。


シン・ヒョンジュン(左)とウォンビン(右)

 シン・ヒョンジュンに関しては当初周りから「彼は全然演技力が伴わないし下手なのに、どうやってやるつもりだ」とすごく心配されたそうだが、監督にはすごく自信があったという。その自信通りにシン・ヒョンジュンは肩の力を抜いたような、おとぼけキャラを楽しそうに演じ、激賞された。

 ウォンビンもそうだ。スターダムに上ったテレビドラマ作品『コッチ』と『秋の童話』がいずれも、愛に一途な、どこかに陰のある力の入った人物像だったのに比べ、映画では、プロの殺し屋を夢見ているという弟分の可愛らしさが漂うキャラクターで、ひょうひょうとした感じにあどけない笑顔を浮かばせ、イメージ・チェンジを図った。本人もドラマで定着したイメージを払拭したかったと言う理由もあって作品を選んだそうだから、良い出会いだったのだ。チャン監督にウォンビンの印象を聞いたことがあるが、

「一ヶ月の間、リハーサルでずっと一緒に練習したけれど、ウォンビンは本当に誠実にリハーサルに参加してくれた。彼の集中力はすさまじいもので、リハーサルであまりに全てを出し切ってしまうから、リハーサルするのが怖くなってしまうくらい。それくらいすごい集中力を持った人なんです。まだ演技面で荒削りだけど、潜在能力はすごいものがあると思いますよ」

と言っていた。演技者としての態度も立派なものである。


シン・ハギュン(左)

 シン・ハギュンは既に日本でも知られているが、もう一人、銃の名手を演じたチョン・ジェヨンは、これから大注目の俳優だ。監督曰く

「彼の演技は本当に素晴らしい底力を秘めています。今回彼の役どころは小さかったから『あっ、誰だろう?!』と思わせる程度だったかも知れませんが、次の作品『血も涙もなく』ではチョン・ドヨンと共演していて、そこでの演技は並大抵のものではないですよ。今年はきっと彼が映画界を席巻しますよ」

※ 『血も涙もなく』は2002年3月1日、韓国公開。

とのことだ。目を付けておいて損はない。実は私もこの映画の中でウォンビンの次に目を奪われたのがこのチョン・ジェヨンの格好良さだった。


チョン・ジェヨン

 さて、ウォンビンに話を戻すが、彼の出世作『秋の童話』が、いよいよ日本にもお目見えする。まずはBS日テレで原題通りの『秋の童話』として3月19日から毎週火曜日23時よりの放送。その後、東京MXテレビ、大阪の朝日放送では『オータム・イン・マイ・ハート』のタイトルでそれぞれ5月頃、7月頃の放送予定。いずれも吹き替え版の予定だそうだが、韓国では全16話だったのが、日本では台湾と同じく全18話で放送される。この差はなんなのか? 既に韓国版を見ている人も、もう一度チェックしてみよう。

※ 台湾での韓国ドラマ・ブームについては「台湾における韓国芸能事情」を参照。

 『秋の童話』でのウォンビンは短い髪で、強気な男というワイルドな魅力を振りまいている。プレイボーイで金持ちのボンボンだが、肉親の愛には恵まれていないちょっと屈折した男。それが、ヒロインに出会って本物の愛を知るようになるが、彼女には幼い頃から兄弟同然に育ってきた恋しい男がいた。どんなに彼女を愛しても報われない切ない愛の演技が秀逸で、このドラマが放送されたアジア各国でウォンビンは大人気となったのである。『フレンズ』で彼を良いと思った人はこのドラマは外せない。なんとしても見て下さい(笑)。

 ちなみに『フレンズ』も今後ビデオ化・DVD化されるので、見逃した人は、そちらをご利用あれ。


ウォンビン


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